2-7トリプルドロー

ルール

ベッティングストラクチャー:リミット、ブラインド

ゲームタイプ:ドローポーカー

進行:ゲーム開始時に、それぞれのプレーヤーに5枚のカードが配られます。第1ラウンドはUTGのプレーヤーから順番に、リミットストラクチャーによるベッティングラウンドが始まります。最初のラウンドはカードの交換はできず、ベッティングラウンドのみとなっています。第2ラウンドはSBにいるプレーヤーから順番に、任意の枚数のカードをディーラーの持つデッキ内のカードと交換します。全て変えてもいいですし、1枚も変えない(スタンドパット)ままでもかまいません。全員が替え終えたら、またベッティングラウンドが始まります。第3、第4ラウンドも同じ進行ですが、固定ベット額が倍になります。(ベッティングストラクチャーの記事を参照してください。)第4ラウンド終了時に2人以上残っていればショウダウンとなり、最も弱いハンド(!)をもっているプレーヤーがポットを獲得します。

ハンドの強さ:上であえて「最も弱いハンド」と書いた通り、このゲームではハンドの強さが、通常のポーカーと全く逆になります(たった一つの例外は後述します)。いわゆるハイカードの役が最も強く、ロイヤルフラッシュが最も弱くなります。カードのランクも全く逆になり、「2」が最も強く、「A」が最弱となります。ともかく、普段プレイしている普通のポーカーだったら誰が1番弱いか、と考えると勝者が誰になるかわかりやすいです。故に、このゲームにおけるナッツは「フラッシュになっていない23457」と言う事になります。23456はストレートなので、ペア系ハンドよりも弱くなってしまいます。

(※なお、1つだけ例外があって、このゲームにホイール(A2345)ストレートは存在しません。よって「2345A」のハイカードとみなされ、9TJQKよりは弱く、2346Aよりは強いとみなされます。もちろんワンペアよりも強いです。)

雑感

(※「戦略」としないのは、そう呼べるほど大した事は書けないからです)

基本的に、ハイカード(このゲームではローと言う呼び方が一般的です)同士の勝負になりやすいです。ドローのチャンスは3回あるので、ハンド内にペアがあるならまずペアを排除していきます。同時にストレートやフラッシュを作らないようにも気を付ける必要があります。ペアが最初からなかったり、途中でペアがなくなったら、更に強いローを目指すかどうかを決断します。

7ローは相当強く、だいたいの場面でバリューハンドとして扱えます。ベットがあってもほとんどの場合(23457を持っていれば確実に)レイズできるでしょう。7ロー同士がぶつかった時は大抵ポットが大きくなります。

8ローはそこそこ強く、ホールデムのツーペア相当かなと思っています(個人の感想であり、効果、効能を保証するものではありません)。ただ、ひとくちに8ローと言ってもその中で強さの差があって、85ロー(85432)は7ローの次に位置するためやはり相当な強さです。86ローもそこそこ強く、87ロー(※某500NLプレーヤーではありません)や9ローあたりにバリューがあります。87ローは、バリューハンドかブラフキャッチかの境界線かなと思っていて、バリューのつもりで打ったら86ローにコール(もしくはレイズ)された、というようなこともよくあります。

9ローはほとんどの場合、ブラフキャッチ程度にしかなりません。9ローをバリューのつもりでどんどんベットしているプレーヤーを見かけたら、彼を何と呼ぶべきか察してください。そういったプレーヤーや、TローあるいはJローあたりでコールしてくるプレーヤーが主なターゲットになります。

スターティングハンドについてですが、いかに3回チェンジできると言っても、さすがに3枚4枚替えたくなるようなハンドは中々まともなハンドにはなってくれないです。普通の5カードドローであれば、チェンジして弱くなるという事はありません。ですが、このゲームはペアがものすごく弱くて、強くするつもりのチェンジで逆に弱くなってしまう事がごく普通に起こり得ます(T8643で、Tを排除してもっと強くしようと思ったら88643になってしまった、等)。チェンジしても強くなるとは限らないという事をしっかり覚えておいて下さい。つまり、3枚4枚替えるという行為は相当ギャンブルになってしまうので、ほとんどのポジションで捨ててしまった方が良いでしょう。

大体の方針ですが、ヘッズアップになりそうなら8ローでも充分、マルチウェイになりそうなら7ローを作りに行くといった感じです。マルチウェイでの8ローは事故りやすい(微妙な87ローよりもむしろそこそこ強い85、86ローあたりのほうが危険です)ので、どうなるか分からないUTGから8ローを作りにいくのはあまりお勧めしません。まあさすがに最初から8ローが完成しているなら、捨てろとは言いませんが。私の場合、全体的にルースなテーブルのUTGで8742Xとか配られると悶えます。

3枚4枚替える事がギャンブルと前述しましたが、かといって最初からローが完成しているハンドや1枚チェンジハンドを待つのは待ち過ぎになってしまいます。6人卓でタイトすぎると言う事は、ブラインド負けを意味します。完成ハンドなんて来る確率はごくわずかですし、1枚チェンジハンドもそうそうはきません。よって、2枚チェンジハンドをプレイしていくのが基本となります。このあたりは、同系統の「2-7シングルドロー」との違いだと思います。3回引くチャンスがあるので、2枚チェンジであればハンドを完成させる確率は充分あります(このあたりで厳密な確率の話にならないのが雑感の雑感たるゆえんですが)。

