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VRダンマスの妄想話(趣味ブログより転載)

ある時、アメリカのとある部族の村でVRアトラクション・ダンマスがプレイされることになった。その部族は、インディアンやゼッド族のような平和的感性も持っているが、戦士としての鍛錬を男女とも積んでいる。心身を鍛えるためらしい。もとは狩猟民族であったが、動物の命を取らなくても済むようになった後は動物を狩るのはやめたそうだ。(レプリケーターが使用できるようになったため)

チーム・スカルキープのメンバーはプレイしなれているということで、実際にプレイしてほしいそうで16人全員が招集された。女性でも半裸であったり、男女とも魔除けらしきタトゥーを入れていたりと個性的ないでたちだ。魔除けメイクの風習に慣れているトーハムやセリ、彼らに理解のあるヘットやグレインやトレッサ(彼女も顔に刺青がある)にアンダース、これまたタトゥーを入れているジェロッド(器用でスタミナの多い魔術師。赤い目をしている)らはすんなり受け入れた。その他のメンバーは、異性の裸に戸惑っていた。
ウーゴ:「女性が胸丸出し…。アニキ、目のやり場に困りますな。」
トーハム:「確かに。俺はヘットで慣れているからいいけど。」
ウーゴ:「そういや、姐さんゲーム中でも上脱いでいたな…。それにしても、男女ともごつい顔立ちだ。」
トレッサ:「うーん、私たちから見て端正といえる顔立ちは少ないわね。まあ、見た目はあまり気にしないけど。戦士の訓練を積んでいるからたくましいとは思うな。」

やがて、リーダーらしき男性がやってきた。
族長:「ようこそ、オ〇ンコ族の村へ。私が族長のスケッベです。」
その瞬間、ヘットは顔を手で覆う。日本語を知っているヘットにとっては、かなり卑猥な言葉に聞こえたのだ。
セリ:「ヘットさん、どうしたの。」
ヘット:「いや…下ネタみたいな部族名に聞こえたもので。さすがの和多志もちょっと…。」
スケッベ:「どうしました、お嬢さん?」
ヘット:「あ、すみません。日本語でエッチな言葉に聞こえたんです。」
スケッベ:「日本語を知っているのですか。そんなにエッチなのかね…。」
彼らは日本語は知らないようだ。と、副族長の女性がやってきた。
副族長:「ところ変われば言葉の意味も変わるでしょうね。確かに、日本語を知っている人からすれば卑猥に聞こえるでしょうけど、気にしないで。副族長で、スケッベの妻のフランです。」
副族長…フランが挨拶する。チーム・スカルキープから見れば優美な顔立ちである。
グレイン:「これは…きれいな顔立ちですな。」
フラン:「そう?あいにく、こういう顔立ちは私たちの部族では美形とはされないの。あなたたちの思う、美形男女とは基準が違うもので…。」
そう、オ〇ンコ族の思う外見の美男美女の基準は、チーム・スカルキープのメンバーとは真逆である。つまり、別嬪ぞろいの女性陣はいずれも個性的に見えるらしい。男性陣も、こわもては魅力的だがトーハムやアンダースは個性的にうつるようだ。
部族の女性:「このお兄さんがリーダーなんだ。…魅力ない顔立ちだわ。」
魅力ない、の一言にトーハムはぐさりときた。
トーハム:「ひ、ひどい…。」
彼は泣き出した。グレインが慌ててフォローする。
グレイン:「落ち着くんだトーハム。美形の基準が私たちと違うだけだ。真に受けることはない。」
トーハム:「わかってます…。それでも、魅力ないはあんまりだ…ぐすっ」
部族の女性:「あ、ごめんなさいひどいことを。こっちのおじさんはかっこいいわ。」
グレイン:「ありがとう。トーハムに魅力ないは禁句なのだ。」
男の涙には寛容なようだ。数分して、トーハムも落ち着きを取り戻す。
トーハム:「失礼しました、みっともないところを。ところで、VRダンマスのデモンストレーションですが…。」
スケッベ:「はい、初代ダンマスのプレー光景を少し見せていただければと思います。攻略がてらに。メンバーはお任せしますので。」
トーハム:「わかりました。」

