将棋めしとおやつの旅~また愛知(5)大口屋
(2022年1月の記録です)
名古屋能楽堂を出て、次に向かったのは三越栄店。将棋ゆかりのおやつを購入するためである。予約している夕食までの隙間時間、急ぎ足でデパ地下を歩き、大口屋にたどり着いた。
目当ては餡麩三喜羅(あんぷさんきら)。思わずフリガナをつけてしまうこの名前、西尾維新の小説の登場人物だと言っても騙される人がいそうである。
この餡麩三喜羅を朝日新聞のコラムで豊島将之先生が取り上げていたことがあったので、絶対に食べてみたいと思っていた。
昨年愛知を訪れた際、JR名古屋駅にあるカフェジャンシアーヌでぴよりんをつついたあと、隣のギフトKIOSKで大きな紙袋2つ分のお土産を買ったにもかかわらず、この餡麩三喜羅を販売していたことに気づかなかったという大失態を犯した。帰宅してからどれだけ後悔したものか。
その餡麩三喜羅に、やっと出会える。
帰宅してからいただいた。塩漬けしたサルトリイバラの葉に包まれた小さめの麩まんじゅうだ。賞味期限は購入日の翌日だったように思う。
もっちりというか、むっちりというか、食べ甲斐のある食感である。これは購入から時間が経っているせいもあるだろう。中の餡はさっぱりめのこし餡で、葉の塩気が移った生麩に合う。
サルトリイバラの葉はまぁるく切り揃えてあり、小さなまぁるい饅頭と相まって見た目にも可愛らしい。
このサルトリイバラの別名は山帰来(さんきらい)だそうで、ここに「三喜羅」の字を当てたのだろうか。花言葉は「不屈の精神」だそうで、そこも豊島先生にぴったりと感じた。
2月中旬ごろにはピンク色をした麩まんじゅう、あんぷさくらが発売されるそうだ。桜の葉にくるまれていて、中は白小豆のこしあん。その季節にタイミング良く訪店できたらぜひ味わってみたい。
(つづく)
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