見出し画像

「諦めんなよ」といわれても 17 点差で負けているときにできることはチャンネルを変えて飲むくらいしかない(そして CM のたびに奇跡が起こっていないか確かめに戻る)

今週はセインツ (New Orleans Saints) を迎えて、パッカーズ (Green Bay Packers) はホーム開幕戦だ。
で、なんか知らないけど勝ってる。なにこれ?

序盤については知っている。プレイコールが完全に当たるのに、選手が現場でそれを遂行できないもどかしさであふれていた。稀代の天才軍師を抱えているのに兵士がいなくて何も成せないダイミョのような気持ちだ。
それも当然だったかもしれない。なにしろ今週の戦闘には、これだけの主戦力がインアクティヴ――要するに欠席している:

  • LT1 David BAKHTIARI #69

  • LG1 Elgton JENKINS #74

  • RB1 Aaron JONES #33

  • WR1 Christian WATSON #9

  • CB1 Jaire ALEXANDER #23

やるぞってときにこんなに主力が見守ってるだけってことある? 関ヶ原かここは?

ツルツル滑る足元のせいか互いに攻撃はあまり進まず、セインツの攻撃はジミー (Jimmy GRAHAM; #80) へのタッチダウンにとどまっていた。
パッカーズもジョーンズの役割をテイラー (Patrick O’Neal TAYLOR Jr.; #27) とウィルソン (Emanuel Dashea WILSON; #31) の二人がかりでこなそうとしていたが、やはりモノが少し違う。そして、これは必然的な流れではあるが、相手の方が強いときには反則でもなんでもやらないとかなわない。しかし、反則は露見すると罰退となる。状況がよけい苦しくなるのでまた反則に至り……以下、ループに入る。結局、活路というものは自分が有利な可能性のある場所に求めるしかない。グリーン・ベイの場合、それは空中戦だ。

というわけで、ラヴ (Jordan Alexander LOVE; #10) は投げまくった。じつに全部で 44 投が記録されている。自分で持って走ったのも 9 回。短いパントをシャヒード (Rashid SHAHEED; #22) がリターンタッチダウンにして 14 点差となり、さらに 17 点差となり、視聴者がよその試合を観るか酒を飲んで昼寝か夜寝かしている間、頑張っていたのである。
なおパス成功はちょうど .500 の 22 回にとどまった。コントロールがそれほど良いわけではないし、レシーバーも弱い。競り合いにどうとかいう以前に、開かないし落球するレベルなのだ。しかも息が合っていない。観ていなかった判断は妥当だしなんら批難されるものではないと思う(答弁)。

ここまでで試合を楽しんでいたといえるパッカーがいたとしたら、それはゲイリー (Rashan Abdul GARY; #52) だったに違いない。Q3 残り 11 分弱のところで決めた、この試合 2 発目のサック (sack) はデレク (Derek Dallas CARR; #4) をフィールドに沈める打撃になった。

以降、セインツは代わりにジェイミス・ウィンストン (Jameis Lanaed WINSTON; #2 蟹泥棒、あるいはドリンクバーただ飲み野郎、あるいはウーバードライバー痴漢野郎) を送り、あまり時間を潰せないままパントを繰り返した。もしランを主体にコールされていたらさすがに逆転までにはいたらなかっただろう。

ところで上の記事にもあるようにセインツの OL はかなりのハイペースでサックを積み上げているのではあるが、デレクの兄の記録に比べたらこれでもまだマシらしい。怖い。

僕はというと、終わりのほうは観ていたんだけど……頭の中は疑問符だらけだった。
現代フットボールのパスってこんな通らないものだったっけ?
いくら投げても捕らないやつのところへそんなにムキになって投げなきゃいけないものだったっけ?
どうしてザックは 4th & 10 なのに 2 ヤードのパスを投げているんだ?
何もわからない。前任者のせいで感覚がバグっているのだろうか。

最後は、ラヴがホームでの初のタッチダウンパスをダブズ (Romeo Izziyh DOUBS; #87) にヒットして逆転し、セインツが返す刀でフィールドゴールを外して試合が終わった。信じられない、勝っちまったよ。

いやいろいろあった。フィールドゴールが決まっていたら再逆転する余力はなかったと思うけれども、素晴らしいカムバックと呼ぶ以外に何があるだろう? なにしろ 4Q に入ったときには 0―17 だったのだ。
惜しむらくは、726 ヤードを喪失して爆発炎上したデンヴァー (Denver Broncos) のことしかみんな覚えてなさそうなところか。

というわけで、なにがあったか思い出せるようまとめられた USA Today のページを貼りつけて終わりにしよう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?