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2020年4月の記事一覧

無数の沫の一つ一つに

無数の沫の一つ一つに

蒼白い羽が風に飛ばされて、朝日懸かった都市の風景の、白い給水塔を越えて、誰も触れたことのない空間へ向かって上へ上へ落ちていく。

「ねぇ、何を見ていたの?」

「優しさと、溶けていくものを」

地上では八十億の動物たちが神さまを探して、狭い地球の隅の隅まで這ってまわる、昆虫みたいに、遠くから見ればバクテリアみたいに。

「太陽は普遍だろうか」

「乱立するビル群よりは、一人一人に寄り添ってくれる」

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