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こびっと ちょびっと コロナ道1 発熱編

暑い暑い夏の真っ只中、一番上の息子が恐ろしいものを家に持ち込んだ。

大規模イベントにアルバイトとして参加していたその息子が発熱を訴えたのは、そのイベントが終わった数日後のことだった。そこでもらったとは言わないが、道中どこでもらってもこのご時世不思議ではないのだが、今も心の中で疑っている自分がいる。

実家からお昼ご飯食べに行こうと誘われて、車を出した直後、寝ていてお昼は食べないと言った長男からLINE電話。

「悪いけど、帰りにポカリスエット買ってきて」

なんで?

なんで?

普段ポカリスエットをおねだりするなどしたことのない息子からの電話に車内が凍りついた。

「熱がありそうなんだ」

一瞬にして世界一周できそうなほど色々な事を想像した

彼が万が一流行病なら…間違いなく家族の私たちは世間で言う「濃厚接触者」と、なるのだろうか。年老いた老夫婦に会ってる場合じゃないことは一瞬でわかった。

走り始めた車を、そろりそろりとバックで駐車場に戻し、人と接触しないように自動販売機に行き、ポカリスエットでは決してない、似たような飲み物のボタンを連打し、それを抱えながら家に入った。

彼の熱は38度もあった。。

そもそも私たちはデルタ株とやらが騒がれ始めた頃から、家庭内でも同じ時にご飯を食べることは避けていた。そして多感な時期の子供達は引きこもりのように室内にこもっていたので、ほとんど顔を合わせていない。接触する場所としては、お風呂とトイレの共有とみんなのアイドル犬2匹と猫2匹をわしゃわしゃと可愛がる間接接触と言うことになる。

やだ、ついに来たのかしら、その時が。。

保健所のHPを調べると、どうやら「発熱外来」なる所を通して検査を受けるらしい。去年近所の総合病院の前に白いテントが貼ってあるのを見て以来、気持ちの問題だけど、そばを通るときは車だと言うのに息も止めて通ったし、そこには近づくことすらほぼしなかった。でもそこが今では、私たちに最初の手を差し伸べてくれる第一歩となる。

ありがとう、やっててくれて

息も止めて通っていたとは思えない変わり身の速さで私は感謝をした。

ちなみに私は世間で騒がれていた「イベルメクチン」による治療に関心を寄せていた。友人から聞いた神戸のイベルメクチンの治療をしていた先生のブログを読んでいたので、お守りがわりにインドから取り寄せていた。そのネットのサイトには「人間用イベルメクチン」と書かれてあり、「人間用?」と、ドキドキしながらボタンを押したのはまだ10日ほど前のことだった。しかし、前の日にまだムンバイの空港に止まっていたので、まだこの時点では日本には到着をしていなかった。

とりあえず近くの総合病院に発熱外来予約の電話をしたところ、午後の診察時間が始まってから電話してほしいと言うので、急に進むべき道が絶たれてしまった。それなのに家には流行病の罹患者がいるのだ。暑い暑い日中に窓を全開に開けて、汗だくで午後の診察時間を待つ。その間もお昼ご飯も食べなきゃいけないのだけど、暑さと菌が口の中に入るかもと言う恐怖で何も食べられなかった。

そうだ!北里大学でコロナ患者のイベルメクチンの治療が始まるとニュースで言ってたなとふと思い出した。やれることはまだある!早速メールを出してみた。

10代男性、発熱があります。まだ検査はしていませんが、陽性の場合は治験希望です。よろしくお願いします!

近所の総合病院に行ったらそこでもイベルメクチンの治療ができるか聞いてみることと、北里に紹介状を書いてもらえるか聞いてみようとメモも書いた。

一年前にコロナにはカロナールが効かず、アセトアミノフェンが良いと聞いていたので、我が家にはタイレノール(アセトアミノフェンが入っている)が常備してあったので、とりあえずこれを息子に飲ませてみた。

わたしにはこういう情報をたくさん調べて惜しみなく教えてくれる親友がいる。イベルメクチンもタイレノールも全て全てその友達のおすすめだった。感謝しても感謝しきれない。こうなった今、感謝が更に増幅して「神」かと思う。

そしてその間、濃厚接触者となっている場合のためにネットで大量な買い物にいそしむ。水やOSワン、お菓子から保存食まで、家族全員罹患しても大丈夫と思えるくらいの量を購入した。

そして2時きっかりに総合病院に電話。今すぐ車で来れますか?の声に二つ返事で家を出た。

出たけど…

後部座席にシーツを引いて息子座らせて、アルコールスプレーと次亜塩素酸水をセットして窓全開にして車で家を出たけども…

この状況って怖すぎる!ゴボゴボって息子がするたびに心の中でひぃぃーと悲鳴を上げた。

次回に続く…





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