かくして、VRダンマスが開催されることになった。トーハムがメンバーを選ぶ。前衛にコーとベイン、後衛にはグレインとサロスを選んだ。スペルブック式ではないので、序盤から呪文もガンガン使う。
部族の男性:「コー、チ〇ポチ〇ポ!(強い強い)」
ヘットが顔を伏せる。彼らはコーに対して強いと言ったそうだが、ヘットからすれば卑猥な日本語にしか聞こえなかった。
ヘット:「サイテー!こんなところにいたら、私精神病みそう。」
トーハム:「落ち着くんだヘット。意味が違うから。」
ヘットは彼らの発言がエッチなものにしか聞こえず、いつもの切れ者ぶりを出せずにパニックになっていた。耐えられなくなり、セリに交代した。
トレッサ:「変人も形無しね…。そんな卑猥なの?」
ヘット:「卑猥なんてもんじゃないわ。性器を連想させるような発言に聞こえるのよ。」
メンバーは、順調にレベル3まで到達した。
グレイン:「ロー・ゾー!ドアが開いた。コー、頼むぞ。」
コー:「うむ…。(手裏剣をプレッシャープレートへ投げる)」
トーハムとセリも、落ち着いて指示を出す。部族の人たちの声援も、彼らにとってはただの音だ。ヘットは耳をふさいでいた。一同がレベル4直前の階段に到着し、いったんプレイは中断された。
スケッベ:「イ〇ポ!(素晴らしいという意味らしい)見事なプレーでした。ところで、金髪のお嬢さんがひどく混乱していたようですな。切れ者の指揮官と聞いたのですが…。」
トーハム:「…彼女には、部族の人たちの声援がかなり卑猥に聞こえたようです。先ほど言ったように、日本語を知っているゆえに混乱したのかも…。」
スケッベ:「ああ、そうでしたね。と、さっそく一族の者にもプレイしてもらいましょう。」

部族の人たちも、プレイする。最初はぎこちないものの、だんだん慣れてきて楽しみ始めたようだ。ヘットはぐったりしていた。
サロス:「ヘットさん、大丈夫?」
ヘット:「大丈夫じゃない。日本語を知っていることが仇になったわ。下ネタも少しならいいけど、度を越しているし…。私帰る。」
サロス:「そんなこと言わないでよ。あと3日は滞在予定だし。ダンス大会やクラフト大会もあるから…。」
ヘット:「無理なものは無理…。」
サロス:「こりゃ重症だ。ヘットさんが不機嫌だと、全体にもよくないし。」
と、ビビアンが現れる。
ビビアン:「よ、スカルキープのにーちゃんねーちゃんたち。ヘットさん、オ〇ンコ族…くくく、すまん。彼らの言葉が卑猥に聞こえて集中できないみたいね。」
ヘット:「そうなの。って、また笑っているし。」
ビビアン:「すまん、ちょっとウケたもので。あたしでよければ協力するぜ。『ヘットさんが、卑猥と感じる言葉に滞在中惑わされなくなることを許します。』」
ビビアンの言葉に、ヘットは気分が軽くなった。ただの音にしか聞こえなくなったのだ。
ヘット:「あ、気にならなくなった。ありがとう。」
ビビアン:「どういたしまして。滞在中だけ効果あるから。」
ビビアンは姿を消す。一同は、レプリケーターで作ったステーキをごちそうになり一夜を過ごす。

