しおひがり

おやすみのひです。
おかあさんが「しおひがりにいこう」と いいました。
うみに いって すなはまで かいを とるんだそうです。
ばけつと スコップを もって
おねえちゃんと おかあさんと わたしと 3にんで 
おかあさんの くるまにのって うみへ いきました。
うみに ついてから 
すなはまが ぬれて べちゃべちゃになっているところまで 
あるいていきました。
おかあさんが スコップで すなはまを ほると かいが でてきました。
「やってごらん」
まねして すなはまを ほったら かいが でてきました。
でてくるかいは ひとつ ひとつ もようがちがくて 
つぎは どんなもようかな と、
あたらしい かいを みつけるのが とても たのしみでした。
そうして わたしたちは ばけつ いっぱいの かいを みつけました。
「そろそろ かえろう」と おかあさんが いって
ばけつの かいが かくれるくらいに 
うみのみずを いれて くるまに はこびました。
「かいの りょうりが いっぱい たべれらるぞ~」
うんてんしながら おかあさんが うれしそうに いいました。
くるまのなかで わたしは ばけつを だっこする かかりでした。
わたしは みずが こぼれないように うんと うんと きをつけました。
いえに かえってから 
ばけつを だいどころの ながしのしたの とだなのおくに いれました。
「こうして ひとばん ねかせて すなを ださないと たべられないの」
おかあさんが おしえてくれました。
よる、ふとんに はいってから あしたは どんな ごはんかなと
かんがえながら ねむりました。
したのへやから おとうさんと おかあさんが
けんかしているこえが きこえていたけど 
あしたの ごはんの ことを かんがえていたので 
わたしは だいじょうぶでした。

あさに なりました。
わたしは いちばんに おきて かいの ようすを みにいきました。
ながしのしたの とびらを あけたら ばけつが ありません。
おかあさんが おきてきたので わたしは かいのことを ききました。
すると
「かい、すなを ちっとも はかなくて、たべられないから すてたの」
おかあさんが いいました。
「ごめんねえ」といって 
おかあさんは かなしそうな かおを しました。
「いいよ」と わたしは いいました。
わたしは おかあさんが かなしくなければいいなとおもいます。
それが かいなんかよりも だいじなことです。