見出し画像

イベント「どんどこ!巨大紙相撲」のライブ中継

少し前になりますが、1月17日(土)に高知県佐川町で開催したイベント「どんどこ!巨大紙相撲」のライブ中継を担当しました。ネット回線がない現場でのライブ中継でしたが、SORACOM で発売している産業用 LTE ルーター(RUT240)と、plan-D SIM を使ってHD画質のライブ中継を行うことができましたので、その記録をこちらに残します。

この中継のアーカイブは佐川町のYouTubeに公開されています。お世辞抜きに中継してても楽しいイベントでした。興味がある方は以下をご参照ください。

配信構成について

今回の配信は以下の構成で行いました。

スライド1

映像については、佐川町在住の映像のプロの方が担当されました。今回は会場のマイク音声と、ATEM Mini Pro から入力した映像と音声を Yotube Live に届けて配信を管理までが私の担当でした。ATEM Mini Pro から入力した映像 HDMI の分配器で分岐して、メインと、バックアップのPCのビデオキャプチャーボードより取込みました。

会場にはネット回線がないため、SORACOM の産業用 LTE ルーターと docomo 回線を使う plan-D SIM を準備して、配信用のPCからはWifi接続して利用しました。さらにバックアップ回線として、AU の iPhone のデザリングを用意し、こちらはiPad から接続して Youtube Live の確認用としても利用しました。

配信に至るまでの経緯について

ファイル_001 (2)

今回初めてのライブ中継で、主催する皆さんは何を準備して良いか分からない状態だったようです。そこで先ず地元の映像のプロに相談があり、中継担当として依頼いただきました。

地元の映像のプロのアドバイスで事前にシナリオは作成いただいたのですが、会場のレイアウトとカメラ配置は前日に決まり試験配信できましたが、音響については当日調整となり、ぶっつけ本番でした。結果、最初に音声レベルが調整できてないなどで、音が割れる結果となりました。

やはり音響を含めた配信テストは事前に行い、アーカイブなどでしっかり改善しておくべきでした。

ネット環境のないライブ配信

今回は、昨年12月の SORACOM UG Explorer 2020 高知会場(相愛さん)につづき、ネットのない環境でのライブ配信でした。

前回の Explorer では、事前に下りの通信速度は確認していましたが、普段スマホは AU 使いで、docomo の回線が上りが遅い 3G と把握できずに、結果高知会場の映像品質が悪く残念でした。今回の現場は4G回線の品質が高く、産業用 LTE ルーター(RUT240)と、plan-D SIM で HD の動画をライブ配信することができました。

SORACOM SIM の通信料金は通常利用する plan-D と、映像配信用などに利用する plan-DU があります。今回のために plan-DU SIM の購入も検討しましたが、先ずは比較のため plan-D を試すことで、ライブ中継の費用を算出してみることにしました。

結果は、plan-D の s1.4xfast(上り8 Mbps 0.3 円/MB・下り1 円/MB)を利用して、前日のリハーサルで1.0GB程度の通信で約600円、当日のライブ中継で4.1GB程度の通信で約2,000円でした。plan-DU の月額1,200円 よりは高いですが、年6回以上利用するまでは現在の plan-D を s1.4xfast で利用するのが良さそうです。

会場辺りの docomo の4Gの通信品質が良くて、s1.4xfast の最大速度で利用できる環境でしたが、Wifi 接続数が少ない状態で RUT240 の性能は全く問題ありませんでした。4Gの回線品質が良ければ、ネット回線のないライブ中継に安心して活用できます。

映像のプロとのタイアップ

ファイル_004

今回は地元のプロの方が映像作りをしましたが、その技には驚かされるものがありました。今回映像の切り替えに利用した ATEM Mini シリーズは皆さん利用されていると思いますが、カメラ撮影担当(無論プロではないです)の動きを把握・指示しつつ、マルチビューでソース映像とステータスをモニターしながら切り替える技は、私なんぞでは到底できません。クロマキー合成などのテクニカルな利用はさておき、ライブ配信でATEM Mini  Pro の機能を使い切る方を初めて知った感じで、色々学ばせていただきました!

会場の音質キープについて

今回も再確認したのは、やはり会場の音響の品質の重要性でした。

スライド2

音響の構成をぎりぎりで決めてしまったので、騒々しい会場で品質の確認があまりできませんでした。音声出力レベルはPCのOBS画面で確認していましたが、最初の方でオーバー気味が続き音が割れてしまうなど、調整の失敗がありました。また、音声の確認は iPad で Youtube Live の再生で行っていましたので、そもそも調整するタイミングも遅すぎました。

当日に音声のアナログ出力があるスイッチャーも持っていたので、そちらを使って音をリアルタイムに確認しながら調整すべきでした。

また、今回は複数人がマイクを握る環境で初めて Zoom を経由せずにそのまま Youtube Live への配信のみを行いましたが、比較して音が荒れるように感じました。Zoom は想像以上に音源を人が聞きやすくする補正を行っているのではと推測します。音を満足のいく品質にキープするのは難しいですね。

最後に

以上、配信の話ばかりを連ねてきましたが、このイベントは配信しながらでしたが大変楽しめました!

以下簡単にイベントの様子をご紹介します。

ファイル_008 (1)

先ずは土俵入り。さすがに力士が「うちのオカン」は笑いました。

ファイル_000 (2)

周りの土俵を懸命に叩いてゆらしますが、力士がまったりと動いてなかなか勝負がつかないのが、めっちゃ面白く癒されますよ。

ファイル_001

皆さん個性的な力士を育てた(作った)ようで、並んでいるのを見ても面白い。

ファイル_009

普段は土俵の脇を大勢の人で叩いて揺らしますが、今回は3密を避けるためにスマホアプリで遠隔でハンマーを叩く仕組みもありました。遊びに本気でITを活用するのは楽しいですよね。

来年はまだどうなるかわかりませんが、配信担当でなくても普通にイベントを見に行くと思います!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?