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国際政治史を学ぼうとおもったときにまず読んでほしい10冊

前回に書きましたnote、「国際政治学を学ぼうとおもったときにまず最初に読んでほしい10冊」が予想以上に好評で、アップロードをして一日半ほどで100人以上の方にダウンロードして頂くという、自分でも驚いております。お読み頂いた皆さん、一人一人全員にお礼申し上げます。有り難うございました。

それで気分をよくした、というわけではないのですが、何しろ自分の好きな本を思い出しながら執筆することがとにかく楽しいので、やめられなくなってしまいました。

分かってます、やらなければいけない仕事もたくさんありますし、メールの返信がないと怒っておられる方もたくさんいらっしゃることも承知しています。でも、これでも一日10時間以上まじめに仕事をしておりますから、それ以外の「休憩時間」をこういった執筆に使っていることを、どうかお許し下さいませ。

さて、私の専門は、国際政治学のなかでも国際政治史という領域で、国際政治を学ぶ上で歴史的なアプローチと理論的なアプローチにざっくりと二分したときには、前者となります。もちろん、歴史と理論を組み合わせる研究も多くあり、「国際政治学を学ぼうとおもったときにまず最初に読んでほしい10冊」のなかでご紹介した、ジョセフ・ナイさんとデイヴィッド・ウェルチさんの『国際紛争』はまさにそのような種類の本だと思います(だから広く読まれているのだろうと思います)。

前回はまずは、「入門」というようなイメージで、まず最初によむ「10冊」ということでご紹介をしたのですが、今回はさらに「国際政治史」というジャンルにフォーカスをあてて、日本語で読めるお薦めの10冊を以下でご案内します。

なお、前置きが長くなり恐縮ですが(いつも長い)、ここで「国際政治史」というときに、ちょっとそのなかでのいくつかのアプローチをご紹介します。すなわち、①グローバル・ヒストリー、②国際関係史、③国際政治史、④二国関係史、⑤外交史、といった感じでしょうか。必ずしも厳密な区分があるわけではありませんが、②の「国際関係史」は、フランスで主流のアプローチで、政治、外交、軍事、経済、社会、文化などを総合的に捉える視点で、歴史を綴るものです。③の国際政治史は、とりわけ国家間の政治を軸に歴史を論じるもの。④は、言葉の通り、日米関係史、日中関係史のような2国間関係の歴史。そして⑤は、日本外交史、アメリカ外交史、イギリス外交史のような、1国の外交の歴史を綴ったものです。国家間関係を超えた、トランスナショナルな関係や、スープラナショナルな機関(EU)などにも注目して、より包括的なグローバル・ヒストリーというアプローチが最近は日本でも流行っています。

ですので、いずれは、「外交史」に注目した「10冊」も書きたいと思いますが、ここでは、②と③を中心に、より広域的、国家間政治にフォーカスを置いたアプローチを中心として、10冊を厳選します。これも数十冊、数百冊ご紹介したい、お薦めしたい本があるのですが、そのなかでもとりわけまず最初に読むのに相応しいものをご案内します。


長い時代を扱った通史の3冊

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