次の日…。ヘットも部族の声援に惑わされなくなり、指揮官に戻る。この日はトーハムも参戦することになった。前衛にクリータスとエッカスの魔族コンビ、トーハムはアンダースとともに後衛に回る。レベル4から始まる。エッカスが斧で木の扉を壊す。途中の扉でクリータスが頭をけがした。トーハムが秘薬ヴィーを作る。
部族の女性:「あのリーダー、顔はあれだけど呪文も得意なのね。」
トーハムの顔立ちは、オ〇ンコ族には受けが悪い。彼はぐらつくが、頭を振って気を取り直す。
トーハム:「価値観が違うとはいえ、ちょっとへこむ…。」
ワームが出てきた。クリータスとエッカスは回り込みを使いながら斬撃を繰り出す。アンダースはファイヤーボールを放つ。トーハムは補助呪文を使う。彼はマナこそ少な目だが、賢さは高い。そして、後衛から攻撃できる武器を取り出す。
トーハム:「エターナルフォースブリザード!」
アイスソードだ。データの持ち越しをしていたようだ。と、ヘットが叫ぶ。
ヘット:「小利口、後ろにゴーストがいるわ。」
トーハムが振り向いた。ゴーストが攻撃しようとする。彼は横に逃げる。ゴーストの攻撃はエッカスに当たった。
エッカス:「ぐっ…。ゴーストとは。 私では分が悪い。」
アンダース:「僕に任せて。ウム・デス・ユー!」
アンダースがハーム・ノンマテリアルでゴーストをやっつけた。さらに進む。
ヘット:「最弱のマミーね。こいつを倒すと、ワームが大量発生するのよね。準備は万端に。」
エッカスが、短剣を投げた。マミーが消える。クリータスは木の扉を壊す。大量のワームが襲ってくる。アンダースは攻撃魔法を使う。クリータスとエッカスは斧などを使う。トーハムもファイヤーボールを使う。と、エッカスの体力が少なくなる。トーハムが秘薬ヴィーを作り、渡す。
見事な連携で、レベル4のワームを一掃した。レベル5…。謎解きに必要なアイテムはそろっていたのでスルーした。レベル6…。
ヘット:「ここは、あのウィザードアイが出るのよね。エッカスと小利口は特に気を付けたほうがいいわ。耐火力のない人だと一瞬でお陀仏になるかもだし。」
後衛はファイヤーボールを準備する。金貨を入れる部屋に来た。スケルトンが大量にいた。あっさり蹴散らす。アンダースが、スロットを見つけ金貨を入れた。鉄のカギ、一本目を見つける。
一行は一度セーブをする。ワープ装置のある部屋へ向かった。と、扉が開きウィザードアイが出た。後衛がファイヤーボールを放つ。と、ウィザードアイもファイヤーボールを打ってきた。一行はよけきれず、もろに食らう。実際の肉体にダメージはないが、クリータス以外は大ダメージを食らいトーハムが戦闘不能になった。彼の姿が消え、骨マークが表示された。
部族の女性:「プレイヤーが骨に…?」
グレイン:「ヘルスのなくなった勇者は骨になります。ヴィーの祭壇に置けば復活しますが。」
部族の女性:「身をもって教えてくれるとは、さすがリーダーね。顔はあれだけど。」
トーハム:「勘弁してよ…。恥ずかしい。」

アンダースが秘薬ヴィーを作り、回復して鉄のカギの二本目を入手する。そして、装備品と骨を拾いそのまま進む。
トーハム:「ちょ、復活させてくれないんかい!」
クリータス:「レベル6の終わりに祭壇ある…。レベル3まで戻るのは時間がかかる。」
アンダース:「呪文なら僕もいますし。」
トーハム:「俺、いらない子…?」
エッカス:「そうではない。」
3人はウィザードアイらにも屈せず、スムーズに進めた。そして、ヴィーの祭壇にやってきた。骨を置く。人骨が爆発するアニメが流れ、トーハムが復活した。彼の姿が復活する。それは、全裸にパンツだけの姿であった。ゲームでは、復活直後は全裸だがVRでは男女とも局部丸出しはNGである。
部族の男性:「裸になっている…。おや、桜だ。ユニークな魔除けのボディペイントだ。」
彼らには、桜のペイントは魔除けにうつったようだ。
グレイン:「祭壇で復活した直後の勇者は全裸です。VRでは、局部丸出しはNGなので下着の着用はありだが。」
トーハムが装備をし直す。VRのグラフィックもそれにちなんだものに変化した。レベル7の一歩手前で中断した。

※祭壇で復活した直後のイメージ。ヴィーの祭壇がダンマス2仕様ですがそこは目をつぶってと。VRでは局部露出はNGという設定のためパンツをはいています。(マスク用ゴム紐と薄い生地でふんどしパンツっぽく)

