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将棋めしとおやつの旅2022秋(関西)〜5・餃子舗珉珉

(2022年秋の話です)

 去年は店の前を通り過ぎるだけだった珉珉(みんみん)にやっと行くことができた。この店は福島区の関西将棋会館から通りを挟んで向かい側、歩いて1分くらいのところにあり、棋士たちが対局時に出前をとる店のひとつである。


 注文は行く前から決まっていた。それは、五目やきめしと五目やきそばで、どちらも関西での対局で木村九段が注文することの多いメニューである。今回は同伴者がいるので2つとも注文できるのが嬉しい。

 店内は広くてテーブル数も多く、円卓は3つ。壁際には電車の網棚のような荷物置きがあった。テーブルの上には例の感染症のための対策で立てられたアクリル板がある。また、飲食店にしてはいまどき珍しい灰皿も。

 ほどなくして配膳された。五目やきめしにはスープがついている。

 いわゆる関東で言うチャーハンで、あまりパラリとしていないタイプ。具材は筍、椎茸、にんじん、卵、ネギ、エビ、イカ。店頭のサンプルとは色が違う。粉のソースをご飯にまぶしたような色。でもソース味ではない。よくある味覇系の味でもなく、塩味という感じか。
 なお、「五目」がつかない「やきめし」もメニューとして存在している。写真から推測すると、その違いは海老とイカが入っているかいないかだと思われた。
 スープは澄んだ塩味で、もやしとわかめとねぎが入っていて味は割と薄め。

 五目焼きそばも海老とイカが入っている。焼きそばのそばは中太といったサイズ感のストレート麺だ。具材は卵、にんじん、ピーマン、筍、玉ねぎ、キャベツ、もやし、椎茸、きくらげ、エビ、イカ。塩焼きそば的だが若干薄味といったところか。

 アクリル板を避けて皿を交換し合い、具材だけでなく味もかぶってしまったことに気づいたが、それはやむを得ない。

 いずれも町の中華屋っぽい鶏ガラスープや創味シャン〇ン風の味に頼っていないと感じたのは、本格中華であるからだろうか。それとも、昼間食べた喫茶Yのサンドイッチのマヨネーズとケチャップの猛攻で舌がやられていたせいなのだろうか。(喫茶Yを劇物扱い?お許しを…)昼のボリュームが相当影響し、夜になってもおなかの余裕がなかったため、餃子や春巻きを注文できなかったのが心残りだ。
 20時近かったせいか、ひとり飲みの客がぽつぽつと入っているのみで静かだった。

 店名は平仮名で「みんみん」かと思っていた。連盟の棋譜中継アプリで、棋士のお食事注文の店名が表記される時「みんみん」とされているので。王へんに民、中継アプリでその字が出ないというだけなのかもしれない。
 「珉珉」の前に「餃子舗」がつくのも、後からレシートを見て知った。そのくらい、将棋民には「みんみん」だ。
 メニューも豊富で美味しそうだったので、早く例の感染症が下火になって、大人数で円卓をグルグル回し、楽しくワイワイおしゃべりしながら食事をしたいと思った。


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