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心機一転(おばさん大学生、学校に通うの巻)

4月、桜が舞い散る中、私は大学のキャンパスに足を踏み入れた。久々に履いたヒールの靴でかかとは今にもずるっとむけそうだったけど、いい女を装ってカツカツと歩いてみた。

グレーチング部分に差し掛かると、そのヒールは横にスライディングし、私のインナーマッスルを刺激した。何食わぬ顔をして必死に体制を立て直す。

入学式のアルバイトであろう学生たちが新入生たちを誘導してる中私に声をかけてくる「お子さんの付き添いはここまでにしてください」。中には私を「先生」と呼ぶ人もいる。もう先生になりきって会場に入るしか手は無かった。

アムロ、行きまーす!!

そう、私40代後半にして、大学に入学したのだ。大学の入学式に出るのは人生で2回目、今回ほど緊張して出席した入学式はないだろう。そして、私の長男も今年から大学生。大学は違えど共に受験勉強をし、親子から同士となったのだ!

そして私はそれまでWindowsユーザーだっだがこれを機にMacユーザーへと華麗なる転身をした。何故かって?かっこよかったから。まずは形から入らないとね。流石に18歳には見えないと思うけど少しでも近づかないと。MacBookは思いの外軽くていい感じだ。この時は後にこの華麗なる転身が自らを苦しめる事になるとは全く思いもしなかった。そのお話はまた後日。。

入学式はコロナのことがあるからなのか、元々簡素なものなのかわからないけど、さらっと終わった。事務の方なのか教授の方なのか、同じくらいの年齢の方に「新しい先生ですか?」と聞かれた。周りには息子の同じくらいの年齢の子がわんさかといて、これをこの場で答えるのって

ある意味「羞恥プレイ」

「嘘ついちゃえば!」と右から悪魔の私が囁き、「だめだよ、今後の大学生活しづらくなるよ!」と左から天使の私が囁く。

うん、そうだよね

「し、新入生です…」

周りの学生さんがガン見してくる。自閉症の作家の東田直樹さんが本の中で言ってたよ、みんなの視線が突き刺さるって。まさにざっくり突き刺さった。視線って突き刺さるんだね、知らなかった。

友達と楽しんで帰ってきた長男の入学式とは違い、私はそそくさと家路につき、帰り道に親友に電話をして本日の諸々を報告。親友は笑って聞いてくれた。これってオモロな話なの?

親友は私が大学進学を迷っていた時にドーンと背中を押してくれた三人のうちの一人だ。前回のnoteを読んでくれた人ならわかると思うが、試される子育て(次男くん秋田に行くの巻)で少ない情報で全てを理解して多肉の先生に連絡を取ってくれたあの人である。

普段はぼんやり優しそうなキャラなのだが、いざという時に本当に頼りになる。私がジャイアンなら「心の友よー」といつでも何度でも言いたい。そしてもう一人の背中を押す係を請け負ってくれたのが、多肉の先生でもある親友だ。この人は現実的で賢く、なにしろスマートな人なのだが、時々ボケる。そのボケがなんとも可愛らしいのだが、背中を押す係に任命した際にはものすごい威力を発揮してくれた。ドーンの背中の押し方が理論的で現実的。私を夢見る夢子から現実世界に送り込んでくれたテクニシャンなのだ。こちらも「心の友よー」とジャイアンなら言うだろう。

そして忘れちゃいけない、最後の一人。私はそれまで勤めてた大好きな職場の大好きな人にも背中を押してもらったのだ。きっと押したく無いだろうと思う理由もあったが、それでもドンと押してくれた。この年齢で親友が増えるなんて思っても無かったが、いくつになっても親友ってなれるんだと思えた人。

だからこそ、私は大きな壁に向かって背面飛びをしたのである。ハードルを超えた先の未来はいくつになっても変えられるんだ!!

だから小さな事では泣いちゃダメだ!!立つんだジョー!!

と、入学式早々に本当に小さな小さな事で挫けそうになったけど、私には背中を押したり支えてくれた愛おしい美魔女おばさん三人衆がいるのだ。名付けらなら、るい、ひとみ、愛とでも言おうかね。そしたら私は誰なのか…。としお??

みんな私より少しだけお姉さんだけど、私を一人残して先に逝かないで欲しいと切に願っている。





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