オ〇ンコ族の人たちは大笑いであった。トーハムがやられたうえにそのまま進められ、復活直後の裸になっていたのがウケたようだ。彼は恥ずかしさをこらえている。
トーハム:「恥ずかしい…。俺としたことが、へまするなんて。」
エッカス:「落ち着くのだ。 …この後は、休憩をはさんでアクセサリー作りとやらがあるそうだが。私はそういうのは苦手だ…。」
セリ:「それなら私たちが参加するから。ヘットさんも、経験積んでいるし。」
トレッサ:「そうそう、得意な人がやればいいの。」
部族の男女4人ほどが参加する。チーム・スカルキープからは、トーハムとヘット、セリとサロスが参加した。サロスはフードを外す。レシピと材料はそろっていた。部族の人たちがスムーズにネックレスを作る。セリやトーハムも、地元でやっていたためか器用に組み上げる。ヘットたちもトーハムに習っていたためかきれいに作る。
部族の男性:「4人とも、顔は好みじゃないけど器用だ。」
セリ:「いちいち失礼ね。ゼッド族は、こういうアクセサリー作りなら仕事でよくやっているからね。男子は、成人の儀式の課題になっているの。私もトーハムに首飾り作ってもらったことあるし。」
部族の女性:「…成人の儀式って、力や度胸試しが中心と思っていたけどそういうのもあるんだ。」
セリ:「ゼッド族は、基本的に平和主義でケンカや戦いは嫌いなのよ。私たちはダンマスに参加しているけど、あくまでゲームと割り切っているので。」
セリは明るく話しながら手を動かす。
部族の女性:「なるほど。ゼッド族も顔を彩る風習があるのね…。」
セリ:「ええ。男女とも6歳くらいからやっているわ。一週間は肌に定着するけど、リムーバーで落とすこともできるの。父なる神と母なる神にアピールするのもあるし、主に魔除け目的ではあるわね。」
部族の女性:「入れ墨ではなかったのか…。色は自分で選ぶのかしらね。」
セリ:「まあね。熱い性格の人は寒色系、冷静な性格の人は暖色系を選ぶな。」
ヘット:「なるほど…。セリ、明るくも落ち着いたところあるものね。小利口はすぐキレるからな。」
トーハム:「やかましい! …あ…。」
トーハムはキレたことに気づいたようだ。
ヘット:「キレたのに気付いたのね。若いんだから。」
トーハム:「反論できない…。あ、色の配置間違えた。やり直そう。」
トーハムがウッドビーズを抜き、濃淡のグラデーションが出るように革のひもに通しなおす。
部族の男性:「色彩感覚すごいな、あの人。顔は美しくないが。」
トーハム:「やかましい!こんな美少年を捕まえておいて失礼だぞ!」
トーハムはまたキレた。なんだかんだ、自分の美貌に自信があるようだ。
ヘット:「落ち着けって小利口。価値観の違いよ。それに、すべては美しい…でしょう。」
トーハム:「…すまん。またムキになっていた。」

無事、ネックレスが完成した。4人もきれいに作りあげた。ネックレスは持ち帰ることになった。
サロス:「トーハムさん、相変わらずアクセサリー作りはすごいですね。ダンマスの中ではしょぼいけど。」
トーハム:「一言多いぞサロス。伯母さんがいたらきれいに作っていたかも。」
アンダース:「確かに、アリサおばさんならこういうのも得意そう。ビーズアクセサリー作りも相当の腕だったし。」
ヘット:「…ここの人たちの言葉聞いたら、混乱するかもよ。」
トーハム:「あ、日本人なの忘れてた。キットだけ譲ってもらえないかな。」
部族の女性:「こういうの得意な人いるんだ。そうね…そこの眼鏡のおじさんとキスさせてくれたらあげるわ。」
女性はグレインに好意を持ったようだ。
グレイン:「わ、私ですか…。私でよければ。」
女性はグレインの頬にキスをした。お礼を言い、ネックレスのレシピ付きキットを渡す。
アンダース:「グレイン先生、モテモテですね。真緒さんがいたら、蓼食う虫も好き好きって言っていそう。」
トレッサ:「わかるけど、ひどいわね。それにしても、価値観が違うとはいえ私たちにはそっけないな、ここの男たち。」
アンダース:「まあまあ。わかる人には魅力がわかるでしょう。」
夕食には野菜料理とピラフが出された。そして夜が更けた。

翌日…。レベル7からスタート。前衛にウーゴとトレッサ、後衛にセリとアリアイが参戦する。隠し通路のデルタの剣を見つけ、ファイヤボールの罠も止める。ゴーストが出るが、初代ダンマスの緑のゴーストは怖いもの知らずのセリの敵ではなかった。ギグラーも出るが、トレッサが魔法でやっつけた。どくろの鍵のショートカットも開く。
レベル9。ラスターはガチで装備を錆びさせてくる。ウーゴは装備を外した。近づく前に、ほかのメンバーが魔法で撃退する。ペインラットは攻撃力が高い。ウーゴが盾になりつつ、トレッサとともに武器で攻撃する。アリアイは補助魔法で援護する。セリも回復ポーションを作る。
アリアイ:「トレッサ殿、この扉の向こうは落とし穴から来る必要があったな。」
トレッサ:「ええ。階段まで少し距離があるわね。あ、このボタンは押しちゃいけないわ。」
一同は上の階へ行き、落とし穴に飛び込む。幸い、誰もケガせずに済んだ。ファイヤーボールの罠の通路にやってきた。
セリ:「ここ、3人以上だとファイヤーボールを食らっちゃうのよね。トーハムやエッカスだときついでしょう。イー・フル・ブロー・ネタ!」
セリが耐火シールドを数回張る。ダメージは食らったが、無事抜けられた。魔法の石を獲得し、ベクサークを倒してどくろの鍵を入手する。2つ目のラーの鍵を入手し、セーブした。レベル10…。ウィザードアイが出てくるが、ここもスムーズに抜ける。
トーハム:「この赤いボタンは押してはいけない。モンスターが来れないようにする結解を解除するからだ。」
ウーゴ:「そうそう。初心者プレイヤーがうっかり押してえらい目に遭ったのを見たことあるぜ。と、オレの出番は少ないかもな…。」
トレッサ:「爆弾投げたら?」
後衛が魔法で攻撃し、ウーゴは爆弾を投げる。トレッサはマナは多くないが、こちらも魔法を使う。一通りモンスターが消滅する。進むと、アリアイがギグラーに襲われた。
アリアイ:「うお、何を…。」
彼はギグラーに尻を撫でられ、下半身防具を盗まれた。トレッサが魔法の箱を使う。セリが魔法で倒し、防具を取り返した。
アリアイ:「すまぬ。下着着用が認められているとはいえ、下半身丸出しは恥ずかしいものだ。」
貴族の血を引くアリアイにとっては、やみくもに裸をさらすのは抵抗があるようだ。後半は強敵が多いが、無事に抜け虫眼鏡も回収した。レベル11の手前で中断する。

