素晴らしい出会い

用事を済ませ、帰りの電車に乗る駅のホームに降りる手前で見かけたポスターに目が入った。
母は前から個展が開かれている事を知っていたようで、折角近くまで来ているから行ってみようと急遽訪れる事になった。

そう、それが武田双雲先生の「煌めき」展だった。

最初は何となく行ってみようという軽い気持ちだった。が、足を踏み入れた途端、心が震えていることに気付いた。

ん?なんだ、この感覚は。
それは、神社や神聖なパワースポットと同じような感覚だった。
1枚1枚、隅々まで食い入るように拝見した。
赤い燃えるような作品ならば、炎のような熱いパワー、水が流れるような作品ならば、自然の中にいる時に浴びるようなパワー。
とにかく、先生がイメージしてるエネルギーがその作品に物凄く反映されていて、それを私は全身で感じた。
美術の無限の可能性をも感じた。

そんな中で、作品の共通点を見つけた。
「愛」「楽」
特にこのメッセージを強く受け取った。

愛さえあれば、楽しいと思う心があれば、どんなことも乗り越えられるんじゃないか。いや乗り越えられる。
それに明確な理由はないのかもしれないけど、私は漠然とそう感じた。

人はワザと辛い道を選ぶ事がある。
私もどちらかというとそういう道を選んできた。
人生とは辛いものだ、という私の今までの経験から構築された固定概念を、作品達は崩しにかかってきた。
自分が楽しければいいんだ。辛い事をするのが、いいことに繋がるなんて法則は私が作り上げてしまったものなのではないか、と。

ハッとさせられた。

「愛」というものも、この地球に限らず、宇宙において万物を包み込む何にも変え難い波動だ。
家族、友達、極端な話、道端の雑草にだって愛は与えられる。
自分が愛を持てば、必ず愛は返ってくる。
循環だ。

素晴らしい事に気づき、素晴らしい波動に触れる事が出来た1日だった。
先生本人が居た事も何かの導きで出会わせてくれたのかもしれない。
運が良かったというのかな?
いや、自分で引き寄せたことだと思う。

あの時、あの場所でポスターを見かけていなかったら、ここに来ることも、この気づきをすることもなかったのだから。