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2024年のレンタルスペース業界の事を考えてみる

初めに言っておきますが、目まぐるしい世界情勢と経済環境にある現在、予想が当たることはなかなか無いと思ってます。(昨年に引き続きガチガチの予防線)

といいつつも昨年はだいたい当たっていたなと思ってもいるので、今年も2024年のレンタルスペース業界がどうなっていきそうなのか、自分の予想をしていきたいと思います。
レンスぺ業界としては全種類のスペースが好調であった2023年。景気の良い大型予約がX(twitter)でも飛び交いましたし、スペースの大型化もトレンドだったと思います。
ご興味ある方は下記記事をご笑覧ください。

https://note.com/yuki_morizane/n/n1367b9df5678


さてそれでは自分が事業を通じて感じている事、予約目的の動向、様々な業界関係者(ホストの方や予約サイト運営者)の方との意見交換を踏まえての予想をしていきたいと思います。
2024年のレンスぺは大きな話が各方面から湧き上がってくる景気の良い世界感を感じています。


はじめに(自己紹介)

改めましてですが、私は株式会社クルトンの共同代表をしております森実(もりざね)と申します。

全国で空室や空床のレンタルスペース化のご提案から実際の運営代行までまるっとお引き受けさせて頂いております。
レンタルスペース運営代行件数は全国で約900件。管理物件数では業界NO.1です。会社は8期目でして、レンスぺ事業も7年やっているので業界でも古株の部類に入ってきたかなと思います。

またupnowという簡単に予約サイトを作成出来るツールの提供も行っております。

ワークブースPAOもメーカーと共同開発しまして、ワークブースを使った収益化のご提案などもさせて頂いております。

そして私個人はX(旧:Twitter)もやっていますので、もし宜しければフォローお願いします。レンスぺ業界の事をぽつぽつと呟いております。
https://twitter.com/crewtone

2023年のレンタルスペースのおさらい


まず2023年のおさらいから行きたいと思います。
ちょうどスペースマーケット社からも2023年の振り返り記事がありましたのでそれも照らし合わせながら見て頂くと良いと思います。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000274.000015560.html

2023年はコロナ前の行動総量に社会が戻ったこと、かつ消費者物価の値上がりも重なったことでレンタルスペース業界においては非常に追い風になったと捉えています。相次ぐ日用品や食料品の値上げによりコスパ重視の方が増えたことで無人でコスパの良いレンスぺは会議室、パーティースペース、撮影スペースも活況な1年でした。
例えば会議室では、セミナーや講演会の予約が増えてきています。有人の会議室よりも多少不便でも無人会議室で予算を抑えながら開催されている企業もコロナ前よりも多い印象です。

パーティースペースでは最近の若い方ほどお酒を飲まない傾向にあるように居酒屋に行く回数が減っており、それでも友達とは集まりたいと思うわけで、居酒屋に行くお金が流れてレンスぺが選ばれているような気がします。

各種類のスペースの売上データは下記の記事にて毎月まとめております。
さて次章から2024年のレンスぺ業界の事について考えてみます。

2024年のキーワード①「スペースの事業譲渡 ⇒ 会社の事業譲渡へ」


2023年は「スペースの大型化」がトレンドとなりました。特に顕著だったのはパーティースペースの大型化だったなと思っています。
大型スペースは少人数スペースよりも売上グロスが出ますので最終的な利益額としても大きくなります。
利益額が大きくなればその分、多店舗展開の資金も早く集められるのでさらに出店を加速する流れになります。
そして多店舗で収益を上げられるようになると売上・利益の規模においても「これ会社ごと買収した方がいいんじゃないか?」のレベルになってくると思います。
現在トランビやバトンズなどのウェブ上での事業譲渡系サイトでは1スペースごとの事業譲渡は活発に行われています。
それが2024年は利益額が大きくなったレンスぺの会社ごとM&Aしたいという話が増えてくると思っています。
というかこれは確実に起こると見ています。

