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2023年度の入ゼミ選考について

今年も、多くの方に、私が勤める慶應義塾大学法学部政治学科のゼミ(研究会)に、課題を提出して頂き誠に有り難うございました。昨日、2023年度の私のゼミ16期となる入ゼミ選考試験が終わりましたので、ご報告を頂きます。

今年も定員を超える人数の方々に、課題をご提出頂きました。最近は、有り難いことに私の慶應でのゼミに多くの優秀な方が集まっているというご評価を頂きまして、そのような噂を聞いて、多くの方が私のゼミへの参加を希望して頂いています。

私のゼミの課題は、合計で15000字という圧倒的な分量となっておりまして、5000字の自己紹介文(そんなにたくさん、自分のことで書くことはない!!)、5000字の記憶に残った5冊について(5冊も、記憶に残った本は読んでいない!!)、そして5000字の毎年変わる課題図書についての書評論文(普段本を読まないのに、5000字も書評を書けない!!)、というなかなかハードな課題となっております。それを書き終えた後には、個別面接が待っております。

それにも拘わらず、毎年多くの方に課題を提出して頂き、あらためて、優秀な学生が集まる大学で教育に携わることのできる幸運を感じます。今年の課題図書は、小泉悠先生の『ウクライナ戦争』(ちくま新書)。こちらについては、現在進行形の戦争についての書籍ですので、何が答えか、何が正しいのか、まだ流動的なところも多くあります。そのようななかで、既存の「解答」があるわけではないので、それぞれがご自身で思考して、ご自身で自らの考えを論述する必要があり、それを私が読ませて頂いております。

「自己紹介文」では自らのプレゼンテーション能力(とその人の人柄)を、「記憶に残った5冊」ではその人の知的な来歴を、そして「書評論文」では課題図書を理解する読解能力と、自らの思考を展開する上での論理的構成能力を、私自身が評価をさせて頂いております。私自身が、大学生時代に到達できないであろう高い水準で課題をこなして、ご提出して頂く学生の皆さんを私が評価をすることなど、おこがましいことであるとも感じ、同時に敬意を感じています。

とはいえ、今年も多くの魅力的な課題の文章を読ませて頂き、とても充実した時間を過ごすことができました。お書きになった学生の中には、こういったかちで自らの過去20年の歩みを振り返るのは貴重であり楽しかった、あるいはこの15000字の課題を書くということ自体が魅力的に感じ、入ゼミを希望した理由だった、という方もおられました。嬉しいことです。

他方で、そのような意欲と能力に満ちた学生の方、全員のご希望を叶えられないのは、教員として忸怩たるものがあり、また申し訳なく感じております。ちょうど今朝、選考結果をゼミのホームページで掲載しましたが、学籍番号がそこに含まれなかった方々には、私のゼミを希望して頂き、15000字の文章をお書き頂き提出頂いたことに、あらためて感謝をします。また同時に、本来のご希望に添えられぬ結果となりましたが、そのような熱い情熱と強い意志によって、残りの学生生活も充実したものとなるよう、そして一部の方々は法学部政治学科の優れた、私の尊敬する同僚の先生方のほかのゼミに加わって価値あるゼミ生活を過ごせますよう、祈念しております。

同時に、今回の選考の結果、私のゼミにご参加頂くことになった皆さんには、今月に行われる歓迎会、そして4月から始まる新しいゼミ生活を、存分に楽しんで頂き、多くのことを存分に吸収して頂ければ嬉しく思います。今年も多くの、魅力的で高い能力を持った学生の皆さんに、ゼミに新しくご参加頂きます、非力ながらも、私の力を存分に用いて、残りの2年間の学生生活がよりいっそう充実したものとなりますよう、お手伝いをさせて頂きます。どうぞ宜しくお願い致します。

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