夢のはなし

 自分にとって眠るという行為は夢の世界に向かうということと同じ意味を持つ。
たいていは、後味の悪い夢を見る。だから、毎晩ベッドに横になり目を閉じて入眠することに少し勇気がいる。

今日は嗚咽し泣きながら目を覚ました。

ー夢のはなしー
じいちゃんが死んで、ばあちゃんがそれまで2人で住んでいた小さな長屋を取壊し、その10倍以上もあるであろう3階建ての宿泊施設のような建物を近くに立て、そこで暮らしを始めた。わたしたち家族はそこに遊びに行った。(ここまで書いてわかった。この奇妙な建物の出現は昨晩グランドブタペストホテルを途中まで見たからだ)
 1階はばあちゃんの居住スペース、2階はアミューズメント施設、3階は宿部屋専用の階になっていて、1部屋に3つベッドの置かれた部屋がいくつもあった。出来たばかりのその建物(ばあちゃんの家だが)にはばあちゃんとわたしたち家族合わせて6人しかおらず、建物は静まり返り、すこし声を出せば建物中にその声だけが響きわたって、わたしはとても戸惑っていた。いろいろと建物内を見学したのち、経緯は覚えてないが、おそらくばあちゃんに、じいちゃんからわたしへの手紙だということで小さなポチ袋をもらった。
 2階から、建物の外へでていこうとする姉と妹(なぜか幼少期の姿)が見えた。追いかけていくと、おやつを買いに行くというのでわたしも一緒にいくことにした。その途中、2人はお金を持っていないことに気が付き、妹が泣き始めてしまった。わたしはじいちゃんから手渡された封筒のことを思い出す。きっとお金が入っているに違いないと思ったのだ。ポチ袋をあけると、予想通りお札数枚と、一緒に手紙が入っていた。手紙にはとても美しい字で(実際はじいちゃんの字を見たことがない)ゆいちゃんがんばっているね偉いねという感じの内容だった。(実際はばあちゃんがそういう内容の手紙をよく書いて送ってくれた)中には、かつてわたしからじいちゃんへ書いって送った手紙がラミネートされて入っていて、じいちゃんがわたしからの手紙を大切にしてくれていることがうかがえた。それで大泣きしてしまった。

そこで嗚咽し涙を流しながら目を覚ました。

毎日こうだから眠りについてもちっとも心が休まらない。
あんまりにも違う世界へ行ったり来たりするものだから、夢の世界も幻だとも思えない。
「現実」と名前がついている、今こうして文字を打っているこちらの世界も、生きることにはたいへん苦労しているのだから眠っているときくらい本当の意味で休みたい。

こないだは伊集院光氏が一日に2度も実家に来た夢を見た。その時はなぜかものすごい恐怖を感じた。

あちらの世界に行かずにゆっくり眠りたい。