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パクリ疑惑 なぜ起こる?

韓国映画「パラサイト」が2020年のアカデミー賞に選ばれました。
しかし、ここにきてインドの映画プロデューサーが、
パラサイトは自身がプルデュースした「ミンサラ・カンナ」のパクリだと声を上げました。
しかし評論家によると、貧乏人が大富豪へ取り入る設定は似てるがまったく別ジャンルの作品ということです。

今回のこの問題はすぐに収束しそうですが、
有名作品にパクリ疑惑がつく現象はこれからも起こるでしょう。
その根拠は社会ネットワークを見ればわかります。 

作品ネットネットワーク

社会ネットワークの中には、あらゆる情報や人、金などが集まる
ハブと呼ばれる特異点があります。
ハブを人で例えるなら有名人ですね。

そして映画にもハブとされる作品があります。
スターウォーズやアベンジャーズシリーズ、アナと雪の女王などの人気作。
これらの作品には多くの人やお金が集まります。

有名作品がハブと呼ばれるのは、単に人やお金を集めるからじゃありません。
多くの若手クリエイターがそれを参考にするからです。

かつて手塚治虫はディズニーに憧れてマンガを描き始めました。
さらに手塚治虫に憧れてマンガかになった石ノ森章太郎や藤子不二雄などが現れます。
そして彼らに憧れてマンガ家になった有名作家も大勢います。

有名作品は、こうやって多くの人(才能)をつなげるのでハブと呼ばれているのです。

保険会社の介入

有名作品は様々な作品の参考にされます。
そして、多くの作品が有名作品の設定をまねてヒット作へ成長していきました。

その現象に目を付けたのが保険会社です。

映画を作るにあたって「どのくらい収益が見込めるか」は重要です。
最近は保険会社が映画製作に介入しています。
これはもし映画が滑ってしまった場合保険会社が損害を支払うといった仕組みです。
おかげで映画業界は安定するのですが、作品制作に保険会社が口を挟むようになりました。

口を挟むというのは「売れるように作れ」ということです。
保険会社は過去にヒットした映画(ハブ作品)からネタを収集し脚本を作らせます。
ヒット作からヒットした要因を洗い出せば、次の作品もヒットする可能性が高いので。
アベンジャーズシリーズやトイストーリーなど、シリーズものが多いのも
保険会社がシリーズは売れると判断したからですね。
(かつてトイストーリーのジョン・ラセター監督は続編は作らないと言っていましたが、
結果的にシリーズ化しました。これも保険会社の判断でしょう)

そもそも有名作品はまねされてきた。
さらに保険会社がそれを後押し。

この二つが合わさり、近年では多くの作品が有名作品の設定を踏襲しています。
なので設定がかぶるような作品が多くなってるんですね。

アイデアがかぶる現象

もし趣味趣向が似たような映画監督がいるとします。
彼らは別々の映画から刺激を受けて自分の映画を作りました。
それなのに、似たような映画になってしまう。

こういった現象は映画に限らず、様々な分野であることだと言われています。

彼らは趣味趣向が似ているので、同じようなジャンルを参考にする可能性が高いです。
そして、それぞれのジャンルにはジャンルを代表する作品があります。
別の作品を参考にしていても、その二つの作品がジャンルを代表する作品を元に作っていたのなら、
結果的に2人が作る作品が似てくるのも当然です。

今後も「パクリ疑惑」事件は起こります。
それは、こういった理由が原因ですね。
中には本当に丸パクリの人もいますが、ほとんどが基本的な設定やキャラクターの特徴だけだったりです。
パクリ疑惑と聞くと反応する人がいますが、こういった可能性も頭に入れておいた方がいいかもしれませんね。
○○人=パクリ!
と決めつけてしまう前に。

丸パクリが有名になったら

自分が作った作品がパクられて、それが有名になったらどうしますか?
訴えるにしろ、泣き寝入りするにしろ、そこには一つだけむなしい事実が残ります。

結果、自分のオリジナル作品はヒットしなかった。

落語はみんなで同じ話をするのですが、噺家によって面白さが違います。
どんなに内容が優れていても、見せ方や話し方によって全然反応が違うんですね。

もし自分の作品がパクられたら、
どうして自分のオリジナルがヒットしなかったのか?
パクリ作品との違いはなにか?

これを考えると勉強になるでしょう。

参考

複雑な世界 単純な法則 マーク・ブキャナン
テレビウォッチ

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