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こびっとちょびっと コロナ道3 保健所からのファーストコンタクト編

PCR検査編の続き

うちは幸いにして子供達に別々の部屋がある。去年コロナで学校がオンライン授業となり、長男次男と同じ部屋で別々の授業をオンラインですることが難しかったので、慌てて増築した我が家。思いつきから引き渡しまでわずか2ヶ月半の超スピード増築だったが、こうなった今、あの時やっていてよかったと心から思う。

2階のトイレは長男用とし、トイレに行くための使い捨てビニール手袋と使い終わった後に空間に振りかける次亜塩素酸水とドアノブや水道の蛇口に振りかける用のアルコールを置き、一連の動作をシステムとして構築した。長男の部屋は引き戸のために、猫が入り込んで服を食い荒らしてしまう事件が度々あったので、背の高い鉄格子のようなチャイルドロックの門がついているのだが、その門越しに長男と話していると、囚われた宇宙人のようでちょっと笑えた。

ご飯もその門の前に置き、顔を合わせることがないようにして、話すときはLINE電話と徹底してその日は幕を閉じた。紙コップを使いお皿も基本的には捨てられる容器にして、彼の部屋に用意したゴミ袋に全て捨ててもらうことにした。一度あの部屋に入ったものは、こっちに戻って来れないシステムでまるでブラックホールのようだった。

数日前から家を空けていた娘と旦那は、街のPCRセンターで検査を受け、そのままホテル泊まりとなった。あんまり仲良くない二人だと言うのにツインの部屋で2週間滞在することとなった。一家離散であるが、被害を最小限にするために致し方ない処置だ。

優しい次男くんはもしも長男に何かあった場合、男手も必要だろうと家に一緒に引きこもることを申し出てくれた。打倒!デルタ株である!!(まだ決まってないけど)

次の日の朝早く、病院から電話があった。「陽性」の知らせだった。もうその覚悟はとっくに出来ていたので何も怖くなかったが、一番気になるのは、自分がうつっているかどうかだった。もう長男が陽性となってしまった今、私たちは外に出ることはできないし、街のPCR検査にいくこともできない。何より、自分も罹患してしまった場合、罹患者しかいないこの家は一体どうしたら良いのだろうかという不安はあった。

まずは実家に電話。家が近いからうっかり訪れてきそうな老夫婦には早めにお知らせをしないといけない。そして旦那に連絡。旦那は会社の使っていない営業所を自らの隔離部屋としてそこで仕事をしていた。検査も受けてるし長男との接触もないが、世の中の人には濃厚接触者とうつってしまうからである。長女はホテルの部屋に一人幽閉されている。軟禁とでも言うのだろうか。お部屋の掃除の時だけ外に出ているらしい。

そして、神と呼ぶべき友人に報告の電話。もう声を聞いた途端笑ってしまった。まさか我が家にコロちゃんがやってくるなんてw

そして私の頼んだイベルメクチンが一体どこまで届いているのか配達記録を辿った。

あれ、昨日ムンバイだったはずなのに、もう川崎に到着して検疫されてる…。あっという間のテレポートだった。何と神がかっているのだろう!

さて、保健所からの連絡は待てど暮らせどやってこない。ネットで濃厚接触者の定義を調べてみたが、私たちは全く当てはまらない。それでも前に述べたが、トイレとお風呂(シャワーのみ)と動物を介して間接的には触れ合っている。そこのところも保健所にもよーく聞きたかった。

そうこうしてるうちに、北里大学からメールの返信があった。

「治験には港区民と杉並区在住の20歳以上の成人にご協力いただいております。ご希望に添えずに申し訳ありませんが、お申し出ありがとうございました。どうぞお大事になさってください」と、丁寧に書かれた文面には気持ちがこもっていて、お名前までしっかりと書かれた返信だった。

北里大学の治験、頑張ってほしいと心から思う。成功することを切に願っているよ!

さて、保健所からのファーストコンタクトはその日の夜遅く、私のスマホにかかってきた。息子が陽性な事(コロナに罹患とは言ってなかったけど)、私たち家族が濃厚接触してなくても濃厚接触者にあたること、だから保健所のPCR検査を受けなければならない事、これからの事など情報が盛り沢山だった。

聞かれたことは、自宅療養をするか療養施設を希望するかと言うこと。そんなん聞かれたら希望するよね、療養施設。うちは娘が重度の肺炎をして2ヶ月ほど療養したことがあるので、比較的肺の病気には気をつけている。その旨もしっかり伝えた。自宅療養を希望すればコロナ楽々BOX(勝手に私がそう呼んでいるだけ)が箱で届くらしい。缶詰やタオルやトイレットペーパーや飲料水などの日用品の他に毎食食事も届くらしい。でも療養施設を希望すると、施設に入れるか入らないかわからないというのに、コロナ楽々BOXは受け取れないとのこと。なんか脅されてる気がした。施設を希望したら、コロナ楽々BOXはあげないよ?いいの?みたいな感じ。しかももし自宅療養を希望したとしても長男の食事しか届かない。私たちも外に出れないメンバーなのに。。そしたらなんて言ったと思う?

「日用品の買い物程度なら外にでて大丈夫ですよ!」

もうびっくり!!そりゃコロナもおさまらないわけだよな。だって買い物行っていいんですってよ、奥さん!!コロナ患者も療養施設を希望してコロナ楽々BOXをもらえなかったら、買い物に出る可能性が高いよね?療養施設希望しようがそうじゃなかろうがBOXは提供した方が良くない?施設に入ると決めた時点でお弁当の配布だけ取りやめればいいんだもん。

そして極め付けが、「ご家族のpcr検査ですが、保健所からの検査キットの配布は曜日が決められているため、次回の発送となりますのでお待ちください」

すぐ受けられないんだ、検査…

挙句、「息子さんに今の状態を伺いたいので、電話代わってください」

えっ!この私の携帯を?陽性者の息子に?えーーーー!!

心の中で貸したくない、貸したくないと唱えながら、ビニール袋にくるんで、ブラックホール(息子の部屋)へ放り込んだ。

次回に続く


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