スケッベ:「さすが、ベテランプレイヤーだけあってシステムを知っていますな。しかし、盗みを働くモンスターもいるとは…。」
ウーゴ:「おう、ギグラーは攻撃力はないがキーアイテムも盗むから多くのプレイヤーに嫌われているんだ。大変な役割だぜ。2にも、チケットシーフという盗人モンスターがいるぜ。こっちは攻撃もしてくるし…。」
サロス:「トーハムさんも、シーフに裸にされたことがよくありました。すらりとした體しているんですよね。」
トーハム:「多絵さんにも裸見られたな…。と、この後はダンス大会もあったような。」
ダンス大会。それは、じゃんけんジェンカであった。チーム・スカルキープもルールは知っている。音楽に合わせて踊り、止まったら近くの人とじゃんけんする。負けた人が勝った人の後ろにつく。トーハムは初回で負け、ヘットより小柄な少女の後ろについた。185㎝ある彼にとっては、逆に大変そうだ。最終的には、セリが先頭になり32人が一列になった。
セリ:「あー、面白かった。こういうのもいいよね。」
ベイン:「…トーハム、小柄な人の後ろについて大変そうだった。身長差が仇になったか。」
トレッサ:「長身が不利になったね。お、まだあるんだ。」
次は社交ダンスだそうだ。メンバーのほとんどは未経験だ。が、アリアイとトレッサは経験があるようだ。衣装を替え、少し練習した。ワルツに乗せて、即興で華麗なダンスを披露した。
オド:「おお…さすがは紳士淑女。しかし、社交ダンスを知っているとはこの部族もおしゃれなものだ。」
コー:「確かに。意外ではあった…。アリアイ、トレッサ…。上品な舞だ。」
次は、中東風の衣装で踊ってほしいというものだ。レディース向けのデザインだが、サイズはメンズ用に見える。話を聞くと、男女逆転での舞踊だそうだ。男役は部族の女性が務める。女役の男性メンバーを募る。メンバーは、全員一致でトーハムを指名する。彼はダンスが得意なのに加え、ハイレベルな女装を見せたことがある。トーハムは青ざめるが、覚悟を決め参加する。
いつものメイクは落とし、濃いメイクをする。きつめの紫のアイシャドウを使う。アメジストの粉末である。口元はベールで隠すので口紅はしなかった。ホルターのような装飾付きのブラに、スリット入りのロングスカートを着る。動きやすいサンダルに髪と口を隠すベール。相方の女性と振付を練習する。振付は簡単で、10分で覚えられた。
ウーゴ:「トーハムのアニキ…。きれいだ。男にしておくのもったいないぜ。」
トーハム:「こらウーゴ、変なこと言うな。男やめる氣はないし。」
ヘット:「そうよ。彼、トランスじゃないし。しかし、よく似合っているわ。ふふふ」
部族の男性:「本当に男の人なんだろうか。って昔なら言われていたろうな。」

