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8/1から17連勤シバいていたわたし、8月の丸一日オフが18と22しかなくて
「夏だし、1日かけて車で遠いとこ行きたーい!」と言うと「いいよ、レンタカー借りよう、どこ行く?」と言われ
「えーどこにする?」とワクワク会議を開こうとするも「どこでもいいよ」との回答、わたしは普段運転をしないので片道何時間のところが妥当なのかよくわからず、生まれてこのかた関西一筋の同僚の女の子に相談し、関西のあらゆるスポットを教えてもらった。
結局6年前の夏に母と行った淡路島の海と空が見たくなり
「淡路島に行きたい!」と結論を出し「いいね」との返事。
「えーどこにいく?」とワクワク会議を開こうとするも「どこでもいいよ」との回答、わたしは普段運転をしないのでどこをどう回ることが可能なのか等わからず、とりあえずインスタで「#淡路島」と検索すると、朝10時から夜8時までのデートコースの投稿が出てきたので「朝10時にパンケーキいこう!」と言うと
「それ何時に出ないといけない?朝早いの無理、13時出発とかがいい、帰りも暗いとちょっとな〜」と出鼻を挫かれる。
わたしは母とお出かけとなると7時起きでドライブに繰り出すのが定石だったため、まさかの午後出発は受け入れ難かったので、間をとって「10時出発」でカタがついた(ここで帰りの時間を決め合わなかったのは悪い)
そのあとまたごはんに行く機会があったので、ごはん後におうちで計画練ろう!と提案するも
「サッカーが20:30に始まるから帰る、勝手に決めて、その通りに行くから」と丸投げされる。
ちなみにその日は19時に合流したので1時間半で解散となる。
丸投げされたわたしは車の感覚が一切わからない。
とりあえず前に母と行った場所と最近できたスポットなどを調べてchatGPTに行きたい場所を言うとタイテを組んでくれた。
しかしやはりどうしても9時に淡路島に着いておかないといけないタイテしか吐かない。
しょうがないので、とりあえず、母とは小っ恥ずかしくて行けなかったような映えスポットを中心にリストを作成した。
どうしても行きたかった幸せのパンケーキ淡路島テラスと、夕陽が見れそうなテラス席のあるレストランの2ヶ所を、わたしが予約をした(パンケーキはネットで、レストランは電話しかなくて仕事の昼休憩に電話をかけた)。
それにしても何時に予約を取ればいいかわからず、マップアプリとにらめっこしてパンケーキは13:35に、レストランは日の入りの時間(18:40ごろ)を加味して18時に予約を完了させた。レストランに電話しつつ(こういうの彼女側がやるのあんまなくない?)と感じた。わたしは白馬の王子様などを夢見る乙女なので。
「パンケーキとレストランを予約したよ!」と、予約時間と共にLINEで報告するも「レンタカーの返却間に合わんかもな、21時やから」と絵文字なしで言われる。
そもそもレンタカーの返却がいつなのかよくわかってなかったなわたし、となるも日の入りの時間を考えると18時にレストランはどうしても譲れなくて懇願すると「でも渋滞とかもあるしな」と絵文字なしで言われる。
マップが言うには1時間半で帰ってこれるらしいから提供まで20分、食い切るのに20分、日の入りサッとみて19時前にレストラン出たらええやんけと思った(のちにわかるがこれはわたしが短絡的すぎる、渋滞はマジでする)。
いやだから車の感覚がわかってないわたしに時間を制する計画を全て立てろというのが無理な話ではないか?ただ、淡路島に行きたいと言い出したのはわたしなので飲み込んだ。
↑このレストランの時間のやりとりに日を使いすぎてそれ以外のスポットについて話ができなかった。
前日の昼にわたしが行きたい場所をリスト化したものを投げ「全ては無理なのでこっから選んで!」とLINEをする。
それに対して「全部は無理やな、ここから選択式?」という返事が23:52にくる。
いや全ては無理なのでこっから選んでとの文字が見えんのかいと思うもアンガーマネジメントを1時間していると日付が変わったため、明日の運転手さんなのでもう寝てるかも、LINEはやめておこう、とわたしも寝る。
