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将棋めしとおやつの旅・神奈川~愛知(6)大須万松寺 五代目橋本

 大須万松寺 五代目橋本は、今年の名人戦の万松寺対局で、斎藤慎太郎八段の召し上がった最高級国産黒毛和牛ロースビフテキ・ヒレカツを提供したステーキの店である。毎日新聞・将棋のTwitterでは「テキを喰らって己にカツ これが令和の勝負飯」と銘打った勝負ランチと紹介されていた。

 ランチの時間帯にはとても混むと下調べしていたので開店30分前の11時に着いたが誰も並んでいない。そこで、すぐ近くの万松寺を少し見学してから再び店の前に来ると5人も並んでいた。
 カウンター席はいくつあるのだろう。入店1巡目でありつけなかった場合はJT杯に遅刻し、両対局者のスーツ姿での挨拶を拝めなくなる。まずい。

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 看板にあるランチはどれもコスパが良さそうだ。しかし、斎藤慎太郎八段が召し上がったステーキとカツが同居しているようなメニューは見当たらなかった。名人戦対局者の特別メニューだったのだろうか。

 普段の朝食は豆乳だけの私とバナナだけの同伴者が、銀波荘で品数多い朝食を食べ終わったのが8時30分。あれからまだ3時間しか経過していないが、なんとか一巡目に間に合い、五代目橋本のカウンター席でメニューを開くことができた。
 せっかくの機会なのに、私たちの腹には、あと少しならなんとか入りますという程度の隙間しかない。
 出されたものを残すのは流儀に反するので、特選和牛上ステーキプレートと特選和牛上ステーキ重の「ごはん少なめ」を注文する。
 これから行く本日のメインイベント、藤井聡太三冠対永瀬拓矢王座のJT杯準決勝を、食べ過ぎによる腹痛等で楽しめなかったら後悔の嵐となる。

 画像はごはん少なめなので、実際にお店で提供されている普通盛りとは違うことをご承知の上ご覧いただきたい。

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 この特選和牛上ステーキプレートは限定20食で1,080円。冗談のような値段である。手前のステーキはカウンター越しの店員さんが鉄板で焼いたばかりのものだ。作っている様子が見えるのでワクワク眺めて待つのが楽しい。
 ミディアムレアでとても柔らかい牛肉。かかっているソースは大根おろしが少し混ざってぽってり感があり、肉によく絡む。お箸で食べるステーキはこうでなくちゃ。
 ご飯の向こう側はハッシュドビーフである。相当な期間煮込んできたのではと思える濃さのソースの中には、すね肉だろうか、小さめのブロックと、細かい繊維状になった牛肉がある。
 この舌触りが懐かしかった。昔、父がよく伊勢重(小伝馬町)の牛の佃煮をお土産にもらってきたのだが、蓋を閉めずに放置してしまうとこんな感じの舌触りになる。「また開けっ放しにして!」と母にしこたま怒られたものだが、それも思い出である。

 話が些か脱線してしまったが、同伴者の注文した、特選和牛上ステーキ重も紹介しよう。しつこいようだが、この画像もごはん少なめで作っていただいたもの。普通盛りのこれにサラダもついて880円は破格ではないだろうか。並んででも食べたい気持ちがお分かりいただけるだろう。こちらも限定20食だそうだ。

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 大変美味しくいただいたので、次回は絶対にお腹を空かせて伺いたい。そして、隣の席の女性3人連れの方々が召し上がっていた彩り良く華やかな前菜付きのセット「コスパ最強ランチ」のステーキ(限定10食)を注文するのだ。あのジュージュー言う鉄板のステーキが心底羨ましかった。いつかリベンジの機会が巡ってくることを願っている。
 また、その時には追加で斎藤慎太郎八段の召し上がったカツもいただいてみたいと思う。

(つづく)








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