ボードテクスチャー(4)
ボードカテゴリー
スタティックボード
スタティックボードには様々なバリエーションがあります。ヘヴィ/ドライ、ライト/ドライ、ペアボード、モノトーンボードとあり、これらはしばしば「ロックダウンボード」と呼ばれます。スタティックボードは主な特徴を共有しています。フロップでのナッツが逆転されることが少なく、ターンでエクイティを大きく変えるカードがほとんどないと言う事です。全てのスタティックボードは、当然ドライであると言えます。まずは、ヘヴィ/ドライ、ライト/ドライボードの事から始めていき、次にいわゆる、ロックダウンボードの事について移っていきます。
ヘヴィ/ドライ
それではヘヴィ/ドライボードの例として、AK7rというボードを取り上げてみましょう。上記の通り、このタイプのボードでは、フロップのメイドハンドやナッツのエクイティを大きく変えるカードがターンに落ちる事が少ないです。したがって、このボードでのナッツハンド(トップセット)は多くのエクイティがあります。そして、ターンでナッツを変えるカードはブロードウェイカード(Q,J,T)しかありません。しかしこれは、ナッツをスロープレイしたくなっても良いと言う事にはなりません。エクイティを大きく改善させてしまうカードをターンで拾われてしまってはいけませんし、もちろんあなたのCB頻度のバランスも保ちたいでしょう。
ターンでエクイティを大きく変えるカードがほとんど落ちないのですから、メイドハンドは通常多くのエクイティがあり、非常に強いと言えるわけです。ヘヴィ/ドライボードにおけるレンジは非常にポラライズされています。この様なボードで強いアクションをされたのなら、通常それは、メイドハンドかブラフかのどちらかになります。何かしらの非常に強いドローがない限り、これらのボードでのセミブラフはほとんどもしくは全くありません。よって、AK7rボードであなたがチェックレイズされたとしたら、それはA7xx、K7xxといったハンドでされているものではないと考えられます。ほとんどのケースで、単なるAKxxでさえレイズはしないでしょう。いわゆるウェイアヘッド/ウェイビハインド(大きく勝っているか大きく負けているか)という状況でのレイズは合理性がありません。ヘヴィ/ドライボードにおけるゲームプレイは通常、よりショウダウンを目指したものになります。中くらいの強さのハンド、トップペアなどはなおさらショウダウン志向のプレイになる傾向があります。
ヘヴィ/ドライボードはプリフロップアグレッサーにとって、通常そのレンジが強くヒットしていると言う事に気を付けてください。そして相手はCBを高い頻度で打ってくるでしょう。こういったボードであなたがより弱いハンドで抵抗することは、リスク/リワードの観点に立った時、非常にリスキーな事になりますから、相手はCBをそれだけ打てると言う事になるのです。例えばもしあなたが、AK7ボードでAQ7xというハンドを持っていたとしたら、ショウダウン志向でプレイしなければなりません。なぜならば、タイトなオープンレンジが強くレプリゼントできるいくつかのハンド(AA、AK、KK)には完全に負かされているからです。そして、相手の強いアクションに対してプレイの続行が難しくなります。
こういったボードテクスチャーの特性があるにも関わらず、そのボードの構造はターンに至って変わり得る事があるのです。とりわけリバーまで達した時に、意外な驚くべきことが多く起こりえるのです。下に示したいくつかの、AK7フロップに関する確率を見ていきましょう。
AK7レインボー
♠ターンでストレートが完成し得る確率:24.42%
♠ターンでフラッシュが完成し得る確率:0%
♠リバーでストレートが完成し得る確率:63.82%
♠リバーでフラッシュが完成し得る確率:16.82%
リバーでストレートのできる確率がこれほどある事にあなたは驚いたでしょう。フラッシュのできる確率はそれよりもずいぶん低いものですが、それでも無視できない数値です。
では、手短な概要をもってこのパートを終わりにしましょう。
ヘヴィ/ドライボードの特徴
♠ナッツは強いエクイティを持っています。
♠これらのボードにおけるメイドハンドは多くのエクイティがあります。
♠ドローハンドやセミブラフはほとんどありません。
♠レンジはポラライズされています。
♠ターンでエクイティを大きく変えるカードはほとんど落ちません。
ライト/ドライ
ライト/ドライボードの例として、942rを例に取り上げます。ヘヴィボードとは対照的に、ライトボードはより多くの、ターンでナッツを変えるカードに影響されます。A、3、5、6というストレートを完成させ得るカードに加えて、全てのオーバーカードは、より良いセットやツーペアの完成を許してしまいます。13種類のランクのカードの内、A、K、Q、J、T、6、5、3、2が、ターンでのナッツを変えるのです。8や7は、ターンで落ちてもナッツは変えません。しかし、大きなエクイティの変化を起こし得ています。ラップ+ペアといったハンドはエクイティが大きく改善されているのです。以上の様な事から、これは全くドライボードと言える性質ではなさそうです。しかしここで、ライトネスというコンセプトがプレイに影響してきます。ライトネスを理解する事によって、これらのボードをより良く評価できるようになり、適切な戦略を取ることもできるようになるでしょう。
ライト/ドライボードであなたがタイトなレンジと相対した時、そのフロップにマッチするのはレンジの少ない1部分だけです。もちろん多くのオーバーペアはあり、9によるセットもいくらかはあるかもしれませんが、レンジから考えると、ミドル、ボトムセットは相当あり得ません。その上、ストレートドローやラップもほとんどないでしょう。タイトなレンジの中には、6543のようなハンドは少ないでしょうから。時々は、AA35やKK35のようなハンドがフロップに強くヒットするでしょうが、レンジの大部分は、オーバーペアや、トップペア+オーバーカード(KQJ9、AKJ9、QJT9)で構成されているでしょう。ライト/ドライボードでは、レンジはマージ(強いハンド、そこそこのハンドから弱いハンドまで様々なハンドが混ざり合っている状態)されています。
では、942rボードにおけるいくつかの確率を見ていきましょう。
♠ターンでストレートが完成し得る確率:32.72 %
♠ターンでフラッシュが完成し得る確率:0%
♠リバーでストレートが完成し得る確率:71.49%
♠リバーでフラッシュが完成し得る確率:16.8%
ツーペアの組み合わせ及び強いドローがほとんどないので、ライト/ドライボードのオーバーペアには多くのバリューがあります。ただし、このボードテクスチャーの場合、ターンでエクイティを変えるカードが多く存在するので、メイドハンド、とりわけオーバーペアはしっかりとプロテクトをかける事が要求されます。AAxxは、QJT9のようなトップペアを作っているハンドに対して64%のフェイバリットです。
ライト/ドライボードの特徴
♠強いメイドハンドはほとんどありません(セットなど)。
♠オーバーペアには多くのバリューがあります。
♠AAやKKにとって良いボードです。
♠ボードを変えるカードが多く存在するので、エクイティは共に接近しています。
♠レンジは多くの中くらいの強さのメイドハンドとドローで構成されています。
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