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色恋沙汰のはなし

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恋や愛のことをあーでもないこーでもない言っています
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#恋愛エッセイ

初めての恋人のはなし

「ねぇ海外だとどの街が一番良かった?」 「うーん、バルセロナかな」 「バルセロナ最高だよね!」 こういう偶然が嬉しい。くすぐったい。あぁやっぱり私が好きになった人だなあと思う。 お互い離れていた時間はあまりに長く、たった数時間ではこの5年間をどう伝えればよくて、なにを尋ねれば良いのかも分からなかった。 結局、最近のことから話す。 向こうの仕事の話。 私のニートの生活のこと。 今の恋人との悩み。 18で出会った頃と変わらない身振りや笑い方のクセを懐かしく思う一方、あの

「どこが好き」って言葉にするのが正解だと思っていた

私は言葉をとても信頼している。 人は言葉や文字を通じて他人を知ったり、他人に知ってもらうことができるから。 もちろん音楽や写真や絵画、言葉を用いないで何かを表現したり、伝えたりすることもできる。 それでも言葉を一番信じていた、いや今も信じているのだと思う。 「好きです、付き合ってください」 出会って3時間の人にそう言われた。 数年ぶりに他人から寄せられるストレートな言葉と真剣な眼差しに、勢いに思わず「はい」と返事をしていた。 目の前で飛び跳ねそうなくらい大喜びするそ