ゆういちの一生 第12話「僕たちの失敗」

ゆういち、中学1年生。

ゆういち12歳。
中学1年生。

この頃はもう女子とは遊ばず、男子とばかり遊ぶようになっています。
田舎なので、ヤンキーみたいな子が多いのですが、
そんな子とも遊ぶようになっていました。

近所に空き地があり、子どもがたむろって、
少年ジャンプなどを持ち寄って読んだりするプレハブがあり、
そこが小学生たちのたまり場でした。

ゴリくん。

小学生の頃、仲が良かったゴリくんという子がいます。
顔がゴリラに似てるからゴリって呼ばれてました。
二人とも成績がよかったので、頭がいい同士の会話を楽しむような友達でした。

そして、中学校に入り、ゴリと同じクラスになったので、
ゴリが前からやってる剣道部に一緒に入りました。

しかし、中学に入ってから、ゴリと疎遠な感じです。
僕はまた仲良くしたいなって思って、笑わせてやろうと思いました。

朝、新聞にダイハツの車のチラシが挟まっていました。
その頃ダイハツのキャラクターだったゴリラが描いてあったので、
これで笑いが取れると思って学校に持っていきました。

ただゴリラを見せるだけじゃなくて、偶然見た方が面白いと思い、
ゴリの下敷きに挟むことにしました。

ゴリの机からクリアファイルになってる下敷きを出したら、
テストが挟まっていて、ちらっと見えた点があまりよくありませんでした。
その時、ゴリラを入れるのをやめたらよかったんだけど、
予定通り入れてしまいました。

ゴリが自分の机に着き、下敷きを見ました!

ゴリは立ち上がり、下敷きを床にたたきつけて割りました。

そして、僕の席に来て僕を突き飛ばします。

みんなにどうしたのと聞かれ
「こんなことするんお前しかおらん!」

それから、ゴリとは全く話せなくて、
同じクラスで同じ剣道部なのに、
ずっと仲が悪いままです。

何度か廊下ですれ違った時に謝ろうとしますが、
謝れず仕舞いでした。

その後、
2年生になって、
僕は剣道部をやめ、
クラスもゴリと別々になり、
関係は戻らないままでした。

引越し先は...?

ある日、また引っ越すことになりました。
同じ町の山奥から、今度は海の近くの方へ。

引越先は、あのたまり場だったプレハブ!
ジャンプとかが置いてあった場所です。

空き地にはプレハブが二つあり、
それを大工だった父が、2つのプレハブの間に風呂とトイレと玄関と廊下を作り、
一つの家にしました。

2つのプレハブのうち、1つは台所と僕の部屋として、
もう1つは僕以外の家族4人の部屋として使っていました。

空き地に立っているプレハブですから、
いろいろな生き物が現れます。

ネズミ。

僕が部屋でステレオを鳴らして音楽を聞いていると、
壁の隙間から、ネズミが顔を出します。
僕が音楽を消すと、ネズミは帰っていきます。

ネコ。

また、ある日、ネコの鳴き声で目が覚めました。
ん?
ネコ飼ってないのに?

僕が驚くと、ネコも驚き、走って逃げていきました。
その後を追いかけていくと、玄関の縁の下の隙間に入り、
外の物置の下から出てきました。

ほこり。

その当時、中学生だった僕は
「こんな家に住むのは恥ずかしい。」
と思っていましたが、
今となっては、父親が作ったその家に誇りを持っています。


続き。


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