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フランソア喫茶室

ピカソが所持していたピカソ作のリトグラフ。
200枚のうちの3番目。


藤田嗣治から譲り受けたパリの地図


裏面にメディチ家の刻印があるモナリザの複製。

こういうものがフツーに飾られている京都の繁華街の中を流れる高瀬川沿いにある、1934年にオープンし現在も営業をしている現役のカフェ、というか喫茶店。御歳87歳のお店。

オリジナルのサブレと、創業時からの名物でもある少し軽めのウィンナーコーヒーのようなコーヒー(フレッシュクリーム)。

今はブラックで飲まれる方が多いから、と言われて出された珈琲は、当時こんなん出されたらド肝抜かれるやろ、っていうような上質のおいしさ。
サブレも隣に構えている洋菓子店で出しているもので美味しくないはずはない。

京長屋をフルリノベーションして作られた店舗のデザインはイタリア人の京都大学の留学生。
イタリアの客船の内部をイメージしたものらしい。

二代目で現在のオーナーの方から店内を案内していただき、お菓子とコーヒーをいただきながら話を伺っていたのだけど冒頭に書いたように紡がれるエピソードやストーリーがイチイチ凄い。

細かい歴史、エピソードなどはこのフランソア喫茶室のホームページをご参考ください。

フランソア喫茶室

現オーナーさんからのお話はこのお店に関することだけにとどまらず、高瀬川を開通させた角倉了以(京都の豪商)が豊臣秀次(秀吉の甥 秀吉に切腹を命じられた)とその一族の菩提を弔うために瑞泉寺を建立したという歴史的なお話から、この喫茶室の元になった長屋は高瀬川を行き来する船の船頭さんが住んでいたという話から森鴎外の小説の話になり、戦時中には特高に目をつけられ創業者がしょっぴかれたというエピソード、そしてこのコロナ禍で祇園の街もかなり厳しいことになっているなどなどさまざまなまさに京都の生き字引き的なお話。
時が経つのをすっかり忘れてしまいつつも、齢おそらく70を越えるくらいのオーナーさんのその聡明さと知識の深さにはただただ感心。

古都京都の街中にあって、ちょっと目を引くクラシックな欧風の外観のタテモノの中には、外からはわからない広く上質な空間が広がっていました。


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