10時にレンタカーのところ集合と言われていたため、昨日の夜のLINEの返事を返してなかったから朝起きて返して(8時台)、9時52分に着けるよう電車で向かい、凍った水とお茶を買っておこう(フェスか?)と空の保冷バッグも持ってセブンに寄り、買い、56分くらいに着いてふと不安になりLINEを開くと8時台のLINEに既読がついていない。
10時をすぎても連絡は無く、これは寝坊か?予定飛んだか?湘南のカウセでも入れるか(脱毛)とサイト見てたら10:08に突然わたしの右に現れる。
たかが8分で不安になるわたしもわたしなのだろうが「来ないかと思ったwww」と言うも特に返事がなく車を借りて出発。
「(カーナビに)行き先入れて」と言われるが、まだわたしのリストから選択していただけていなかったために「①の淡路ハイウェイオアシスでいい?」と聞くと「うん」との淡白な返事、カーナビを操作するのも6年ぶりなのでもたつくわたし、カーナビのナビゲーションが開始されとりあえず下道を走る。
「車乗るのエイブルによる内見ぶりだ〜」「いやー結局晴れてくれてよかったね、来週は台風直撃かもらしいよ!」「広島ってパーキングチケットのやつあんまないから大阪多くてすごいね、ぜんぜん歩行者来てるの見えないね」「あ、ここ移転前の本社の近く!」「てか知ってる?高速でビル貫いて通るやつあるの、高速バスでよく通ってた、あれ梅田だから今日は通らんかな?」などとわたしがずっと話をしていた。
「うん」「わからん」「知らん」の返事しかなく(なぜ地味に無言遅刻した側が機嫌悪いのだ?)と思いつつ、高速に乗せたり降ろしたりしてきてわけわからん案内しかしないカーナビ、「Googleマップのナビのほうがいいかな?」と言いスマホを出してみるも運転手が無言なので(黙れということか)と思いスマホをなおす。
なんやかんやでまた下道に降ろされたのでやたら信号がある。「遅。」とボソッと言ったので(前の車に!?)と思って怯えた。
そしてまた高速に乗せられる。
高速って左側から合流してくるやつが都度あるでしょう、あれについて「お、合流地点だ!1台が1台を入れてあげる"あの"やつね〜ん♪」というと無視された挙句に1台も入れなかったのでびっくりした。
せっかく阪神高速に乗せられたのに何故かまたカーナビに下道に降ろされ、工事による渋滞に巻き込まれる。
しかしラジオからは阪神高速で6キロの渋滞と言っていたので「その渋滞を避けるために急がば回れナビゲーションなのかな〜?」と話しかけるも無視。
ノロノロ動く車たちの中に、トラックの後ろの部分にウッディとバズが引っかかってるやつがついてて「みて!ウッディ!可愛い!」というも「うん、バズね」とだけ。
左側に甲子園があったので「うおー!甲子園!ここにあったのか!初めて見た!ほんとにツタまみれなんだ!今日は試合なさそうだね?」というも「今甲子園やってるんや」と返され(無人島で生活しているのか?無人島で生活してたとしてもこの季節は夏の甲子園では?)と思うもネットで調べて「明日決勝らしいよ!」というも無視。
やっと工事渋滞を抜け再度阪神高速(渋滞が終わったらへんのICから、カーナビすごい)に乗せられる。
相変わらず運転手を暇にさせまいと1人で喋り続けていたわたしだが(この辺はわたしが本免試験の縦列駐車で20回切り返したら落ちた話を披露)、急に「シッ!」と言われる。
あ、運転に集中したいタイプだったのか、ナビの声聞きたかったのか、なのにわたしが一生喋り続けるから迷惑だったのかこれ、とやっと1人で気づきを得る。
しかし漫談モードに入っていたわたしは、気を抜くと喋り始めるので2文字くらい漏らしてからハッと口をつぐむというのを何回も繰り返していた。
この時点で到着予測時間が序盤に比べ30分オーバーしていたので①に行くの厳しいかもな、①の後に行きたいと思ってるパンケーキは遅刻厳禁だし…とひとり考えを巡らせる。
明石海峡大橋に差し掛かり「うおー!海ダー!!!!!!これが明石海峡大橋かー!長いな!!高いな!!」と感動する。
2文字以上喋ってしまったからかやっぱり無視された。
淡路島に渡りきると淡路ハイウェイオアシスの観覧車が見えたので「あーあの観覧車!あれ!今からあそこまで行くんだ〜(遠くに見えたため)」とまた2文字以上喋ってしまった。また「シッ!」と言われた。
淡路ハイウェイオアシスは淡路SA(IC)と繋がっていたという6年前の記憶がわたしにある。
