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制作裏話:'op.2 Hero of the Netherd'

――「俺たちは強く、賢く、格好良く!」――

かざりゆい

こんばんは。かざりゆいです。
今夜も制作裏話の第3話として、'op.2 Hero of the Netherd'について綴っていこうと思います。
2番目に手を付けた曲。懐かしいですね(2ヶ月半前)。



制作過程の話

経緯

「ボイスドラマコンテスト用に楽曲を提供して欲しい」――という依頼をいただいた際、その詳細について話し合いながら、原作のシナリオを眺めていた時に思いついた曲。
――というか、急に会話を切り上げたその1時間後に「デモ曲です!」と言って提出したのが、この曲(の原案)でした。

その後、他の曲と並行で2週間かけて制作。後に曲単体で聴けるように微調整したものが、今回の表題曲になります。
初期にイメージできていた分、コンテスト3曲の中では最もローコストだった気がします。


コンセプト

当時のオーダーは正しく「戦闘曲」。
シナリオを読んだ際のメモにも、

2.戦闘:楽しく、カッコよく、最後は派手に決める。
テンポ:中くらい。自信満々に悠々と。
「ローヴァーゲイルのテーマ」?
1から続いて、ハンドクラップを追加、コード進行は4段目を明るいものに変化。

――と、わかりやすいですね。
カッコイイ主人公&相棒が活躍する場面であり、彼らの勇士を象徴する曲として制作していました。主人公達のテーマ曲。
なので、印象に残るキャッチーなメロディを意識していました。

後々、キャストの方々から「タリラリラーン」と愛着を込めて呼んでいただけたので、嬉しい限りです。


雰囲気と楽器

イメージは大きく2つ。
「迫りくる危険」「カッコ良く明るく華々しくキメる」

主人公達の前に立ち塞がる障害。
けれど彼らは、その知恵と勇気とコンビネーションで、鮮やかに打ち倒す。

――というシーン。
そこで、楽器に役割を与えたり、進行を意識して作ることにしました。

迫りくる危険 →ピアノの低音域
軽快さ →ハンドクラップ
緊迫感 →リズミカルなベードラ
ヒーローのターンへの転換 →クラッシュシンバル
ヒーローへの期待感 →シンセ×2の上行&ペダルポイント
高揚感 →リズミカルなシンセ
必殺の準備を整えるサイドキック →軽やかなグロッケンシュピール
満を持して登場するヒーロー →カッコイイエレキギター
ヒーローとサイドキックの連携 →主旋律の輪唱からの斉唱
鮮やかな決着 →全楽器での連打からの、オクターブ下げたルート音(マイナースケール)

こんな感じで移り変わり。
当時は「こんな感じにするとカッコ良くてそれっぽいな―」程度で作ってましたが、改めて聴き直してみると、ちゃんと解釈できるものだなぁと。

ところで、この曲もコード進行を記しておこうと思ったのですが、正しいコード進行のメモが残ってませんでした。明らかに間違ったものしかないという……。
フィーリングでも案外なんとかなるもんだなぁ、とも言えますが、これまで聴いてきた色んな曲から「それっぽさ」を聴き分けてきた証左なのでしょう。
特に決着の部分は、「劇場版宇宙戦艦ヤマト2199星巡る方舟」の劇伴、宮川彬良作曲「ガトランティス襲撃」にインスパイアを受けたものです。
好きな曲を分析して、自分の好きな展開として活用する――換骨奪胎を目指していきたいところです。


タイトル

初期から提示していたため、名前がコロコロ変わってます(笑)
そんなわけで、デモ時は"The Battle"、コンテスト提出時は"battle of the hero"、曲単体での公開時にようやく"Hero of the Netherd"と。
元々戦闘用BGMとして手を付けましたが、最終的にはヒーロー(=主人公)である彼らを象徴する曲として完成させた――というのが最終形ですね。


出来上がった曲

振り返り

ローコストと言った通り、デモは1時間で作ったのですが、その後トータル4週間を費やしていました。時間をかけた理由は、今ある以上の展開を作りたかったから。「迫りくる危険」→「カッコ良く撃破」の2場面で構成されるわけですが、もっと色々展開をつけたかったなぁ、というのが心残り。
まぁ、BGMという点ではむしろ展開が無い方が好ましいので、ボイスドラマコンテスト用としてはこれで良かったのだと思います。

それはそれとして、1時間程度でイメージを形にできた、ことについては喜びです。音楽で自分を表現する――その一歩を踏めたのかな、と。
意味を持って工夫をつけていけているので、この調子で腕を上げていきたいですね。


――というわけで制作裏話の3話目でした。
短めですが、今回はここまで。
最近、機材購入と作曲環境の構築、企画の準備等で忙しくしています。
次回の記事は、Alisaについてか、或いはボイスドラマコンテスト自体の振り返りをしようかな。

それでは、また。

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