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香港を操るCIA?

香港の民主化運動で注目されている人物と言えば、周庭(アグネス・チョウ)さんですよね。
若い女性でルックスもいいので、民主化の女神とまで言われています。
さらに、日本語をしゃべることで、日本でも好感度が高いですね。

ただ、彼女には「CIAの工作員」だという噂があります。
本人はTwitterで否定していますが、香港の民主化運動にはアメリカの影が見え隠れしているんですよね。
(本当にCIAだとしても否定するのは当然ですが)

NEDとCIAの関係

周庭さんにCIA疑惑がささやかれた理由は、彼女らが立ち上げた政治家団体「香港衆志(デモシスト)」の資金源にありました。
デモシストのには、香港民主化運動「雨傘運動」の指導者、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)さんも所属していて、リーダー的な存在です。
そして黄さんが雨傘運動を行っていた際に、全米民主主義基金(NED)から資金援助を受けていたことが、中国メディアによって明らかにされています。

中国の「人民日報」によると、全米民主主義基金(NED)が2012年11月、天主教正義和平委員会の葉宝琳・幹事を通じて黄之鋒氏に10万ドルを活動経費として臨時支給したそうです。

さらにNEDのウェブサイトも「2018年だけで約45万ドルが香港の民主化促進のために使われた」と公表したそうです。
NEDのホームページにはカナダ議会に向けて、香港支援に対する意欲を語っています。

このNEDがCIAと関わりのある組織だとして、香港民主化デモはCIAによる工作だという噂が流れたんですね。
そしてそれが原因で周庭さんもCIAだという噂が流れました。

さて、これは単なる噂やデマなんでしょうか?
僕も周庭さんがCIAの工作員だという話は信じていません。(間接的なつながりはありそうですが…)
ただ、香港の民主化運動をアメリカが裏で手を引いているという説には少し説得力を感じています。

まず、NEDとCIAが関りのある組織だという話は、本当です。
NEDとはNational Endowment for Democracyの頭文字をとったもので、日本語にすると全米民主主義基金。
1983年にレーガン元米大統領の特命で設立された民間NGOです。
しかし、活動資金の大半は米政府から出されていて、その設立目的はCIAが秘密裡で行なってきたことを公然と行なうというものでした。
(これはウィキペディアにも書いてあります)

実際に1991年、当時のNEDデービッド・イグナシウス会長代理はインタビューで、こう語っています。
「今我々がやっていることは、25年前にCIAが秘密裏にやっていたのと同じことだ」
さらに「当時と今の最大の違いは、大っぴらに活動しているので、後で批判される可能性が少ないということ。オープンであることは即ち、自己防衛だ」とも述べました。

つまり、NEDはCIAのフロント機関ということになりますね。

カラー革命で暗躍するNED

NEDという組織は何をやっている組織なのかというと、主な活動は民主化革命の支援です。
毎年約1億ドルの予算を国務省等から配布され、海外での民主化啓蒙活動に携わるNGOに分配する仕組みです。
具体的には、国際共和協会(IRI)、全米民主国際研究所(NDI)、国際民間企業センター (CIPE)、米国国際労働連帯センター (ACILS) に資金が渡り、
さらに、そこから様々な国の民主化運動を支援するNGOやNPO(非営利組織)に分配されていきます。
香港の民主化運動にも同じように、NGOを通じての資金援助があったのでしょう。
民主化運動の支援というのは一見素晴らしいように思えますが、100%善意によって行われているのではありません。
民主化革命を進め、新政権ができた際、親米政権を樹立させたいという思惑があるからです。
中国が香港政府を通して民主化運動を阻止しようとしているのは、単にデモを阻止したいのではなく、香港にアメリカの息がかかった政権が誕生してしまうことを懸念してのことです。

実際にNEDは、2000年以来東欧や中央アジアで起こった民主化運動を支援して、政権交代に力を貸していました。
この民主化運動とは東欧や中央アジアで起こったカラー革命や花の革命と呼ばれるものです。
セルビア(旧ユーゴスラビア)では、2000年にブルドーザー革命が行われ、ユーゴスラビア大統領であるスロボダン・ミロシェヴィッチが退陣しました。
ジョージア(旧グルジア)では、2003年エドゥアルド・シェワルナゼ大統領が追い込まれるバラ革命が起こっています。
さらに、ウクライナではオレンジ革命、キルギスではチューリップ革命が起こりました。
中東でも、レバノンでは杉革命、チェニジアではジャスミン革命(アラブの春につながる革命)が起こっています。

NEDはこれらの活動を支援していました。
例えばウクライナの場合、2002年にブッシュ政権は2年後のウクライナ大統領選挙に向けてNEDとUSAID(アメリカ合衆国国際開発庁=非軍事の海外援助を行う政府組織)に6500万ドルを投じていたようです。
在日ロシア大使館もツイッターを通してこれを公表しているし、ウィキペディアにも「2004年ウクライナ大統領選挙でNEDは重要な役割を果たした」と書かれていますね。

つまり、これらの革命にはCIAのフロント機関であるNEDが関わっていて、アメリカ政府による内政干渉があったわけですね。
香港の運動にもNEDが関わっているとしたら、香港もカラー革命のようにアメリカに利用されてしまうことになります。

なぜアメリカは民主化にこだわるのか?

なぜアメリカはここまでお金をかけて、他国の民主化運動に手を貸すのでしょうか?
さきほど述べたように親米政権の樹立が目的ですが、具体的に言うとグローバル企業を進出させるためです。
独裁国家ではあらゆる利権を政権が支配していました。
しかし、民主化運動が行われると、そういった利権は市場に流れます。
グローバル企業の狙いは、それを買い漁ることです。、
例えば、アラブ諸国では石油資源を独裁政権が握っていました。
アメリカ率いるグローバル企業及び国際金融資本家はそれが欲しかった。
このような利権を手にれるためには、民主化革命によって政権を交代させるしかありません。
その役割を担っているのがNEDなどのNGOだったのです。

グローバルや民主化、という言葉は一見耳障りのいい言葉です。
でも、そういったものに全てを委ねて市場に流してしまうと、大切なものまで奪われていきます。
市場の原理は必ず格差を生む。
本来国家の役割は、市場の行き過ぎにブレーキをかけて舵取りをすることですが、
グローバル企業の傀儡政権ではその舵も握られてしまいます。
そんなことになれば、その国の経済は骨までしゃぶりつくされてしまうでしょう。

ただ、香港の民主化運動が失敗し、香港が中国共産党に支配されてしまうのも問題です。
アメリカやグローバリズムに乗っ取られることも、中国共産党に乗っ取られることもなく、香港人が自ら舵を握れる香港になって欲しいですね。

アメリカが進めるグローバリズムというのは、海外だけで起こっている問題ではありません。
日本も、アメリカからの圧力により様々なモノが民営化されていきました。国鉄に郵政、電力事業などなど。
民営化とは、国有の財産を市場に流してしまうことです。
それを画策したのは国際金融資本家と呼ばれる人たちかもしれませんね。


参考
NEDホームページ
現代ビジネス
DIAMOND online
ディープ・ステートの真実  西森マリー
THE HEADLINE

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