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腐乱死体ってどうなの?

いやほんとタイトルのとおりだと思いますけど

アパレルの方がいち早く季節を先取っているように

葬儀屋も腐乱死体で季節を先取ります

あ~この時期が来たかって感じですね

早い時期では4月には腐乱死体に出くわします

亡くなった一人の方に変わりはありませんが(合掌

1つだけやっかいなのはエゲツないほどのウジ虫

これだけは色々な対策を施します

ウジ虫はとてもよく動きます

ウジ虫をやっつけないで棺に入れようものなら

棺と蓋の間から脱走しようとします

それを防ぐためにメンパリと言って棺と蓋の間にテープを張るんですが

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ウジ虫くんたちも必死なのでやっぱり間から脱走しようとします

うちは透明テープ使っていたので

翌日になるとテープにガッツリとウジ虫くんがついています

これでよく保管をお願いしている霊安室に叱られます

そりゃそうですよね テープから漏れちゃって

下にもウジ虫がビタビタですから・・・

ちょっとこれはまずいなって事で

ウジ虫を殺す薬剤を試したわけです

ウジコロリンみたいなふざけた名前の薬剤です

と言っても腐乱死体にウジ虫が湧いちゃってるので

それを一匹ずつ取って薬剤をかけてたら日が暮れます

なので腐乱死体にドバドバーっといっちゃうのが使用方法でした

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ある時、新人の山口くんはいつものようにウジ虫処置をしていました

ただ1つ違ったのは

ウジコロリンを口の中にドバドバしたのです

まぁ身体の中にいるわけですから理にかなってると言えばそうなんですが

モラルとしてはどうかな?という事でやった人はいませんでした

すると

口の中で真っ赤になった腐乱汁からブクブクッブクブクッと

音が鳴り始めたのです

それはまるでジャグジーのようでした

ウジ虫が身体の中から大量に出てきました

大量にあふれ出たウジ虫たちは棺の中びっちりになり

僕は外国のホラー映画でもみているような気になりました

その場はなんとか納めて数日後に火葬を終えましたが

新人の山口君は翌日にバックレました

葬儀屋は普通の神経では務まりません

山口君はこのトラウマを背負って生きていくんでしょう

ウジ虫を見るなんて一生かけても数匹程度ですか?

それを一瞬の時間でとてつもない量をみたのですから

合掌



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