【🌳ひみつ基地🌿】

校庭の低い木々の
しげみの中に、
石ころやら枯れ枝やらを
集めて隠したのだあれ？

木に登ろうとしてあきらめた？

綺麗に掃き掃除をしていたのに、
こんなに散らかっちゃって…

ついにみんなから注意されて、
私が呼ばれ、一緒に後片付けをすることになった。

「ひみつ基地をつくりたかったんだよ！」「なんでダメなんだよ！」
「木登りもダメなの？」

「あ〜そうだったんだ…。わかる、わかる。それ、楽しいことだもんね。」

「でも、今、登ってもいい木なんて
ないんだよね…」

記念樹、折れやすい木、危険、そもそも登ってもいい木なんてないんだよね。
昔は登ったりしてけどね…。

などと、ダメな理由を並べられては
冒険なんぞできやしない。

だから、今の子はバランス感覚や腕の力、体力が無い！などと言われるのかもしれない。

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みなさんの子どもの頃は、
どうでしたか？
木登りはしていませんでしたか？

私はいい木を見つけて、登り、
枝に寝そべっていたものです。

あの木の温もりや癒やされる感覚は、
今でもちゃんと覚えています。

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「休日に、山へ行って、家の人と遊べる木を見つけて楽しんでおいでね!」

と、しか言えない辛さ…。

私の友達は、公園でお気に入りの木を見つけて対話をしたり、エネルギーをもらったりすると言う。

私にもわかる。

自然の木々の中にいると、心と体が喜んでいるのを体感する。

子どもの頃は、
近所のお寺の庭にお気に入りの木があった。
枝から枝に慎重に移り、太い頑丈な枝に体を預けて寝そべる。何とも幸せな時間だった。

いい枝は、早いもん勝ちだから、後から来た者は先客の後に待機する。
暗黙の了解だった。

そうやって、自然の温もりや、におい、葉っぱの揺れる音、風を感じ、五感を通して木登りを楽しんだ子ども時代だった。

先日知り合ったばかりの、
山の斜面を切り拓き、自然の中で学童教育を展開していく計画の若い経営者が
ふと、頭に浮かんだ。

きっといい教育ができるだろうな。
学校も、こんな自然の中にあれば、もっと心が落ち着き、穏やかに過ごせるのかもしれないなあと感じた。

　　　　　3月の暖かい午後の一日より