ゆったりとした音楽に合わせ、二人が踊る。初めてとは思えないほど息が合っている。一同は無言で見ていた。言葉がいらない、美しい舞であった。無事に舞踊ショーは終わった。トーハムは着替え、メイクをやり直した。両頬を青く塗り、額にもペイントをする。
トーハム:「ふう…。こういう系は初めてだったけど、成功してよかった。」
セリ:「二人とも素敵だったわ。」
部族の男性:「お、ウォーペイントのやり直しだ。」
トーハム:「失礼な。戦化粧じゃなくてイニシエーションペイント(儀式の化粧)だし。インディアンに対して白人もそういう誤解していたそうだが…。」
アリアイ:「…なんだか申し訳なく思う。インディアンは自然を敬い、平和を愛したそうで。」
セリ:「アリアイは悪くないわ。」
夕食は蒸したいもなどが出た。翌日は滞在最終日である。カオスの融合まで行う必要がある。

最終日。レベル11からだ。朝早めに始まる。前衛はオドとコーディン、後衛にヘットとジェロッドが入る。全員参加する予定であった。時計回りの仕掛けをクリアする。ハチはヘットが魔法でやっつける。ダイヤの剣については、トラップの話はしたが入手はしなかった。三叉路は真ん中がお勧めであることも教える。ギグラーはオドが倒す。
オド:「真ん中は敵が少な目だ。両側は…行ったことがないが十数体単位でモンスターが出るそうだ。」
体力の高いウォーターエレメンタルが出た。実体がないのでボーパルの剣か対霊呪文が有効である。おびきよせて避け、先へ進む。ハチがやってきた。コーディンはためらわず、扉でつぶした。
コーディン:「卑怯と思われるかもしれんが、これも作戦だ。」
コーディンは、この時代には珍しく手段を択ばない人間である。ゲームに限らず、日常でもそういうことをするため量子に目をつけられているらしい。ダンマスで扉を使いモンスターを倒すのは、よくある話だが。
虫眼鏡を使い、ルビーの鍵を入手する。隠し通路のスピードブーツを入手し、銅貨でアイテムを入手する。レベル12に入る。デスナイトは落とし穴では倒せない。ヘットは秘薬クーを作る。天才白魔導士の本領発揮だ。腕力の上がったオドとコーディン、デスナイトを剣で倒した。スペルバインは、壁に寄せてジェロッドがハーム・ノンマテリアルで撃退する。一部はスルーした。マスターキーを入手し、上へ戻る。ラーの鍵を使い、中へ進む。ターコイズの鍵で、ネラの王冠と魔法の箱を入手した。ヘットが王冠を装備する。ネラの王冠は賢さを底上げする。
炎の杖を入手する。ストーンゴーレムは無視した。一気に最下層へ進む。レッドドラゴンは無視して、スクエアキーを入手した。モンのゾーキャスラー力を作る。と、ヘットが力の玉に何か言う。
ヘット:「You have no power over me!」 一同はずっこけた。2D版のスーパーダンジョンマスターの選択肢の真似らしい。
オド:「ヘット…。スチーム版の真似しなくてもいいだろ。変なところでボケるのだな。」
ヘット:「はいはいごめんごめん。たまにはボケてもいいでしょ。」
炎の杖は無事真の姿に戻った。レッドドラゴンの火の息をかわし、レベル13へ戻る。
ヘット:「小利口、以前炎の杖の融合直後にブレスにやられたのよ。 同じようにやられたヤツ、生涯童貞。」
卑猥な声が気にならなくなったヘット、急にボケ発言が増えた。佳境なのでセーブした。ロードカオスを融合する時だ。ヘットが杖を持ち、呪縛の結解を張る。コーディンが叫び、カオスを端に追い詰める。オドは耐火シールドを張る。ジェロッドは魔法の箱でファイヤデーモンの動きを止めた。ヘットが融合した。ロードカオスはオーダーと融合され、グレイロードに戻りゲームが終わった。
ヘット:「ふう…。ゲームクリアね。」
ジェロッド:「ボケることができるなら…大丈夫だな。」
オド:「確かに。初日は、卑猥な言葉が云々といっていたな。ビビアン殿の助けで吹っ切れたそうだが。私たちには日本語がわからないが、日本語でも下品な言葉はやはりあるのか。」
ヘット:「ええ、残念ながら。もちろん、量子によって放送禁止になっているのもある。」
部族の人たちが歓声をあげ、クリアを喜ぶ。族長夫妻が礼を言い、一同はそれぞれの拠点へ帰った。

