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そこにはいつも、ジュエリーがありました。

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拙い言葉で紡ぐ、誰かとジュエリーのお話。
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#短編小説

素敵な思い出と指輪。

「自分へのご褒美」という言葉を聞くと、多くの人は高価なものや贅沢品を思い浮かべるかもしれない。しかし、私にとって最大の自分へのご褒美は、思い出を作ることだった。 ある日、私は早めに仕事を切り上げて帰路についた。ここ数日、残業続きで疲労が溜まっていた。そんな日は、なるべく気分転換ができるように、自分自身を労ってあげるようにしている。 「よし。散歩して帰ろう・・・」 その日は天気が良かったので、近くの公園に行って散歩をすることにした。季節は春。あっという間に冬が終わり、桜の