レンスぺは一度オペレーション・固定客・清掃スタッフが定着した状態であれば運営にかかる人数はあまり必要ありません。そうなると買収したい企業からしても魅力的な案件になるはずです。
逆を言うとベテランホストの方々はこう考えるはず。

・レンタルスペース事業主体の法人立ち上げ(社長+アルバイトで組織)
・早々に20店舗程度を運営し、年間の利益額で約2000万程度出す
・5000万 ぐらいで法人ごと売却

というシナリオは全然出てくると思ってます。スタートアップの税制改正もありますし、今勝ちパターンを作ったスペースを持っているホストはこういった出口戦略も描けるはずです。
※ちなみに何かそういった情報を持った上で言っているわけでは無いです。

2024年のキーワード②地方のレンタルスペースの売上が上がる


レンタルスペースで安定した収益を出すとなると最寄り駅の乗降客数を1つの基準にしている事が多いと思います。
弊社でも物件探す際は最低でも最寄り駅の乗降客数4万人以上などの目線で探す事が多いです。
ただデータを見ていると乗降客数1万人程度の駅にあるレンタルスペースでもある程度の売上が確保出来ているようなケースが増えてきています。
弊社で行くと鉄道各社の依頼で出しているスペースや企業のショールームの日中帯貸し出しなどがそれです。
なかなか売上は厳しいとご説明の上で始めているのですが、ここ半年は売上が伸びてきています。
例としては、乗降客数1万人以下の駅にある20名程度の会議室が売上15万以上で安定してきているなど。
予約理由も田舎のエリア独特のものもあります。「考え事をしたい」「地域行事の日の休憩場所として」「文化祭のあおり動画の撮影をしたい」など。
実は田舎ほどスペースの選択肢がなく、潜在的な需要があったものが顕在化してきていると見ています。
例えば公共の会議室を借りようとしても、
・予約は電話予約や現金払い以外NG
・セミナーなどの商用利用NG
・予約が取れるのが2週間先まで
みたいな事も良くあります。
そこにポンとスペースが出てくるとそこに人気が集中するといったケースです。
積極出店をお勧めするレベルではまだ無いのですが、もし余らせている不動産があればまずはお金をかけず貸し出しやってみるのはありかもしれません。
ちなみに地方でスペースをやる時はまずは会議室をお勧めします。コストは抑えられて、様々な需要を捉えやすいので失敗しにくいです。


2024年のキーワード③清掃スタッフ採用が超困難に。新規出店を清掃スタッフ確保が難しく断念する事も出てくる


レンスぺに近しい業界では民泊や無人業態店舗がありますが、各業界の景気も非常に良くなってきています。
それに伴い清掃スタッフの給与も上がってきており、採用は非常に困難になってくると思います。
新規出店したくても清掃スタッフの確保が難しくて断念・・・。といったケースが出てくるレベルに2024年はなると思います。
その為新規エリアに出店のホストの皆さんは物件の確保と同時進行で清掃スタッフの確保もセットで進めた方が良いと思われます。
清掃スタッフの契約社員・正社員化についても進めていくようになってくると思います。

2024年のキーワード④スペースの差別化がより深化。FC業態が増えてくる。


スペースマーケットさんのトレンドにもありましたが、今は映画館風のシネマスペースが出現しました。今までは会議室にしろパーティースペースにしろ「色々な利用目的に対応出来ること」を重視してきました。業界が大きくなっている証左でもありますが、今後は利用目的を絞り込んだ差別化スペースが増えてくると思います。
そして専門スペースになると独自のノウハウがあると思うので、それに合わせたFC化や運営代行会社の商品化の流れになっていくのではないかと思います。

以上が私の2024年予想となります。
2024年も明るい話題がいっぱいの1年になりますように。
逆に伸びている業界がつまずくケースとして、社会のバッシングにさらされるようなショッキングな事件や事故が起こりませんように。
そしてホストの皆様にとって実り多い1年となりますように!!

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