犬の散歩で

昼下がりの1番暖かく、気持ちが良い時間帯に愛犬の散歩に出掛けた。

人通りは少なめだったが、ある緑道で車椅子を引いている男性とそれに乗っている御年配の男性がいた。
2人は車椅子を止めて、体を動かして軽く運動をしていた。
車椅子に乗っていた男性は犬が好きなようで、可愛いねえ、元気が出るなあと言いながら私の犬を触っていた。
なんだか心がポカポカした。

しかし、気になった点が1つあった。
車椅子を引いていた男性だ。
その男性も歳を重ねた男性に見えた。その時、私は少子高齢化を感じた。
年配の男性を支えるのが、年配の男性、という社会になってしまったのか。単に、福祉の場に於いて、若者の人手が足りないのかもしれないが。

特にこの事について、今すぐにできる事があるのかと言ったらないかもしれないけど、日本の現状を目の当たりにしたような犬の散歩だった。私の犬と触れ合って嬉しそうにしている男性を見て、微笑ましい気持ちになる反面、日本の社会に対して一抹の不安を覚えた。

だが、遠い世界の話だと思っていた事を、自分の体感を持って実感できた事は大きい収穫だと思う。
この話だけではなく、遠い話だと勝手に位置付けている事は沢山あるんだろうなと考えると自分が少し怖くなる。