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教養卒論の感想

東工大では1年1Qに東工大立志プロジェクトがあり、そのあとに様々な文系教養科目を受けます。東工大での文系教養の集大成、という位置づけの科目が3年後期に受ける教養卒論です。

この科目は立志プロジェクトのクラス2つを1つにして行います。クラスによって自動的に3Qあるいは4Qの受講が決まります。

21Bの場合の最終目標は「自分の専門分野やこれまで学修してきた教養や様々な経験を題材にして、その社会的な意味や影響といった主題を自ら設定し探究する論文を5,000~10,000字で書いて下さい。」というものでした。

教養卒論が始まるまで

教養卒論のクラスと論題は3年の夏休みに入る直前に連絡がありました。教科書の連絡もそのタイミングです。

夏休み期間にテーマ設定と文献探しをすることを推奨されます。また、教養卒論の過去の優秀論文はリベラルアーツ図書館に何冊も置いてあるので、それを閲覧することも推奨されています。

リベラルアーツ図書室(冊子版の優秀論文集を閲覧できます)


授業形式と出欠について(2023年度の情報です)

授業は週2で行われ、第1回はオンデマンドです。第11,12回がオンラインでのピアレビュー課題のみ、それ以外の回は対面です。
クラスによって違うかもしれませんが、私のところは月曜日がピアレビューを行う時間、木曜日が引用や文章校正などを学ぶ座学の時間という構成でした。

欠席は3回まで可能です。遅刻は15分以上だと欠席扱い、遅刻×2で欠席一回分になります。また、ピアレビューの回はそれまでにレビューをしてもらう課題に答えておかないと欠席扱いとなります。そして、第14回の発表会は絶対に出席です。

各回の概要と課題(私のクラスでの内容です)

教養卒論は論文を書くことが課題なのですが、それ以外にいくつか提出物があります。各回の授業内容と課題について書いていきます。

第1回はオンデマンドで、YouTube(約80分)の講義動画を見て「どんな教養卒論を書きたいと思ったか」を300字~400字で書く課題でした。

第2回は教養卒論の概要について説明があります。課題は以下の課題からどちらかを選んでフォーマットに従って書くことでした。一週間後の第4回でピアレビューをします。

  • この100年間において自分にとって最もインパクトのある発明や発見について,500字程度で具体的に論じてください。

  • これまで学修してきた教養や様々な経験について,500字程度で具体的に論じてください。

第3回は座学で文の組み立てを学ぶ授業です。特に課題はなかったです。(第5、7、9回も座学で文章の書き方について学びます。それらの回では特に課題は出ませんでした。)

第4回は第2回の課題のピアレビューをグループになって行います。論文のアウトラインを書くことが課題です。どんな文献を参照するのか、どんなことを書く予定なのかをまとめてきます。この課題はクラスごとに内容が微妙に違うらしく、必須課題でもありません。ただ、1週間後の第6回でピアレビューをします。

第6回のアウトラインのピアレビューでは他の人や先生からアイデアをもらえる時間でこの先どうやって書くか方針が立ちやすいのでアウトラインを書いて出席した方がいいかもしれません。

私のクラスは第6回から約2週間後に草稿の提出がありました。1000字~3000字でとりあえず書いてくれば大丈夫です。草稿は必須課題です。

第8,10回は大学院生を交えてピアレビューです。私は欠席したので内容を知りません。全部読むというより概要説明をしてアドバイスをし合う回だったらしいです。

第11,12回は非リアルタイムピアレビューというものを行いました。それまでにできるだけ完成に近いものを作成し、提出します。そうすると、システム上で勝手に草稿が交換されるので自分のところに来た他人の草稿にレビューを付けます。レビュー記入時間が終わると自分の草稿についたレビューが閲覧できるようになります。
この回は授業はなく、期日までに草稿提出とレビューを行うだけとなります。しかし、非リアルタイムピアレビューはシステム上、自動で進むものなので最初の提出を忘れると以後2回分は自動的に欠席扱いされます。遅れて提出ということは絶対にできません。最悪、落単します。また非リアルタイムピアレビューを行った感想も提出する必要があります。

第13回は最終発表会に向けた準備です。グループになって3分で自分の書いたことを説明し、その質問をし合うというものです。特に課題は出ません。

第14回は最終発表会です。私のところは60人弱のクラスを2グループに分けて、1人3分で発表しました。この回は出席必須です。仮に休むと予備日に各クラスの欠席者が集まって発表会になります。
最終稿の提出期限は第14回の後に設定されているので、最終発表会に間に合わなくても大丈夫です。

教養卒論がうまく書けない人へ

教養卒論は突然、ふわっとしたテーマで5000字以上書けと言われるので、きつい人もいるかと思います。自分も苦労していたので何とかするためにやったことを紹介してみます。

1つ目は過去の文系教養レポから再利用できるものがないか探したことです。教養卒論って結局文系レポをちょっと拡張したやつです。今までの文系教養のレポートは明確な問いが与えられていたと思うので、それを利用すれば簡単にテーマも決まります。ついでに使えそうな資料も簡単に見つかります。
さすがに同じテーマで内容コピペはバレると思いますが、少し方向性を変えて書けば良い感じのものが書けると思います。

2つ目は先生に相談することです。大半の先生はこんな科目の単位なんて取ってほしいと思っています。それだったら最初から相談した方が絶対に良いです。
私は論文の結論の方向性が決まらなかったのでメールを出したのですが、優しい先生だったのでいろいろアドバイスをもらいました。教授ガチャで外したら東工大ライティングセンターにメール出しとけばなんか案はくれると思います。自分で抱え込むより状況はよくなるはずです。
助け舟を求めるなら早めにした方がいいです。一回目の草稿までに何書くか全く決まらなかったら手助けを求めた方がいいです。

3つ目はなんでもいいから書くことです。最初は箇条書きでもコピペでもなんでもいいのでとりあえず文字数を増やした方がいいです。後からまとめればOKです。
4000文字台で苦しんでいる人は、地元でも東工大でもいいので図書館からよさげな本を借りてきてそれっぽい記述を引用すれば一気に2、300文字くらいは増えます。どうせ2点以上の本or論文から引用することは決まっているので引用で文字数稼ぎしましょう。引用したら書きたいことも増えてくると思います。


最初のテーマ決めがきついですが、それさえ乗り切れば5000文字なんて今までのレポートよりもずっと文字数が少ないはずです。なのでそんなに難しく考えなくてもいいかなと思います。
これを読んだ方が教養卒論を無事に書き終えることを祈っています。

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