後日、ブレア研究所…。
アレクシア:「へえ、アメリカの少数民族のためにVRダンマスを実演か。ほかにもイベントあったのね。」
トレッサ:「ええ。美形男女の基準が違うみたいで、副族長さん美人なのに本人はそう見えないと言っていたな。グレイン先生はかなり人気あったね。若いお嬢さんにキスされていたわ。」
セリ:「あ、アリサさん用にウッドビーズのネックレス制作キットもらってきたの。私たちも作ってきたわ。」
セリがネックレスを見せる。
アレクシア:「まあ、素敵ね。」
トーハム:「アレクシア、俺も作ったんだけど…。」
アレクシア:「見せてほしいな。(見る)なんだろう、色合いにこだわった感じがする。」
トーハム:「わかるんだ。濃淡が気になったもので、いったんやり直したんだ。しかし、ショックなこともあったな…。」
アレクシア:「魅力ないとでも言われたのかしら。」
トーハムがうなづく。
グレイン:「案の定、泣いてましたな。価値観の違いとはいえ、真に受けやすい子だ。」
トーハム:「グレイン先生、その話は勘弁してください。」
ヘット:「まあまあ。それより、部族名も現地の人の言葉もすごく卑猥に聞こえたわ。日本語で。」
コウキ:「どんな風に?」
ヘット:「部族名がオ〇ンコ族で、強いがチ〇〇で素晴らしいがイ〇ポ。さすがの私も、帰りたくなったわ。ビビアンさんに助けてもらったけどね。」
ヘットはいやそうな表情であった。
コウキ:「うわ…確かに下品だ。よく耐えられたな。」
ヘット:「さっき言ったように、ビビアンさんの許しますで気にならなくなったの。今は効果切れたけど。あ、面白い写真がある。」
男女のダンサーの写真を見せた。
コウキ:「男女の中東風ダンサーか。ダンス大会があったと聞いたけど。この女性、背が高すぎだし体格も男性的だ。それにこの目…。トーハムの女装か。」
ヘット:「あたり。男女逆転の中東風ダンスの相手にね。メンバー全員で推薦したけど。」
トーハム:「振付自体は簡単だったけど…。恥ずかしかった。」
アンダース:「とか言いながら、気合入れてメイクしていたぢゃありませんか。ダンスもノリノリだったし。」
アレクシア:「ふーん。恥ずかしいとか言いながら楽しんでいるよね。にしても、チーム・スカルキープ全員一致で女装が似合う男と思われているのね。ふふふ」
トーハムは下を向く。内心では前向きに楽しんでいるのを見破られているのが恥ずかしいようだ。
と、誰かがやってきた。それはアリサであった。
アリサ:「ごめんください。あれ、トーハム何かいやなことでもあった?」
トーハム:「おばさん。いや、そうじゃないんだ。先日、オ〇ンコ族というアメリカの元狩猟民族のところでVRダンマスの実演をお願いされたんだけど。」
アリサは目が点になり、噴き出した。
アリサ:「やだ、何その名前。下品…。あはははは!」
ヘット:「笑っているし。下ネタ耐性あるんだ。」
アリサ:「少しね。」
トーハム:「意外…。ダンマスの実演自体は無事成功して、アクセサリー作りやダンス大会もあった。」
トーハムがざっと現地のことを話す。
アリサ:「ありがとう。…確かに、日本人が聞いたら卑猥と感じるものばかりだ。ヘットが逃げ出したくなるとは…。変人でも上品を重んじている淑女なのね。」
ヘット:「ありがと。度を越した下ネタに聞こえてしまったのよ。」
コウキ:「わかるな。にしても、美形の基準が違うか…。女性陣は苦労したみたいで。」
アリサ:「全員美人だけど、そう思わない人たちもいるってわけか。グレインさんが人気高かったとはね。…トーハムだったら相当大変だったかも。」
ヘット:「ええ、現地のお姉さんに魅力ないと言われて泣いていたな。真に受けることないのに。」
トーハム:「過去は蒸し返さないでほしいな。冗談とわかっていても流せないもので…。」
アリサ:「なるほどね。…なんだか昔の自分みたい。冗談通じないときあったから。あの時は若かった。」
ヘット:「そんな時期もあったのね。あ、そうだお土産あるんだ。」
ウッドビーズのネックレスキットを渡す。
アリサ:「ありがとう。へえ、素敵ね。これならいけそう…。」
アレクシア:「作業スペースならあるわ。」

