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パラスポーツ競技団体向け共通バックオフィスサービス(33/100)

こんにちは、まえゆかです。
ゆるく雑多なことを書いていこうとか言いながら、それすらも書けていない毎日ではありますが、比較的楽しく過ごしています。

今日は午前中に渋谷の体育会の収録がありまして、そこで私がnoteを書いていることについて平井さんが触れてくれて自分でもハッと思い出しました。
思い出したときに書かないと!と思ってnoteを開きました。

前回のこと

間が空いてしまうので、前回の振り返りを。
前回は、共同オフィスのバリアフリーについて触れました。

最近の中ではいいねが多かったかもしれません!
車いすユーザーのスタッフがたくさんいるオフィスの工夫について紹介しておりますので、気になる方はぜひご覧ください~。

バックオフィス運営

今回は、競技団体運営のサポートとして行っていたことをについて紹介したいと思います。

見出しに書いたバックオフィス運営は、助成金制度設計のためのヒアリングでニーズが浮かび上がってきたものです。

共同オフィスのオープンと合わせて稼働を開始しました。

具体的にどんなことをやったかというと、当初は以下の2点。

①経理バックオフィス
②翻訳バックオフィス

そしてその後に③法務・税務サポートをサービスを展開しました。

いずれも、パラリンピック競技団体の利用は無料です。

具体的にどんなサービスだったのかをご紹介します。

①経理バックオフィス

主に取り組んだのは競技団体の多くが作業が多くて負担だと言っていた強化費などの助成金の経理報告業務です。

強化費においては、日本パラリンピック委員会から各競技団体に使用できる金額が振り分けられ、各競技団体はその使用金額に合わせて合宿や遠征などを行い、事業ごとに使用した経費や実施した内容に関する報告が必要になります。

実施した内容については競技団体内部で対応いただく必要がありますが、経理関連の報告のフォーマット、処理する際のルールは基本的には共通のものとなります。

どこの競技団体にも発生する業務で、作業として難しいものではないですが、交通費に使用すると飛行機の領収書だけではなく搭乗時に発行されるレシートまたは搭乗証明書の添付が必要だったり、電車移動の場合は金額通りに表示される乗換案内の経路説明の添付が必要だったりと、報告書に記載すべき事項をまとめるのに物理的に時間がかかります。

基本的に、事務局員が1,2名、競技団体によっては専従のスタッフがいない中で対応するにはちょっと大変な作業でした。

オフィスをオープンした2015・2016年頃は、強化費の費用の一部を使って事務処理をする人材を雇用できる形にもなっていましたが、十分にいるわけではないスタッフが対応するにはやっぱり負担・・・

税金が含まれる国のお金なので、処理をきちっとしなければいけないことに対してクレームを言うわけではありませんが、競技のことを知っている数少ない人材を報告書業務に使ってしまうのはもったいない。

とうことで、作ったのがこの仕組みでした。

マニュアルを読み込み、手続き方法について完璧に把握した経理スタッフを配置し、競技団体ごとに担当を振りました。
各競技団体から事業ごとに使用した領収書や振込明細などの証票類を集めます。

実際の振込作業は競技団体が行いますが、領収書の貼り付けなどの物理的な作業や報告書フォーマットへの入力作業を代行します。

合わせて、証票類で不足するものがないかも確認します。
名簿人数と振込件数が合わないとか、計算ミスや操作ミスで振込金額が誤っていることに気づかないまま報告してしまうと「不正会計」という扱いになった、場合によっては該当する支払すべてが助成金の対象外になってしまうケースもあったりするため、ダブルチェックとしても機能しました。

あと、やってみてニーズが高かったのは、支払い交通費金額にあった経路図の作成です。
通常、無料の乗換案内は、未来の日程は調べられますが、過去の日程で調べることは難しく、領収書不要の公共交通機関のルートであっても時期によってはダイヤの変更や金額の変更があって、申請者のルート通りの検索結果が出ないケースが多くありました。
報告書には支払った金額分と同じ金額の検索結果の経路図の貼り付けが必要なため、かなりの作業時間を使っていたようです。

こういった作業的な部分を丸っと切り出して、競技団体の運営業務に専念してもらうために、パラサポとしては経理が得意な派遣会社に委託して常駐でのサポートをお願いしました。

②翻訳バックオフィス

2つめは翻訳のバックオフィス業務です。
パラリンピックを統括するのは国際パラリンピック委員会です。
何か競技団体に関する情報が発信されると、日本パラリンピック委員会へ英語で通達されます。

