トルティーヤと永久機関

今日は土曜日、ということもありQOL高い生活を目指して雰囲気のあるパン屋に入った。店内の席は埋まっていたから、トルティーヤと揚げあんぱんを選び取り、テイクアウトすることにした。

店員さんから受け取った紙袋を、リュックに入れるか一瞬迷ったが、あくまで近くの公園で食べるという意思表明として、手に持ったまま信号待ちをする。

5分ほどの歩いた先の公園で、木陰の椅子に腰をかけてパンを食べる。目の前には砂場と、その中にいろいろな仕掛けが複合された大きなすべり台。

子供たちはけらけら笑いながらすべり台を滑り降り、階段で上に登り、また同じように滑り降りる。これを何度も何度も繰り返す。みんなが勢いよく滑り降りてくる場所は、砂が他の場所よりも少なく、大きめの穴ができている。

階段を登った先に滑り降りることのできる坂がある。子供たちにとっては、それがあるだけで上へと登り、勢いよく滑り降りる。それが楽しいから何度もやる。たとえその子が帰る時間が来ても、次の日、もしくは違う子どもがまた遊びだす。

すべり台の前に人が現れれば、登って滑り降りるというすべり台に内在された人のふるまいが導き出される。

すべり台は永久機関だった。

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