将棋めしとおやつの旅~東京・その1(10)おつな寿司
(2021年12月の記録です)
都市センターホテルを出て向かったのは六本木。ここには第4回Abemaトーナメントのチーム木村のお花見動画内で木村九段が持参した、いなり寿司と巻き寿司の折詰を販売している『おつな寿司』があるのだ。上京したらぜひとも味わいたいと思っていた品である。
まず、店構えが和モダンである。何しろ六本木、人通りが多く、写真を撮ろうとするとフレームに人や車が入ってしまう。近寄って煽りでそそくさと撮った写真は、後から見たら迫力があった。老舗と言うから古い造りの店かと思っていたが想像とは全く違った。
チーム動画で登場した折詰は、お土産メニューの一つ、詰め合わせ1号(山ごぼう、たくあん、穴子胡瓜の巻物と太巻といなりの詰め合わせ2人前)と思われたのでそれを求めた。(なお、当時は税込み2,705円だったが、2022年8月現在値上がりしており3,115円だ。)
日曜日は店内飲食はお休みでお土産販売のみなので、家へのお土産とした。季節は冬。車内には発泡スチロール容器と保冷剤があり持ち帰りには問題なかった。
公式サイトには店の歴史などを紹介する情報があまり載っていないので、チーム動画にあった「1875年から続く老舗の寿司屋。秘伝の汁で炊き上げた油揚げを裏返してシャリを包むいなり寿司」という説明と、以下のリンク「通のおもたせ」や、折に入っていたしおり画像などから察していただきたい。
これを花見のお持たせとするとは、通で業界人という感じが漂っているではないか。流石である。
では、詰め合わせ1号を食した感想を。
裏返しのお揚げのいなり寿司は珍しく、ザラッとした食感が楽しい。少し甘めの味付けだ。これが創業以来継ぎ足しながら使っている秘伝の煮汁の味かと思うと、更に美味しさが増す。
酢飯はごまが入って柚子の風味が香る。強過ぎず弱過ぎずいい塩梅で爽やか。柑橘好きの家族にも好評だった。
巻き寿司は山ごぼう、たくあん、きゅうりなど、歯触りの良い食材が使われており、噛むとパリパリと小気味良い音をたてる。
こんなに美味しいのなら、1号ではなく2号、3号、いや、いなり寿司を追加で買ってもよかった。
というのも、いなり寿司は家族に次々と食べられてしまって、私の口には1個しか入らなかったのだ。太巻きも家族に権利を譲ってしまい、食べていない。
ああ、もう一度食べたいものだ、ほんのり上品に柚子が香る乙な寿司。渇望感で駄洒落も冴えないのだが、どうかご容赦いただきたい。
(つづく)
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