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【ジェレミ・ベンサム】

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18世紀に功利主義という概念を説いた哲学者。
功利主義とは「最大多数の最大幸福」を目指す哲学です。
つまり、出来るだけ多くの人が幸せを感じる政策を目指すべきというスタンスなのですが、、結果主義的で大衆の幸福のためなら多少の犠牲は止む得ないとする側面もあります。

さて、彼は功利主義的な考えから、「パノプティコン」という刑務所を構想しました。
これは、囚人たちに模範的な行動を促すには、常に監視すればいいという発想から、それを可能にした刑務所です。
実際には、看守が常に全員を監視するようなシステムにはなっていませんが、、囚人からは常に見張られているように感じる構造になっているので、彼らは規律正しく振舞うようになります。
こうすることで、犯罪者を自力で更生させることができると考えたんですね。

しかし現代、このパノプティコンに通じるシステムがデジタル化され、中国で超監視社会が実現しています
常に見張られることで、民衆が模範的なふるまいをするなら、監視カメラで徹底的に市民を監視しようという試みです。
中国全土には2019年の時点で、2億台もの防犯カメラがあり、その中にはAIを駆使した「天網(スカイネット)」というシステムがあって顔認証で誰がいつどこで何をしたのか瞬時にわかってしまうほどの機能です。
たしかに、このおかげで中国では犯罪やマナー違反などは減っているそうです。
ただ、果たしてこれが本当の幸福だと言えるのでしょうか?
なんだか、常に首輪をつけられているような気がしてしまいますね。
こうして、人類の家畜化がますます進んでいくのかもしれません。

ただ、これは中国だけの話ではありません。
超監視社会はもう日本でも始まっています。
多くの車にはドライブレコーダーがついていて、みんなが互いに監視している状態です。
「壁に耳あり障子に目あり」というのを常に気にしなければならない時代になってきているんですね。

参考
幸福な監視国家・中国」(梶谷懐・高口健太)
大紀元
AXION

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