ボイトレの先生に恋した話の後日談。

物事にはいつか必ず終わりが来る。それがやっと来た。
そのきっかけはわたしと先生がお互いのSNSを特定してしまったというとんでもない理由だったけど、幕引きにはものすごくちょうど良かったのかもしれない。
それ以外にもいろんなことがあったから、お互いの為にも。

今思えば、自分が変わるきっかけを与えてくれるために先生はわたしの目の前に現れたんだろうなと、本当に思う。
先生のおかげで過ごせなかった時間を過ごすことが出来たし、
酷過ぎた経験を何度も何度も何度も繰り返してきた影響で忘れてきた、
強い恋愛感情でない、人に対して好きという気持ちを。
笑ったり泣いたり、自分の感情を出すという感覚を持つことを、飛び込めば世界が変わっていくことを先生が教えてくれたんだ。 
この経験はずっとずっとわたしの宝物で、これからも大切にしていく。


習い始めた当初、家庭の事情と私情の板挟みで塞ぎ込んでいて。
先生との会話で誤解を与えてしまい、大昔に抱えていた精神疾患が発端のパニック発作を強く引き起こす結果になり、その回答をとんでもない方法で返してしまったことがあって。
先生は本気で怒って、絶対にダメだと叱ってくれた。
…自分のそういった部分をコントロール出来なかったことを死ぬほど恥じたし、同時に自分と向き合うきっかけが出来た。
そのおかげで、家族に自分の意見を伝えることが出来るようになり。
パニック発作に関しても精神疾患由来か、脳性麻痺という障害からくる特性による物なのか判断を付けたいとしっかり考えられるようになり、状態が落ち着いていき関係機関と相談し、薬の服用を止めることが出来た。

まさか、わたしは芸事を習いにきたはずなのに、自分の心を助けることを習いにきたとは夢にも思わなかった。

これからは、しっかり習おう。
自分がやりたかったことに飛び込むために。
先生、たくさんのきっかけをありがとう。

先生も、どうか夢を諦めないで欲しかったな。
レッスンだけでいいなんて一言に、本気で怒った。