【蓮ノ空感想文】乙宗梢という人
乙宗梢を知ってほしい。
今はただ、それだけを想っている。
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蓮ノ空の想い出。
それはなんなのだろうと、そう思う。
私が蓮ノ空に出会ったのは2024年の年始の頃。
お休みで暇をしていたときだった。
その頃に惹き込まれた人たちは皆、口を揃えてこの言葉を声にする。
『異次元フェス』
その言葉が必ず、そこにある。
けれど私は違っていて。
その熱も感動も知りもしない、そんな平凡な人間だけれど。
いつの間にか、彼女たちの熱に魅せられてしまっていた。
きっかけは些細なことだ。
ラブライブ !は知っていて、なんとなくそれぞれのシリーズも知っていて。
何か新しいことをしている、そんなシリーズがあるということは知っていた。
けれどそこに“ 終わりがある ”こともなんとなく、わかってしまって。
いずれ無くなってしまうのなら知らぬ方がいいと敬遠をしていた。
それなのに、何故皆追うのだろうと不思議にすら思っていたくらいだ。
だというのに。
その日は、暇だった。
なんとなくお気に入りの筋トレ動画を見ようと思ってYouTubeを開いたら、目に飛び込んだものがあって。
『料理力チェック』
その言葉がやけに、気になったのだ。
あぁ、よくあるやつかな。
お料理ができなくて、戸惑って。
それが少し可愛くて面白さもあって。
そんなやつかなぁ、と何となしに再生ボタンを押して。
どんな風なお料理ができるかなぁ、なんてポヤポヤと見ていたら。
そうしたら、とんでもなかった。
え…………料理スキル高くない????
筋切りちゃんとしてるし鶏肉からお出汁取ってるし。
待ってそのきゅうりの苦味を取る?やつ知らない。
今度やろう。
その衝撃に惹き込まれ。
続く他のユニットの皆様の色もとにかく濃くて。
適宜入る指摘が鋭くて。
なんっじゃこりゃ。
この子達が歌う歌は何なのだろう。
そう、思ってしまって。
再生リストの、その時は確か公開されていたライブ映像の切り抜きのボタンを。
気づけば、押してしまっていて。
暗闇から明るくなって。
音が鳴った瞬間。
色が、鮮やかになった。
透明感。鮮烈。眩い光。
何をどう表現したら良いのか、どんな言葉を尽くせば良いのか。
あの時の衝撃と彼女たち……スリーズブーケのステージを言い表す言葉を、私は知らない。
動画の中だというのに。
生で見ているわけでもないのに。
それなのに、どうして。
こんなにも、胸が苦しくなるのだろう。
その時聴いたのは『水彩世界』
笑っている、穏やかに笑っている。
それなのに流れる旋律は儚げで。
その指先でさえ、儚げで。
あぁ、だからかって。
その時やっと、皆が追う理由がわかった気がした。
でもたぶん、その時はわかっていた気になっただけで。
公開されていたライブ映像はあっという間に全て見終わってしまったから。
じゃあ次はリリックビデオを、それも見終わったからFes×LIVEを見よう……あれ?話の流れもわかった方がわかりやすそう。
なら、お話がまとまっている動画があるからそれを見ようって。
とにかく早く見終わろうと思って。
なんとなくキャラデザとあのキャスト様の衝撃により“乙宗梢”というキャラクターが気になって。
その子ばかりを目で追って。
他の子たちもストーリーもなんとなくでしか、見られていなかったのだけど。
語られていく彼女たちの物語にだんだんと惹き込まれていって。
ひとりひとりの顔が、よく見えるようになっていって。
そのままの勢いでアプリをダウンロードして、最新の活動記録まで読み終えて。