アリサは、ネックレスを1時間ほどで作り上げる。
セリ:「すごーい、できたんだ。なんだか、優しいエネルギーを感じるわ。」
アリサ:「ありがとう。材料も優しいエネルギーがある感じがしたな。しかし、自分も現地にいたら混乱していたかも…。」
ヘット:「でしょうね。あ、小利口ったらVRダンマスで骨になったわ。體を張って死亡と復活例を見せたと賞賛プラス笑いものにされていたな。」
アリサ:「あらら…。魔法でもくらったんだろうか。」
トレッサ:「ウィザードアイのファイヤーボールをくらったわ。レベル6だったから、次の階へ向かう直前まで骨のままだったし。」
アリサ:「ああ、レベル6の終わりのほうに祭壇あったものな。しかし、ギリギリまで骨のままにされるリーダーも不憫だ…。」
トレッサ:「そうね。本人もちょっと落ち込んでいたな。」

かくして、滞在は無事成功に終わった。ちなみに、近未来では醜さえも美の一種であり、すべてが美しいという観念が定着している。

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登場人物について

・ビビアン…許しますの言葉で、生物の潜在能力(主に再生能力)を引き出したりいやなことを気にしなくなったりするようにできる宇宙人。性格は気さくで明るい。2200歳代だが、外見年齢は地球人で25歳くらい。

・コウキ…ブレア研究所の日本人スタッフ。性格はやさしく平和主義。トーハムとはともに甥っ子属性持ち。生物、特に海の生き物や昆虫に詳しい。

・アリサ…コウキの伯母。60代だが宇宙テクノロジーにより體は30歳。凄腕クリエイターで、中の人がモデル。性格はマイペースで本来はやさしい。トーハムにおばさんと呼ばれているが、これは親族ごっこ遊びの一環。アンダースにおばさんと呼ばれると怒る。ヘットとは変人仲間。

・スケッベ…オ〇ンコ族の族長。男性。戦士ながら性格は温厚で受け入れの力に優れている。40代。

・フラン…副族長でスケッベの妻。頭の回転が速く、日本語もある程度知っている。こちらも性格は温厚。顔立ちはトーハムたちから見れば美人だが、オ〇ンコ族では個性的に見えるらしい。

VRダンマスについて

RTC版に準拠しており、表記は英語。ラスターは装備を錆びさせる能力を持ち、ウィザードアイなどのモンスターの魔法は威力が上がっている。ちなみに、スペルブックありとなし版があり、今回の話はスペルブックなしのオリジナルに準拠したタイプ。デスナイトは落とし穴に落としても倒せなくなっている。

※「You have no power over me.」…steamで遊べる、「Super dungeon master ace」の力の玉にかけられる選択肢の一つ。(正解はZo cas ra)steam版ではアチーブメント達成条件の一つ。元ネタは映画「ラビリンス」と思われる。

・アイスソード…RTCのカスタムダンジョン「ダンマス2 THE DARKNESS」に登場する隠し武器。ロマサガ1が元ネタと思われる。(隠し要素なので詳細は書きません)「エターナルフォースブリザード」は一撃でどんなモンスターも倒せる。 RTCのエディターを使えば、同じような武器を初代ダンマスでも使えるかも…。

言葉について

個性的…近未来では、ぶさいくは生き物に対して使うのは侮辱罪にあたる。なので、個性的に変わっている。(そもそもルッキズム自体衰退している)

禁句…トーハムに「魅力ない」はアウトである。その瞬間、彼はひどく落ち込み下手すれば泣き出す。

ウォーペイント…もとはインディアンの男子が儀礼の際に顔や體に施した化粧を白人が勘違いしてこう呼んだとのこと。

ブレア研究所…アレクシアが所長を務める、有益な菌・遺伝子に関する研究を行っているラボ。菌に関しては、発酵食品についての研究がおも。遺伝子については、人類の封じられた可能性を解放していくのが主な目的。

オ〇ンコ族…ネイティブアメリカンの、元狩猟民族。男女とも戦士の鍛錬を積んでいるが、本来は創作活動を得意とする平和主義者の部族。
魔よけのタトゥーを顔や體にしていたり、男女とも上半身裸だったりする。美形男女の基準がトーハムたちと真逆。そのため、女性陣は3人とも受けが悪く男性陣もトーハムは最も受けが悪かった。ちなみにグレインが一番人気。こわもて(ウーゴ、ベインなど)も人気が高い。
部族名や誉め言葉が、日本語を知る人からすれば卑猥に聞こえる。

その他設定
・ヘットは魂の記憶から、日本語がメンバーで最も堪能である。卑猥な言葉もわかるので、今回は大混乱した。ちなみにトーハムのことを小利口と呼んでいるが、これは彼が高い賢さを持ちながらゲーム中で活かしきれていないため、冗談でこう呼んでいる。(実際は芸術面に関する高い賢さを高く買っている)

・トーハムのボディペイント…魔よけメイクの代わりであり、ヘットへの愛情表現らしい。

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