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旅を続けるために

突然情熱的になって、大阪まで夜行バスでオーディションに向かった。

夜行バスは27歳になる年にEmeraldのSummer Youthのオーディションに長崎から東京まで乗ったとき以来だと思う。
突発的な情熱のお供、夜行バス。

なんばに着いたらにわか雨も手伝って朝は薄暗かった。

折り畳み傘は一度開くと畳むのが面倒だから極力開きたくない。

ネットで調べていた仮眠できそうなホテルは予想外な事が重なってチェックインできなくて、雨の降る町に放り出されてやっと旅人気分が本格的になってきた。

ナインアワーズは24時間シャワールームが使えて清潔だし広いし、サービスは簡潔で気兼ねなく入れて本当にすごいなと旅人は思ったのであった。

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ずっと同じ都会で順番待ちの列に並んでいる事にやっと気付いて、これって自分のやりたい事じゃないねという答えにたどり着いて、そんなの多分中学生の自分でもわかるだろうに。
こんなに時間がかかったのはでも、多分とても大切な理由があるんでしょうね。なんかそう感じています。多分ほんとに、決定的な確信、がないと手放せない性格なんでしょうね。

だって次は自分の番かも知んないじゃん。

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こうすればうまく行く、こうすれば好きになってもらえる、こうすれば尊重してもらえる。こうすれば×100くらいの作戦をたててそればかりになって、じゃあ唯は、何が好きなの?何が楽しいの?って事に鈍感になっていた。「こうすれば」の作戦を練る事が、自分の未来を助けてくれるのだと、ステップを踏み違えていた。
好きなことしよう。

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演技が上手いとか下手とか、ぶっちゃけわたし全然わからない。俳優としてやっている人はみんな、あたりまえに上手いと思うから、それ以上の評価となると、もう好みなんじゃないか。
うわ、この人の演技すげ〜!!わたしもこうなりたいなって、思うけど、それを俳優仲間に言ってもあんまり共感してもらえないこと多いし、逆の立場の事もよくある。えらい褒められてるけど、そんなに良いかなって。(その時は言わないけど。いつかわかるかもしれないし。)

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だから、上手いって言われてもなんか安心するだけだし(これはせやまさんとも話してたけど、良いか悪いかじゃなくて大丈夫か大丈夫じゃないかで自分自身の評価をする)下手って言われたらお好みにあいませんでしたか…ってなるだけだし(それでもその感想をこっちに納得させよう直させようとしてくるいち傍観者に対しては、その雑なつくりの審美眼大丈夫ですかってなる。)
それで、そうなってくると、上手い人がうまくいく説は結構嘘で、
ならわたしの場合、好き、をもっと突き詰めて、わたしの好きなものだけでわたしを構成してみようと、いま旅人になった次第です。

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旅人は同じ場所にとどらまらない
ずっとシャッフルする、自分自身を振って、混ぜて、どこか遠くへ、思いもよらない場所へ配置する。

でも旅を続けるためにはやっぱりどうしても「選ばれる」という階層を通過しないといけないのは大変なストレスですねぇ。

悩んで何度も考え直して選んだものは全て手に入れば良いのにねえ。

旅を続けるために。

あなたのおかげで生きているのかもしれません。