こびっとちょびっと コロナ道2 PCR検査編

※発熱編の続きとなります

ミニバンの後部座席に発熱してる長男を乗せて、窓全開で発熱外来の病院に向かう。万が一陽性だったら公共の乗り物を使用できない事など、丁寧な説明を病院からもしてもらっていた。そして、正面玄関ではなく、救急外来のある裏口に車で来て欲しいとも聞いていた。

病院に着くと、ここは宇宙かと思うような防護服に身を包んだ職員もいるし、そんな軽装で大丈夫?と思うような職員もいた。

指示された場所に車を止めると消防署の人なんだろうなと言うような割と軽装の若者が近づいてきて、問診票を渡してくれた。彼が身につけていたブルーの割烹着風な前かけは、これでもかってほどに薄く、色々な菌など簡単に通せそうな素材であった。こちらの方が彼の健康を気づかってしまう。病院で配布されているから、きっとちゃんとしたものなんだと思うけど、時々いただく高級な肉が包んである風呂敷のような素材の生地に、彼は身を預けているのである。息子より少し上くらいの年齢の彼のことがとても心配になってしまった。家族から罹患者を出した罪を感じ、彼を危険にさらしていることを、申し訳ないと感じてしまった。

そうしている間にも車は後から続々と到着し、これがよく聞くドライブスルー診療なんだろうなと言うことがわかった。わたしが息を止めてまで近くを通過していた病院はこんな日々を送っていたのである。本当に感謝しかない。

私たちの車の横に小さめの車が入ってきた。もちろん向こうも窓全開。お互い考えることは同じなんだろう、運転手はどんな風に患者から身を守っているのだろうと気になってチラリと顔を向けてみた。隣の車には初老とみられるカップルが乗っていてご主人と見られる男性が運転席に座っていたのだが。。二人ともゴッホゴッホとリバース寸前なほどの咳をしていた。

私はそっと自分側の窓を閉めた。

それを見た長男、俺の方も閉めて欲しいと言い出したが。。いや、それはできない。。

君は同じ穴のむじななのだ。

看護師さんに問診を受けた後、ドクターと見られる男性が車に近づいてきて、私に窓を開けるように指示した。PCR検査の説明を受け、親としてしっかりそれを聞いた。

ドクターは私にドアを開けて検査しやすいように指示した。。

発熱は私じゃありません。。

小さな声でそれをいうのがやっとだった。

後部座席で熱のために小さくなって息を潜めていた長男にどうやら気がつかなかったようだ。多分長男は身をかがめて隣の車の罹患者と思われる夫婦から身を守っていたのであろう。何度もいうが、お前も同じ穴のむじななのだよ。

ドクターに後部座席のドアを開けるように指示され、長男はマスクを外して鼻ぐりぐりのPCR検査を受けた。そして、長男の手は、ドクターを押してしまうかのような仕草を見せており、あれ以上ぐりぐりが長かったら確実にボーンと押してしまっていただろうなと思う。そのぐらいにちょっと長めのぐりぐりだった。

挙句の果てに鼻の刺激により出てしまった咳爆弾まで食らわせてしまい、ドクターに次亜塩素酸水を振りかけてあげたいと思ってしまった。

ドクターが去った後、咳をした長男からでた菌を抹殺すべく、シュッシュシュッシュと次亜塩素酸水を振りまき、車の中はその香りで一杯になった。今日だけでこの一本使い切れるだろうなと思った。

長男が咳爆弾をお見舞いしてしまったことで、イベルメクチンの治療や北里大学での治験についてドクターに聞きそびれてしまった私は、近くいた先程の若い軽装の消防署員に再び声をかけた。またもや彼を罹患者の近くに呼んでしまうという罪を犯したが、私には聞いて帰るという使命があった。

若者にイベルメクチンの治療に興味があることと北里大学の治験の件を伝えるとドクターに直接聞いてみてくださいというので、隣の車の夫婦への検査が終わるのを見計らってドクターに声をかけて、かくかくしかじかと思いを伝えてみた。

ドクター「あのねぇ、この状況わかるよね?」←多分ちょっと怒ってる

ドクター「イベルメクチンの治療はこちらでは出来ません。北里大学の治験の件は、書類も全部そちらで用意してくれて、こちらがサインするだけならできるけど、そんな時間も惜しいの感じてもらえましたよね、今日」←絶対怒ってる

こうなったら、ここに来る前に出した北里大学への治験希望のメールに託すしかない!!お礼を言って、多分飲まないであろうカロナールを処方してもらって、診療代と薬代を払って、いそいそと帰宅した。

検査結果は2、3日中に出るとのこと。陽性の場合は、保健所からも連絡が行くことなど聞いて帰ってきたが、それまでにどうやって完全隔離をしていくか。

息子体の節節が痛いから、これはインフルエンザだと思うという。思い起こせば彼は真夏のインフルエンザに3回も罹患している。タミフルを飲めば治るのかもしれないが、今こういう熱でタミフルで治している人はいるのだろうか。

そういうニュースをTVでぜひ特集組んでやってほしい。熱が出て陽性なら全ての人がコロナになってしまうのだろうか。そんな疑問を持っているコメンテーターが一人くらいいてもいいのにとつい思ってしまった。

次回に続く…

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