ブリブリに走る車は淡路SAを普通に通り過ぎた。
通り過ぎそう!と思っていたが、わたし喋らないほうがいいしな、と思ってよりによってここではルール通りに喋らなかったのがいけなかった。
「過ぎた?」と聞かれ「うん」と答える。
「めんどっ!」と言われる。
めんどいもなにも淡路島に遊びに行くつって淡路SA淡路ハイウェイオアシスの看板の淡路という文字をみて何も思わなかったのか?てかカーナビも左と言ったよな?と思いつつ流石に言えないので黙っていた。
空気が読めないカーナビは経路を再検索し始め、運転手の過ちを白日の下に晒す。
次のICは東浦ICだった。
このへんになるともうわたしは右側を見るのが怖くて左の車窓からの景色しか見ることができなかった。
しかしちょくちょく左側に置いてある東浦ICの看板には全て紫で「ETC専用」と書いてある。
(そんなのある?)と思うもさすがに報告せねばと思い「このご時世とはいえ、なんだけどさ、ETC専用のICって存在する?看板にそう書いてあったんだけど、ETCレーンあるよっていう意味の『ETC専用』なのかな?さすがにETCしかないことないよね?」と話しかけるもやはり2文字以上喋ってしまったためか無視される。
今回はレンタカーなので、ETCではなく現金で払い続けここまできている車、わたしは嫌な予感しかしていなかった。
いざIC、やはりETCレーンしかない。
『ピンチ回避レーン』みたいなやつがあったからそこにいくとマイクで職員と話せるやつがあった。
すると機械の壁が開いて普通に支払い用機械が現れた。
支払いを済ませる。
まさかあの壁が開くとは思わなくて「えー壁開くのおもろwwwおじさんあそこの建物でリモートしてるんかな」との感想を抱いた。
マイクのボタンを押すには車から出ないといけなかったので、運転手が乗り込んだところでこの感想を述べた。
別にトチってもわたしは気にしないので(気にしてないよーん)の意味も込めて。
その直後、車のドアを閉める音があまりにもデカすぎてわたしは固まった。
ICを降りるも、①への到着予測時間が当初から1時間オーバーしていたためさすがに①には行けないと判断したわたしは「パンケーキ直行の方がッ!い、いいかも…しれない…」と言った。
もう怯えきってわたしがわたしじゃない。
「じゃあ住所入れて」と言われるもまたカーナビ入力でもたつくわたし、車は止まれないのでとりあえず左折をしたが結局真逆の方向で「ぎゃ、ぎゃくかも」とアワアワしてたら「やからそれはどこやねんって!」と怒られる。
これは大声で怒鳴られたとかではないのだが、めちゃくちゃ普通に怒られたわたしは動悸がして、8年前のことが完全にフラバした。
客が増え忙しくなるとパニックを起こし周りの人や物にあたりまくる、わたしが大学生時代にバイトをしていた焼肉屋のシェフのことだ。
これで完全に怯んだわたしはもうダメだった。
メンタルがおしまいになった。
パンケーキのところに着くも、行きたいとこリストの駐車場については金額まで調べていたのにパンケーキの駐車場はリサーチしてなかった。
慌てて動体視力を駆使しつつ目を凝らすと第6駐車場に2台分空きがあった。
片側一車線だったので「も、もどれる?」と聞き、戻っていただく。
「あ、第6!ここだ!」「ここ!?」「ここ!」「ここ!?」「ここ!」2回目の「ここ!?」のところで第6駐車場を通り過ぎた。
車内の空気が最悪である。
ありがたいことにその先の第2駐車場が普通に空いていて、おじさんが誘導してくれた。
予約の時間まで30分あり、彼はそれまで車で待機しようとしていたが、わたしはもうどうしても怖くてその場から逃げたくて「探索してくる!」と言いマジで探索した。
淡路島にはトンボがたくさんいた、6年前の夏のように。
いい時間になり「そろそろ入れると思うので来ていただけると」と電話をする。
もう恐ろしくて敬語じゃないと無理だった。
席に案内されるもやはり怖くて対面できないので、それぞれのテーブルのそばにあった首振りクソデカ扇風機と一緒に首を振ってずっと風にあたっていた。
その間彼はずっとスマホをいじっていた。
本当はこの提供までの時間を利用して、映え階段や映えリングや映え鐘や映えブランコで写真を撮るようにできているのだが、できるわけがなかった。
パンケーキが運ばれてくるとさすがに席につかないといけないので座る。
