失くしたiPhone大捜索。「迷惑をかける」経験値がたまった【73日目】
ドミニカ共和国に来て46日目の日記「『日本人は礼儀正しい』とは」に
「この協力隊の2年間で、『迷惑をかける、かけられる』という経験値がたまりそう」
と書いたのだけれども、今日は「迷惑をかける」経験値がすごくたまった日だった。
まず、ことの発端は私が街でiPhoneを失くしたこと。
買い物袋にiPhoneをほんの少しの間入れていたのだけれども、気が付いたら袋が破けていて、iPhoneがなかった。
通った道を何度も探したり、通り沿いの店の人に「黒いiPhone見なかった?」と聞いたりしたが、見つからなかった。
「ドミニカ共和国でスマホ失くしたらもう手元に戻ることはないだろうな・・・。今頃誰かが拾って、すぐ売り払っちゃうだろう」
と半ば諦めていた。
さよなら、私のiPhone・・・バックパッカーした時の写真も、大切な人達とのメッセージの記録ももう見れなくなってしまうのか・・・。
そして家に帰った。
iPhoneが悪用されるのだけは止めなければと思い、家に帰ってパソコンでiPhoneを失くした時の対処法を調べていた。
そしたら、パソコンからiPhoneを探せることが判明した。
幸い私のiPhoneはまだバッテリーが残っていて、GPSから私のiPhoneがどこにあるのかが分かった。
なんと、車で約15分のところにある!
私がiPhoneを失くした場所から離れていたので、誰かが私のiPhoneを持っているようだ。
そして、とりあえずホストファミリーに相談した。
ホストマザー(車を持っている)にiPhoneを失くした経緯と今ある場所を説明し、「車に乗せて連れて行ってくれませんか?」と頼んでみる。
ホストマザーは「娘に運転させるから、一緒に探してきなさい」と言い、娘(ホストシスター)を電話で呼んでくれた。
そしてホストシスターが運転し、私はパソコンを持ち助手席に。
ホストシスターが私に「そのパソコン、インターネット繋がってるの?iPhoneがある位置更新したり、マップ見たりできる?」と聞いてきた。
私「家以外ではインターネット使えない・・・。でも、あなたのスマホ借りていいなら、それでもiPhoneの場所と地図見れるよ」
ホストシスター「私のスマホ、インターネット繋がらないの」
というわけで、今度はホストシスターの従妹を呼んだ(従妹のスマホはインターネットが繋がるそう)。
というか偶然従妹が近くを通りかかったので、ホストシスターが「あなたのスマホ、インターネット使えるでしょ!?いいから来て!!」と車の後部座席に半ば無理やり乗せた。
そして、従妹のスマホを借りて私のiPhoneを捜索。
iPhoneの位置は最初と同じ場所にあった。やはり誰かの家にあるようだ。
とりあえずその場所に向かう。
「もっと先!3つ目の角を右!」と助手席で私が道案内をする。
ドミニカ共和国の運転は中南米の中でも荒いと言われているが、その例に漏れずホストシスターの運転も荒かった。
アクションものの洋画で、急いでいる主人公たちが車をキュキキーッと飛ばすシーンを思い浮かべてほしい。そんな感じだ。
車は大通りから外れ、未舗装の細い路地に入っていく。
そして、iPhoneがある場所を指し示すところに着いた。
そこは、薄暗い白熱灯がついた小さなコルマドだった。
私とホストシスターの従妹が周りをキョロキョロしている状況に気が付いたのか、コルマドの店主が声をかけてきた。
「もしかして、iPhoneを探しているのか?」
ここだ!!
「そうです!iPhoneもってませんか!?」と勢いよく返事をした。
コルマドの店主によると、店主の奥さんが街の道端にiPhoneが落ちているのを見つけ、明日交番に届けようと持ち帰ったそうだ。
こうして、無事私のiPhoneは手元に戻ってきた。
でも、
外国、とりわけ発展途上国でiPhoneを失くしたら返ってくることはまずない。
「あなたはすごく運が良かった。こんなこと普通はないよ。」
とホストシスターが私に行った。次は気を付けてね、と付け加えた。
コルマドの店主やその奥さん、私と初対面にも関わらず一緒についてきてくれたホストシスターの従妹、車を運転してくれたホストシスター、車の持ち主であるホストマザー、そして神に感謝した。
「神様、ありがとう」なんて今まで一度も言ったことなかったが、この時ばかりは自然と「Gracias a dios(神に感謝)」という言葉が自然と口から出た。
とにもかくにも、いろんな人に頼りまくり、無事iPhoneが見つかった。
周りに申し訳ない気持ちもあるが、それ以上に私も誰かが困っていたら全力で協力しようと思った出来事だった。
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