これらの通達は基本的にメールなのですが、英語のまま共有されます。

翻訳して通達すればいいのに…と思いますが、英語から日本語に訳すときに誤りがあってはいけないからと、基本的に正を英語の文章とし、訳すのは競技団体の責任の範囲で行うことになっていました。

主張は理解できるものの、英語に強い人が必ず競技団体にいるわけではありません。
今でこそ翻訳ツールは使いやすくなってきましたが、当初はそこまで精度の高い無料の翻訳ツールはありませんでした。

競技団体側からのニーズも高かったため、最終的な責任は競技団体には起きつつも「参考翻訳」として希望する資料の翻訳、または日本から提出する資料の英訳するサービスを提供しました。

ただし、引き受けるのはA4用紙1枚程度の分量まで。
クラス分けや診断書といった医学的な専門知識を要する資料やの翻訳や、ガイドブック(大会の時のマニュアルのようなもの)などの容量の多い資料のの翻訳の場合は、提携する翻訳会社に依頼して有償での対応としています。
それでも、協力的な翻訳会社様に依頼していたので、割引で対応できるような価格設定にしていました。

その他、必要な時だけの情報を取るのではなく、日常的な情報のインプットも重要だと考えて、ほぼ毎日平日は2,3本更新される国際パラリンピック委員会のニュースも翻訳し、競技団体とのシェアサービスとして使っていたサイボウズの掲示板(途中から無料サービスが終了したため、無料のSlackに移行)に掲載して情報発信も行っていました。

③法務・税務サポート

これは、弁護士の先生と税理士の先生をパラサポ側で契約し、月に1,2回程度、無料相談のような形で設定しました。
あくまでも相談のみのため、他の2つのようにバックオフィスではありません。

法務でいうと、基本的にはスポンサー契約の契約書を渡されたけど、何をチェックしたらいいかわからないといった相談を受けて、文章を説明してもらったりします。
顧問弁護士的な動きになる場合は、別途契約が必要ですが、そこまで重たいものではなくちょっと聞ける存在としておきました。

任意団体の時はあまり契約書になじみのないところをも多くありましたが、法人格を取得する団体が増えて、法人としての対応をしなければならなくなったときに結構、契約書は読まずにサインをしているところもありまして。

基本的に競技団体に不利になるような条件を突き付けてくるところはないと信じていますが、それでも競技団体の身を守るために、契約書に何が書かれていて、何に責任をもって取り組まなければいけないのかをスタッフが理解する必要があります。

でも、不慣れだと契約書の文言ってすごく難しくって理解できなかったりするんですよね…
その部分をサポートする役割として、スポーツ団体の顧問弁護士をされていた先生方にご協力をお願いしました。

税務も同様で、取引金額も大きくなってくる団体が増えますし、法人としてきちんと収支報告書も出す必要が出てきて、様々な業務を兼務しながら経理もしっかりこなさねばなりません。

詳しくないスタッフが経理をやるときに、仕訳がわからないからちょっとだけ相談したいとか、海外からスタッフを招へいした場合の謝金支払いの手続き方法を聞きたいとか、そういった税務面で聞きたいことをサポートしていただきました。

こちらも顧問税理士になるわけではないので、法人の監査役などをする場合は別途個別契約をしています。

サポートいただく税理士の先生は、健常者競技の顧問税理士の経験などもお持ちで、いずれもスポーツ競技団体の運営に詳しい方にサポートいただいておりました。

初めは閑古鳥・・・

と、結構リッチなサービスを作ったつもりで意気揚々としておりましたが、最初は閑古鳥…

特に経理のバックオフィスは、利用したいと思っていても業務の切り出しが大変でできないという競技団体が多く、最初のころの利用率はかなり低かったのではないかなと…
26団体から依頼があっても対応できる体制を取っていたので、当初は派遣スタッフが6名!

でも依頼が少ないので仕事を奪い合うくらいの感じでした。笑

だんだんと依頼団体が増えていきましたが、おそらく今は2名体制?
経理が自立できる団体も増えたというのもありますが、サービスを用意する側もどのくらいの人員と作業量なのか見えていなかった部分が多く、徐々に適正な体制になっていきましたね。

なんでこのサービスをやろうと思ったのかは、ニーズがあったからに尽きるのですが、想いの部分にももうちょっと触れたいなと思うのでまた次回。

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