先月の衆院選に思うこと。

先月末、10月31日(日)に第49回衆議院選挙がありました。

選挙に行った方も、理由があって行か/けなかった方。またはそもそも投票したくても選挙権を持つことができなかった方がいると思います。私のまわりだと、海外居住の方も多いので、かなり手続きが面倒だということを見聞きしました。デジタル、デジタル謳うくらいなら、全部ネット投票にでもしたらいいのに、と思います。(「お名前を書いていただくことが、党員の誇りだ」みたいなよくわからない風潮が消えるまでは、そうならないのかな)

また、長年日本に住んでいながらも、外国籍だからという理由で投票できない人も知っているので、こうした人々の権利が保証されるようにも早くなってほしい。


こうした問題にももちろん言及していかないといけないのですが、この記事では、今回の選挙について率直に思ったことを書きたいと思います。過去の選挙と比較して、今回のものは自分の思いとか、希望を前面に出して投票して、その熱量もさることながら、書き残しておかないともったいないと感じました。


まずは、自分の選挙区について。私の選挙区である埼玉3区には、自民党から男性1名、立憲民主党から女性1名と、N党から男性1名の、計3名の立候補者がいました。ただ、自・立の候補者が再選をかけ、地元の応援をフルに受けていたので、メディアでは「事実上の一騎打ち」なんて言われていたし、自分もそう思った。(N党の方は、以前の千葉市長選などにも出馬しているので、単純に票数割れ引き起こし要員だろ、と思ってしまいました)

自分の投票先を明らかにしてはいけない、というルールはないと思うので、先に明言しておこうと思います。私は、小選挙区では上記の立憲候補者に投票。比例は共産党に投票しました。(比例の話は、後々に)

自分の選挙区の自民候補者は岸田政権になって内閣府副大臣になり、もののニュースによると、コロナ対策と経済を担当する党内でも力のある人にはなったのだとか。では、なぜその人に投票しなかったかというと、所属派閥が高市早苗氏のものだったからです。

今回の選挙では、「ジェンダー、性的マイノリティ 」また「選択的夫婦別姓」に関する政策が、候補者の当選を左右する初めての選挙だ、とよく言われていましたし、自分も「ジェンダー」「LGBT +」」に関する政策を大きな指標に、投票者を吟味していました。その意味で、「ジェンダー平等」にまったく理解を示そうとしない高市氏の意見と近いこの方を、当たり前ですが自分には推す気になれなかった。案の定、この方個人の政策提言を見ても、「ジェンダー平等」に関する政策には、「慎重な議論を伴う」といった後ろ向きなものでした。

対して、立憲候補者の方は、「ジェンダー平等」前面には押し出してはいないものの(全体的に「どちらかというと〇〇」の曖昧回答が目立つ)、不妊治療支援を積極的に提言し、政府の財政出動にも賛成してきました。また、国会議員の偏った、偏りすぎた男女比も加味し、投票しました。


次に比例代表。先に明らかにしたように、私は比例は共産党に投票しました。私の選挙区には共産党からの候補者はいないものの、ジェンダー、日米関係、その他多くの政策に、私の意見が合致したので比例で投票しました。ちなみに比例当選で期待していたのは、東京12区の池内さおりさんです。「ジェンダー平等」を中心に、ヘイトスピーチの根絶、高等教育学費の半額、貸与奨学金の無利子化など、多くの政策に目を向ける姿勢は、他の選挙区であっても大いに応援したくなるものでした。


結果は、小選挙区、比例ともに、私の期待とは違ったものになってしまいました。自民候補者が選挙区を抑え、比例は予想もしてなかった維新が躍進。埼玉県全体を見ても、男性の自民候補の当選が多く、派閥も高市派、麻生派、二階派と、保守層が多いのかなと直感で思いました。また、当選者の男女比は、むしろ前回より下がったので、そこに関しては結構応えました。


この結果からより改善していかないといけないと感じたのは、まず「クォータ制」です。マイノリティの声が届きづらい、否届かない日本の国会は、ジェンダーだけでなく、在日外国人、先住民、また経済・福祉の政策に関しても、少なくとも私には改善される兆しがまったく見えてきません。

前回2017年の衆院選では、女性当選者は465人中47人(10.1%)。対して、今回は45人(9.7%)。(Yahoo!ニュース|衆議院の女性比率はさらに後退。9.7%の数字に「腰を据えた本気の改革が必要」)2人しか減っていないように見えても、女性の国会議員比率10%を切る国が、先進国だと思いたくはありません。早期の改善を求めます。(ただ現行のジェンダー・クォータ制では、男女の二元論を再生産してしまうので、LGBT+が参入できるような制度自体の改革も必要)

また、比例政党を書く際の、立憲なのか、国民なのかの略称である「民主党」表記も、早急に改善されるべきです。これだけで、どれだけの投票用紙が死に票になったかはわかりませんが、チェック制にすれば少なくともその数は減るでしょう。

どっちで書けばよいのか迷っても、投票会場でスタッフに尋ねてしまうと、支持政党が露呈してしまうので、そのまま投票...なんてことも減ります。「選挙に行こう!」とは言いますが、投票しやすい選挙を展開しないのは、選管と政府に責任があります。


ただ、今回の結果で唯一良かったと思えたのは、最高裁の国民審査の結果についてです。審査対象11名のうち、「選択的夫婦別姓」訴訟に合憲であると判決を下した、4名に「×」が集中したことは、かなり大きな転換だったんだと思います。戦後1人も罷免されていない国民審査は、それぞれの判例やプロフィールを注意して見ないと、何のためにあるのかも、よくわかりません。

それでも他の審査対象者に比べて、この4人に反対が集中したことは、民意が可視化されたことの証明になったのではないでしょうか。「長岡村の林は深い」が効いたのでしょう。(国民審査の用紙も改善されるべきということは、声を大にして言いたい)

ここまで一気に書いて、いいまとめの言葉が浮かびません。

私の今回の選挙での希望は、まず野党共闘による政権交代だったので、そこに関しては達成されませんでした。しかし、今回当選した野党議員とできることもあるし、今まで見てこなかった議員の政策を見る機会にもなると思います。自分でもそこをうまく活用できるようにしたいと思います。

「ジェンダー平等」。言い続けていきます。






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