2枚チェンジの場合の話になりますが、「2」を持っているかどうかという事が重要になってきます。というのも、7ローを作るためには2が絶対必要だからです(もちろん7も)。2を含まない中での最強ハンドは86543で、強い事は強いですが、マルチウェイではちょっと不安があります。とにかく、「2」が含まれているかどうかは常に気にしてください。345XXなどはけっこう罠ハンドで、7や6や2を引いてもストレートドローになってしまい、ロー完成のアウツを減らしてしまうのです。

2枚チェンジでベストなハンドは「237」です。アウツの受け入れ性能が抜群で、4、5、6はナッツ及び7ロードローになりますし、8もまあ悪くありません。更に、これらの何を引いてもストレートドローになりません。2枚チェンジハンドとはいえ、レイズにリレイズさえ考慮できるほど強いです。247~267も同様の事が言えます。267のみナッツになる可能性はありませんが、些細な事でしょう。2と7があってあと3~6どれかを持っていればとりあえずどこからでも参加可能です。うっかり捨てないでください。強いです。

「234」も一般的に強いと言われていて、それはまあそうなのですが、5、6を引いたときにストレートドローになってしまう点が惜しいです。ただ、7さえ引けばものすごく良いし、8を引いたときに86ローや85ローの可能性を残しているので、まあそのあたりは良し悪しですね(237で8を引いてしまうと87ローが確定してしまうので)。あくまで237>234だとは思っていますが。

2枚チェンジハンドについて総括すると、ストレートになる可能性が最初からないか、可能性を含んでいるかが非常に重要です。2X7、2X8、3X8(Xは間のカード)はストレートを作る心配がないのでプレイしやすいです。ただし、2X8、3X8は結局8ローのタネなので、オープンするのであるなら比較的ヘッズアップに持ち込みやすいCO以降がいいでしょう。無論後ろのプレーヤーのルース具合を考慮しますが。

あと、全く同じ2枚チェンジハンドでも強さが違う場合があると言う事も覚えておいてください。22337と237QKは、いうなれば同じ237ハンドで排除する枚数は変わりません。ですが、前者は後者に比べてペアになりづらく、その分良いローハンドになりやすいです。

第1ラウンドが終わったら、カードの交換が始まる第2ラウンドに移ります。言うまでもないことですが、相手が何枚チェンジしたかは絶対に見てください。相手ハンドの強さはチェンジ枚数とベッティングアクションでしか測れないのです。そして、チェンジする順番とアクションする順番はどちらもフロップポーカーと同じなので、全員のチェンジ枚数を見てから自分の交換枚数を決める事ができて、更にベッティングアクションも最後にできるIPは非常に良い場所です。ポジションの価値はNLHEやPLOと同等、もしくはそれ以上かもしれません。逆に言うならば、OOPにいるときはチェンジ枚数を先に見せてしまうと言う事を前提としてプレイしてください。

チェンジでは、ペアや9以上のカードを排除して(9を残す場面が全くないとは言わないですが)、5枚でローを構成させていくので、チェンジ枚数の少なさがイコールハンド完成への近さと言う事ができます。よって、ベッティングラウンドに入ったら、基本的にチェンジ枚数が少ないプレーヤーに主導権が移ります。あと、頻繁に3枚チェンジをしているプレーヤーがいたら、ターゲットにしてください。

最後のラウンドでは、このゲーム特有の駆け引きがあります。ハンドを改善させる最後のチャンスであることを考慮に入れてください。例えばあなたがIPにいて、OOPのプレーヤーが1枚チェンジしたとしましょう。あなたはドローの過程でT7532というハンドになっています。Tローは通常弱いハンドで、Tをチェンジしたくなるかもしれません。ですが、そこでちょっと考えてみてください。あなたは相手が1枚替えたという情報を手にしています。相手はドローをミスしてペアハンドやKローなどの、Tローにさえ負けるハンドになっている可能性がそこそこあります。また、最後のドローでTをチェンジすると言う事は、あなたのハンドがTロー以上に弱くなってしまうリスクがあります。よって、この場合スタンドパットして相手のドローミスに期待すべきでしょう。相手はこちらのスタンドパットを見ているはずなので、ハンドが改善されていない限りベットしづらいはずです。

というのも、リミットゲーム全般に言える事ですが、ポットオッズが大抵とても良くなっているのでブラフが効きづらいのです。ノーリミットゲームのようにオールインして強引に降ろしにいくというような事もできません。

以上のような事は、IPにいて相手のチェンジ枚数を先に見れるからこそできるプレイなのです。IPはそれほど有利なので、6人卓ではどんどんルースに参加していくべきでしょう。ただし、前述の通りブラフが効きづらい≒ショウダウンに行きやすいので、ある程度まともなハンドは必要になりますが。

効きづらいとは言え、チェンジ枚数や相手の傾向、そこに至るまでのベッティング過程を考慮にいれれば、高確率でブラフが成功するスポットというものも見えてくるはずです。そのあたりも2-7トリプルドローの醍醐味の1つかなと思います。

このあたりで雑感を終えようと思います。だいぶ長くなりましたが、ここまで読んでくださった奇特な方がもしいらっしゃいましたら、疑問、質問、突っ込みを是非お願いします。

次回の「リミットホールデム」は更に良くわかってないので、たぶん短くなります。それでは。



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