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離島の子どもはどう育つ?生まれ育った私が伝えるよかったこと3選

私たちが暮らす日本は島国であり、全国に離島が多数存在します。
離島と聞くと「大自然のなかでのびのび過ごせる」「自給自足の生活が送れる」一方「交通アクセスが少なくて不便」「仕事や学校が少ない」などをイメージされる方が多いのではないでしょうか?
また、離島で子育てしたいけど、子どもはどのように成長するのかと考える方もいらっしゃるかと思います。
私は福岡県内の人口200人程の離島で生まれ育ち、中学校卒業までそこで過ごしました。
今回は離島で生まれ育った経験からよかったことを3つお話します。

①自然が豊か

離島の多くは、海と山に囲まれています。
そのため、私自身も育った離島で四季折々で楽しめる遊びを楽しんでいました。
私が子どもの頃に経験したことをあげていきます。

・春は自然の恵みを楽しむ
自生している野イチゴを食べたり、学校の先生や友達と桜の下でお花見をしたりしていました。

・夏は毎日海で泳ぐ
私のいた離島は学校の目の前が海、自宅からも歩いて1分程度で海という、オーシャンビューの環境です。
水泳の授業も海で行われ、放課後や夏休みも毎日のように海で遊び、真っ黒に日焼けしていました。
私は中学校卒業までプールで泳いだことがなく、平泳ぎでの水泳しか経験していないため、高校に入学し初めてのプール授業とクロールでの水泳に大変苦労しました。

・食欲の秋を満喫する
授業中に学校で育てたさつまいもを収穫し焼き芋にしたり、自生しているどんぐりなどの木の実やアケビという実を採取して食べたりなど食欲の秋を満喫できる生活でした。
授業中に採取したり、食べたりしているため勉強は大丈夫かと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、これらは生活科や理科、家庭科の授業の一部です。
座学での勉強もしていたのでご安心ください。

・冬も外遊び
冬も外で鬼ごっこ、かくれんぼ、野球、サッカーなどを楽しんでいました。
寒くても室内で遊ぶことは少なかったですね。

私はあまり興味はありませんでしたが、魚釣りが好きな子どもは季節問わず魚を釣っていました。

②島の人全員が家族や親戚のような関係性

私が生まれ育った離島は住人が少なく、島の人全員が住人と出身者の名前と顔をほとんど把握しています。
そして島には高校がないため、高校入学時に島を出る子どもがほとんどです。
島を離れた期間が長くなっても、島の人は私のことを覚えています。
そのため、帰省の度に「久しぶり」「仕事は頑張ってる?」と話しかけてくれる方が多いです。
私のことを覚えていてくれたと嬉しい気持ちでいっぱいになりますね。
また子どもの人数も少ないため、島の人たちは、島の子ども全員を自分の子どもや孫のように接することが当たり前だと思っています。
困っていることがあったら声をかける、いたずらをしたら叱るなど愛を持って関わっているのが良いところですね。
今、核家族の家庭が増え、隣近所との関係も希薄となるなか、このような関係性は珍しいのではないかと思います。

③学校が少人数

日本の離島は1学年1クラスのみ、1学年10人以下のことが多いです。
人数が少ないため、クラス全員が確実に理解できるまで先生も授業をしてくれます。
さらに先生への質問もたくさんできる環境でした。
また離島は交通アクセスが少なく、子どもたちは受験前でも学習塾に通うことが難しい状況です。

私の中学時代は、先生が週に1~2回学校に宿泊し受験対策や授業内容の質問に答える補習授業を夜間に行っていました。
そのような恵まれた環境にいたため、私は学習塾に通わず志望の高校に合格できたと思います。
また運動会や文化祭などの行事は全員が演者と裏方を交代で行い、走り回っていました。
行事をゆっくり楽しむ余裕はなかったものの、最後まで責任を持って自分の役割を行う力が身についたことは良かったです。

生徒会も必ず全員が役員を経験します。
私は中学3年生のときに生徒会長になりました。
そのため、行事の度に生徒会長として挨拶をしなければいけません。
人前で話すことが苦手だった私ですが、その経験から度胸がつき、人前で話すことに慣れました。
今、私は看護師をしていますが、離島での経験がなかったら、人と話すことが多い看護師という仕事を選んでいなかったかもしれません。



最後に

私は離島で生まれ育ち、都会の学校では難しいことをたくさん経験できました。
離島で生まれ育った経験は私にとって財産となっています。
離島で子育てしてみたいけど、どのように子どもが成長するのだろうと考えている方の参考になればという思いです。
今回紹介した内容は私が生まれ育った島での経験であるため、島の大きさや人口によって多少変わってくることがあるかもしれません。
この記事で離島での生活を少しイメージすることができれば幸いです。


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