ふと、わたしはとんでもなく椅子の左端に座っていることに気づいた。
身体が勝手にそうしている。少しでも物理的に離れようとしている。
周りのカップルたちはしあわせそうに写真を撮りあったり、パンケーキを綺麗に並べ一眼で撮ったりしていた。
あの映え階段にも人々が列を成している。
わたしたちはそれができない、と悲しくなったし、そもそももう恐ろしくて顔見れなくなったし、このあとニコニコしてデート続けられる想像がつかなかったし、てかレストランが18時予約でまた渋滞したらもう本当に殺されるな?と思ったので、勇気を振り絞り「帰ろう」と言った。「は?帰るの?」と言われ「お、怒ってるから、怖いから、帰りませんか」と言った。
「怒ってないよ」と返され(こういうものはハラスメントと同じで受け取り手がどう思うかで)などと言いたかったがもう声が出ない。
どこで怒ったと感じたのかも説明したかったが声が出なかった。
①を目指し直そうとしてくれたのか、そのままお互い無言のまま淡路SAまで行ったが、わたしの知ってる景色じゃなかった。
淡路ハイウェイオアシスと繋がっているのは下りのSAなのだ。
「ここ?ここじゃないの?」と聞いてきて(本当に事前に何か調べるとかしてなかったんだな)とは思った。
看板にもそう書いてあるのが見えたので、ここじゃなくて下りの方で繋がってるみたいだよ、と言いたかったのにそれももう声が出なかった。
ひいては彼を否定することに繋がる言葉、だと思うと声が出なくなる。きっとまた怒られるだろうから。
なんとか、レストランの予約をキャンセルしてくる、の旨は伝え一旦車を降りてキャンセルの電話をした。
いくらコース予約じゃないとはいえ、当日キャンセルはシンプルにキショいことはわかるので「本当に申し訳ございませんでした」と言ったところで涙腺が崩壊した。
切り際にちょっと泣くのは当日キャンセルの事実よりキショい。
戻って再度勇気を振り絞り「帰ろう」というとそれが案の定涙声になってしまっていたので「え泣くほど?ごめんて」を最後に車内は無言。
男の人に怒られることによりシェフの件が完全にフラバしたこと、そもそも彼は何故わたしが泣いているのかどうせわかっていないこと、てか普通の人はわかるわけがないこと、おかしいのはどうせわたしであること、6年前に母と来た淡路島はずっと楽しかったこと、淡路島の海と空は6年前と同じで綺麗だったのにわたしが勝手に楽しまなかったこと、元彼とした唯一の遠出が神戸で同じ道だったこと、大阪入ってから通る道も元彼の家からよく送ってもらっていた道だったこと、何もかもがずっと悲しくてマジで帰りの2時間泣き続けた(夕方前だったのに結局渋滞しててやっぱり2時間かかったやないか、わたしが短絡的だったのはガチ)。
割と一刻も早く離れたかったので、割り勘すべき有料道路がもうなくなってからは、知ってる地名を見かけるたびに「桃山台!わかる!帰れるので降ります!」などと言うも無視され、結局家の近くの交差点の前まで送っていただき、都度払っていただいた金額をスマホのメモに入力して計算していたよりも多めの2万円を手渡し(よく知らないがレンタカーはガソリン満タンにして返さないといけないとネットで見た)
「ありがとうございました」と伝え、降ろしていただいた。相手は無言。
家に着くと足がめちゃくちゃ疲れている。歩いてないのに。怯えきって身体が硬直して帰りの車内でずっと足に力入れてたからだ。
百歩譲って「頭おかしい女だな」と思われたとして、何かフォロー入れないか普通?普通とか言うのはナンセンスなんだけれども、でもこの超大作の出来事のあとならば普通謎に泣かせたっぽい側からフォロー入れないか普通?普通???
これはお別れを意味しているのか。
また「もうわたしは誰も好きになれない、誰にも好きになってもらえない」と咽び泣く夜を過ごさないといけないのか?10ヶ月ぶりに?というきもちである。
ここまで書いておいてなんだけど、やっぱり全体的におかしいのわたしでは?
・全体的に要領が良かったらよかった
・「運転中話しかけられるのが嫌な人もいる」ということを知っていればよかった、人と車に乗ることがなく知らなかった
・普段から運転してて車の感覚がわかっていればよかった
・男の人に怒られても「お?八つ当たりかえ?」とソッコーで怒り返す力があればよかった
…わたしが悪いのか?