全てを見終わった時、涙が止まらなくなっていた。
あぁ、決勝大会進出できたんだ、良かったな。
リアルタイムで見てみたかったかもしれない。
と、そんな気持ちを抱いたまま。
その日は眠りについたのだ。
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その日のことは、今尚あやふやだ。
普通であれば、その日はやけに覚えているだとか鮮明だとか。
それが正解なんだと思う。
けれど、その日から数日私の記憶はあやふやだ。
だって、始めてしまったから。
彼女たちの熱に、当てられてしまったから。
だからその日から数日は。
ただ、彼女たちと向き合っていたんだ。
その通知は突然だった。
通知というのは如何にしてもそうだろうと思うけれど。
物語の内容が良かったもので、普段は滅多にしない通知設定を入れていたのだ。
その表示に目を向ければ、そこにはこう書かれていて。
“ 活動記録の更新 ”
多分ちゃんとした文字は違うけれど。
そう、お話が更新されたとそこにはあった。
その表示をみて、すぐさまアプリを起動して。
早る気持ちを抑えながら、次はどんな話だろうと彼女たちの物語を読み始めた。
花帆ちゃんの語り口調から始まったそれは、衝撃の連続だった。
あぁ、願ってはいたけれどやはりダメだったかって。
ラブライブシリーズは一度敗退をするから、多分そうかなと思ったけどダメだったか。
最初はそう、諦めの気持ちだけだった。
各メンバーの気持ちを物語で読んでいって、皆持ち直して受け入れ始めていることがわかって。
次も頑張れって思うのに。
思うのに…………ずっと影が纏わりついていた。
わかる、わかってしまう。
これから先起こることが、この子が何を想っているのであろうことが、わかってしまう。
だって何か、わかるんだもの。
この子、この気持ち。
ひとりで抱えようとする、その気持ち。
あぁ、きっと。
この子はこのまま————
それだというのに。
あぁ、やっぱりこの子が動いたって、そう思って。
柔らかな陽だまりが、現れて。
ひとり背を向けてしまう彼女の傍へと、寄り添っていた。
その時の朱色だけは、忘れられない。
涙を流すその姿に。
悲痛なまでの想いに。
ねぇ、それは知らなかったよ。
君、そんなに真剣だったんだ。
君の壁は、そこだったんだね。
お家のことでも外野からの横槍なんかでもない。
ただただ、その夢が君の苦しいほどの憧れで————“枷”、だったんだね。
そんな想いを叩きつけられて、陽だまりはどう感じていたのだろう。
痛々しすぎる己の責め方に、何を想っていたのだろう。
柔らかなすみれ色と共に時間を過ごしてきていたはずなのに。
それなのに、きっとその叫びは初めてのことだったろう。
隠しに隠して、この時まで触れさせてすらもらえなかったんじゃないだろうか?
ずっと今日一日纏わりついていた影は、これか。
あなたはずっと、探していたんだな。
何故、優勝をできなかったのか。
何故、手が届かなかったのか。
その原因を、探していたんだな。
それがわかればあなたは立ち上がれるんだもの。
それが今までのあなただったんだもの。
それは、探すだろう。
いつもは探せていたはずのものが探せずにいたのなら、戸惑ったろう。
わけがわからなかっただろう。
でも、ね?
何も見つけられなかったあなたは————どうなってしまうの?
そんなに自分を責めることに、何の意味があるの。
何もないって、ねぇ。
そんなの自分で言うのは苦しいよ。
あんなに眩しい人なのに、どうしてって。
君はどうしてそう、目を曇らせてしまうの?
