高齢社会のまちづくり第1回・2回

要約(メモ)

 まちづくりを考えていくうえで、これまでの日本の歴史を民族史から考えていく必要がある。演繹法が重視されてきた世の中で、歴史や経験をもとにする帰納法的な考えは軽視されてきたが、現代においては、不確実で不確定なものを内包するためにも帰納法的な考えが重要となる。
 資本の論理は格差を前提に成立する。しかしそれでよいのか。健全なる資本主義とはいったい何なのか考えていく必要がある。例えばヨーロッパではFeaaless cities networkという取り組みが注目されている。住民主体で公共サービスの再構築や地産池消、持続可能なサーキュラーエコノミーのようなと地域主義の取り組みである。21世紀の経済モデルとして、市場経済だけなく、地域循環経済という仕組みが重要である。経営倫理も再構築する必要があり、文化や環境などを大切にしないといけない。
 政府の掲げる地方創生に対する違和感として、単純施行になっていることが挙げられる。やみくもにどの街もスマートシティを目指す必要はなく、地域の文化、風土にあった施策がとられるべきである。経済性や利便性だけを重視するとうまくいかない。そのためには哲学が必要となる。死生観の問い直し、人間性の回復などがキーワードになる。生活圏に戻り地域を捉えて、誇りのもてるまちづくりを進めていく必要がある。Society5.0という社会になる中で、テクノロジーが発展する中で、それをまちづくりとセットで考えていかないとうまくいかない。
 今後、高齢化が問題になるのは都市部である。地方では産業の衰退、地域経済の衰退が問題になっている。人口減少の傾向からわかることは、子どもを産み育てる喜びを感じれる地域づくりが必要で、生活の場の再構築ともいえる。都市部では医療介護モデルの崩壊、地方では生活基盤の消滅という次元の違う問題を抱えており、比較できない。そのため対策もおのずと異なってくる。多死時代を迎えていくわけだが、今までの日本は人々を支えるのにシステム(公的サービス)に依存しすぎてきたということが言える。これからはおせっかいな社会が求められる。

ディスカッション

 街づくりの規模は多くて2万人程度。取りまとめ役が必要で役場職員が地域コーディネーターの役割をしている事例がある。そして地域住民と何かを一緒に作っていくプロセスが重要。まちづくりを経済から考えるか、環境から考えるか、若い世代はSDGsnativeであり、環境から普通に考える。


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