夏の夜更けの景品表示法

夏の夜更け、ふと景品表示法について思いをはせがちですよね…

あ、はせない?ああそう…

最近景品表示法の表示について考えることが多いので、自分用の備忘としてメモしておきます。どこかの誰かのお役に立てたら幸いです

景品表示法(表示)

実際よりも盛った表示をしてそれに消費者が騙されたら可哀想じゃん、そんなことするなよ、ってやつですね(雑)

景品表示法に限らず、消費者法系の法律は消費者庁のサイトがものすごく充実しているのでまずはこれを見るべき!

景表法(表示)の何がやばいって、課徴金が課された場合、売上の3%がもっていかれるリスクがあるんですよね…利益じゃないよ、売上だよ…怖い怖い…違反したって公表もされるし、良いことないですね。

もちろん、違反即課徴金!!となるわけではなく、調査を受けて指導等で終わったり、不利益処分なので弁明の機会が付与(言い分があるなら言ってみなよ、ああん?ってやつですね違)されたり、

課徴金が課される前には措置命令が出されたり(一般消費者の誤認を解いたり再発防止策を実施したり)

所定の手続きに沿って消費者に返金したら課徴金の減額等が行われたり

不当表示をした商品サービスの売上が5000万未満(課徴金が150万未満)の場合、課徴金の納付を命ずることができなかったり(景表法8条柱書)

あと、課徴金の対象期間は3年間が上限で、自分からゲロったら(自主申告)所定の要件を満たせば課徴金の2分の1減額等がありますね

まあ、売上の3%ってかなりですもんね(冷や汗)

実施中の返金措置が7月31日で既に終了しているのは…(現在8月24日)

これは…表示対策課よ…?という気持ちですが

そして、優良誤認、有利誤認が課徴金の対象で、その他誤認されるおそれがある表示の禁止は課徴金の対象外なのと、IT企業であまり問題になることがないのでいったんスルーで

優良誤認(景表法5条1号)

商品又は役務の品質、規格その他の内容について~

実際のものよりも著しく優良であると示し~

不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれ~

有利誤認(景表法5条2号)

商品又は役務の価格その他の取引条件について~

著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて~

不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれ~

そこでふと思う。

著しくって何!?

あ~これは著しいね~って???

「著しく」とは、

当該表示の誇張の程度が、社会一般に許容される程度を超えて、一般消費者による商品・サービスの選択に影響を与える場合をいう

うむ。

なお、「著しく優良であると示す」表示か否かの判断に当たっては、表示上の特定の文章、図表、写真等から一般消費者が受ける印象・認識ではなく、表示内容全体から一般消費者が受ける印象・認識が基準となる。

うむ。基準が不明確ですね!!

一般消費者が受ける印象って~???って感じですね。

これだったら貸金業法みたいに

業界ガイドラインみたいなのがある方が親切ですよね

セルフチェックとかまであって、本当に親切設計

生命保険はこんなのがあった

とか見ていたら、ヤフーの広告掲載基準でとても素敵にまとまってた!さすが!!

それで景表法の著しくに戻るのですが、やはり他社の怒られ事例に学ぶのが有用

ところでソフトバンクはアップルウォッチのおとり広告(景表法5条3号で課徴金の対象外)や

https://www.softbank.jp/corp/group/sbm/news/press/2006/20061212_01/

課徴金制度が始まる前に有利誤認で怒られたりしてるけど

課徴金を払ってなさげなのが強いですね、狙ってやってたら怖いですね

期間限定!って言いながらキャンペーン期間をずっと延長していくのはみんなやりがちですね

法律事務所もやっちゃうしね

文字だけじゃなくて画像等の表現でも誤認を招くし、

打消表示は末尾のよくある質問、まで行って、離れた場所に小さく記載されていて、しかもクリックしないと見れない、ということでアウト~というやつ

業界最速!シェアNo1!と書いてたけど根拠が出せなかった事例

No1!書きたい気持ちは分かるけど、根拠大事ですね。

各種SNS利用時のデータ通信量が無料!も一部有料だったそうです

実際の販売価格を上回る「参考価格」を併記して、実際の販売価格よりだいぶ安いかのように表示して怒られたやつです

他方アマゾンは『こんなん各業者が自分で入力してるんだからうちが知ったことか!』ということで取消訴訟を提起(わかる)

一審敗訴で控訴したらしいとの噂ですが、今どうなっているのか気になりますね…

https://nethanbai.co.jp/archives/11214

景表法QAのQ2とかQ4とかどうなんだろうという気持ちがあります。

消費者庁としては、過去に楽天に対して二重価格表示で怒った手前、アマゾンに対してふりあげた拳を下せなかった感じなのかしらとも思いました。

最近はプラットフォーマーにこんな提案をしたりしているようで、

表示主体性についても色々と記載しており、P19参考で、東京高判平成20年5月23日(平成19年(行ケ)第5号)で「表示主体性」についての考え方を示した裁判例の概要があげられていて、アマゾンの件もこの裁判例に沿った形で判断されるのかしら、ドキドキ、という気持ち

登録事務手数料が無料になるよ!という強調表示をしておいて、打消表示は強調表示から離れたよくある質問部分に記載し、クリックしないと見ることができないようになっていました。

打消表示をよくある質問に入れてクリックしないと見れないパターンとか、怒られにはほんとにパターンがあるとしみじみ

メーカー小売価格がないのにメーカー小売価格って書いちゃうパターンもあるし

花粉やウイルスを水で分解するマスクって言ってみたものの証拠が出せないのもあるし

最近では、期間限定を繰り返して課徴金5億5000万なんてのもあるし(ブルボンちえみかよ)

他社の事例を参考にして、気を引き締めていこうと思いました。

おわり。