きっとそれが君と言う人だけれど。
それが君の魅力なのかもしれないけれど。
でも、でもね。
君の前にいるのは、誰だったかな。
君の隣に居たのは……誰だったのかな。
泣き崩れる彼女に向かって、その陽だまりも泣いていて。
でも、それでも。
そこで彼女は動けるから。
人を、想えるから。
彼女を…………想えるから。
縋るように握られたマーガレットが転がり落ちて。
彼女の夢も手から離れて。
けれど。
“ あたしがいます ”
そんな言葉が、あたたかな手のひらと共に伝えられて。
転がり落ちた夢を拾うように。
また、差し出すように。
マーガレットを手向けながら。
陽だまりが、笑っていたから。
泣きながら、笑っていたから。
一緒にいると、夢をみると。
必ず叶えると言うその言葉がひたすらに優しくて。
すみれ色の壁も、溶けていくかのようで。
一緒に手を取り合って、笑ってまた夢をみようと誓い合った瞬間に。
私も、涙が止まらなかった。
そのあとはただひたすらに、当てられた熱を出していた。
雲を掴むようなその気持ちを、忘れたくなくて。
忘れたくない、忘れちゃいけない。
私も久しぶりのことだったし、人の物語から筆を取るのは初めてだ。
でも、忘れたくなかった。
だから沢山書き留めて。
彼女たちの軌跡を、歩みを。
今からでは遅いのだろうけれど。
でも、書き留めたかった。
ただ、書き留めていたかった。
そうして数日、寝食も疎かにして。
その熱をようやく、納めたのだった。
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今思うに、乙宗梢は不器用だ。
彼女の不器用さは他にもある、沢山ある。
今回書いたものはその一部だし、活動記録を遡るに大分やらかしている気がする。
それほどに、彼女は人付き合いが不器用だ。
その理由も、活動記録を読み進めていくうちにわかってくるし、納得もする。
それでも不器用だなぁ、と思ってしまうし、今はもうすっかり解消されているように思えるけれど……色々なことを経て、今では元来の包み込むような柔らかさを兼ね備えているけれども。
けれども彼女はやっぱり、不器用だ。
不器用で、少しズレてて。
歌声を美しく響かせるのに、話し声も穏やかであるのに。
愛しい人たちといる時は、それが少しあどけなくて。
柔らかな眼差しも、ほんの少し悪戯げになったり、戸惑うようになったり。
そのひとつひとつが新鮮で、心地良くて。
ステージ上ではあんなにも美しくて、時には格好良さすらあるのに……一度そこから離れれば、尚のこと可愛らしくて。
その姿に惹かれるな、という方が無理だろう。
私はスリーズブーケが好きだ。
彼女たちのステージは輝いて、清らかで。
どこまでも透き通ってたくさんの煌めきを魅せてくれるから。
私は乙宗梢が好きだ。
彼女の歌声は胸に響いて、その表情も仕草も、ステージ上の全てが全身に訴えてくるからだ。
でも、それと同じく。
あどけない笑い声も、ほんの少し戸惑いつつも機械さんと仲良くなろうとするところも。
人の努力を認めて、自分の努力は……最近少しずつ本当の意味で認められるようになってきているところも。
あんまり素直になれなくて、本人の知らぬところで感謝を述べるところも。
誰かのことを語る時、ひどく優しく和らげるその瞳も。
陽だまり色を殊更に嬉しそうに話す、その姿も。
ひとりひとりのことをよく見ていて————全員を愛する、その姿も。
私は、大好きだ。
彼女のその、不器用なまでの真っ直ぐさと、優しさが。
大好き、なんだ。
たぶん、私の言葉では彼女の魅力は伝えられない。
私の文章は拙いし、それ以上に乙宗梢自体が魅力的過ぎる。
だから、聴いて欲しい。
見て欲しい。
彼女の歌声を。
彼女のステージを。
彼女の愛する人たちを、仲間を見て欲しい。
きっと後悔はさせはしない。
それほどまでに、蓮ノ空の全てが輝いているのだから。
終わりがあると、終わらないでと願わずにはいられないけれど。
このままずっと夢を見させて欲しいと願わずにはいられないけれど。
でも、それでも。
春が来て、新しい風が吹いて。
また、ここから。
この春から彼女たちの物語が動き出す。
それが、今だから。
今この瞬間。
彼女たちとまた新たに始まる物語を。
乙宗梢が愛する全てを、知って欲しい。
どうか、どうか。
夢見るひとりの好き好きクラブの言葉が誰かに届いて。
乙宗梢を知って欲しい。
今はただ、そればかりを想っている。
可愛いと思う瞬間三選を取り急ぎ。
これ以上にもっともっと、乙宗梢ちゃんは魅力的です。
始まりも、想う気持ちの長さだって強さだって違うし、重ねた時間もひどく短いものだけれど。
それでも、彼女のことを好きだと言いたいです。
ひとりのファンだと、好き好きクラブの一員だって胸を張っていたいです。
YouTubeの公式URLは貼っても良いのでしょうか?(今回の感想文の規定として、リリックビデオのURL埋め込んで良いのかよくわからなかったもので)
どの動画も素晴らしいので、蓮ノ空公式チャンネルにてお気に入りの一本を探されるのも素敵な時間かと思います。
蓮ノ空、楽しいです。
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