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#1「はじまりは苦しみからの逃亡」週刊連載「メタバースとコミュニティ」

プロローグ

苦しみから脱するための模索

おいでなんし~!バーチャル花魁由宇霧(ゆうぎり)と申します。
私は2018年8月にバーチャルYouTuberとしてデビューをしました。
性教育特化VTuberとして世界で初めて性教育の本を出版したVTuberです。
デビューしてから約4年間は2DのみのVTuberとして活動しており、バーチャルながらもメタバースとは少し違う世界で生きていました。

現在は特化Vとして動画やライブ配信を継続しながら
メタバースイベントコミュニティ「CLUSTARS」をはじめとした
様々な企画の運営をしています。

まずはじめに、そんな私がなぜメタバースという地に興味を抱き居場所(コミュニティ)作りの探求に至ったかをご紹介します。


バーチャルYouTuberとしての苦しみ

デビューして数カ月でYouTubeバズを経験し、あれよあれよという間にチャンネル登録者数20万人を超えるVTuberになりました。

順風満帆に見えるVTuber生活ですが、その中にも苦しみがありました。

数字に翻弄される日々

性教育というセンシティブなテーマを扱うため、YouTubeのパートナープログラム(収益化資格)が何度も停止になったり広告がつかずに再生数だけでは収益が得られない状況が続きました。
そのためまずは広告がつかなかったとしてもバズる動画を沢山作り、その影響力で企業案件を獲得して生計を立てていこうとしていました。
YouTubeには様々なアルゴリズムが働いており毎日のように様々な動画を投稿しながら傾向と対策を練っていましたが、このアルゴリズムは日々変わってゆくのでついていくのが大変でした。
どんなに自分が良いと思う動画を作っても、このアルゴリズムを乗りこなせなければ見てもらうことも叶わない。
そんな中でもこの研究を続けていればきっと大きなバズを起こし、性のことで悲しむ人を沢山救えると信じて続けていました。

自分で自分を孤独に追い込んでいた

性教育に関する発信は命に関わるものも多くとても繊細なので、活動するときは自分に出来る限り細心の注意をはらっていました。
特にライブ配信は編集がきかないので配信頻度を上げたり長時間配信にする度に大きな不安を抱えていました。
アイドルやタレントさんのプロモーション手法として「単純接触効果」が有名ですが、以上のような活動の特性によりそのようなPRは自分にはできないと諦めていました。
そんな中、他の活動頻度が多いVTuberさんとコラボをしたら自分の視聴者が取られてしまうのではないかという不安や、コラボした相手がその後なにかトラブルを起こした場合に自分の情報の信頼も損なわれてしまうのではないかという思い込みがあり、気軽にコラボすることができませんでした。
ほとんど人と関わらないので、何でも一人でやらなくてはいけなかったし
関わったとしてもコラボ相手には最大限リスペクトし、おもてなしをして迷惑をかけないように気をつけなければいけないと思いすぎていたので
気軽に雑談する先がなく一人で抱えることが多い日々でした。

「共有地をつくる」との出会い(2022/4頃)

そんなある日、平川克美著「共有地をつくる」という本に出会いました。
内容は私有をやめることで豊かになろうというもの。
この本を読んで、自分は独り占めしようと思っていたから苦しかったのだと気が付きました。
視聴者さんは「自分のもの」なんかじゃないのに、とても乱暴な考え方をしてしまっていたと反省しました。
この本がメタバースでコミュニティを作る発想の原点になりました。

第一章メタバースの大地に降り立つということ

コミュニティの重要性に気付くまで

なかなかコラボや交流ができない現状を変えるために
VRChatに降り立ってまずはゲームで遊ぶコミュニティに参加しました。
VRゴーグルの操作もよくわからず困り果てていたのですがNPCや動画ではなく「人」に直接教えてもらえたので、自分に必要な操作だけ知ることができました。
実は最初は自分が由宇霧であるということを伏せていました。
理由は無色透明の状態で楽しみたかったからです。
みなさんとても親切で、何者でなくても良いんだと思えるとても良い経験になりました。
そのコミュニティでは定期的に飲み会やワールド探索の募集があったので、何回か通う内に知っている方が増えました。
何者でなくても良いんだけど、そこに通い続けることでお互いに「知っているなにか」になっていくという体験が新鮮でした。
今まで、自分がVTuberとして立ってきた世界ではチャンネル登録者数や同時接続者数を増やさなければ「知ってもらえない」ような気がしていました。
でも、そうじゃなかったんです。
まず、チャンネル登録や視聴数が1人いるだけでも本当はもう「知ってもらえている」「見てもらえている」んですよね。
YouTubeやSNSでは1人1人が文字や数字に圧縮されてしまう。
だからなかなか体感できずに不安になってしまうのですが、メタバースの世界では目の前にたしかに人が居て自分のことを見てくれるし自分も相手の事を知ることができる。
これがとても衝撃的でした。

そのあともお笑いイベントや飲食店を模した接客系のイベントに参加して
自分自身、所属感を感じる体験を沢山しました。
いつの間にか孤独ではなくなっていて、メタバースで過ごす時間や出会う人や経験がリアルの世界と変わらないぐらい大切なものになっていきました。

これはVTuberだけでなく、多くの人の孤独を解決するのではないかと思い
そのコツを学ぶべく夢中でログインし続けました。
メタバースにただログインするだけでは、感じられない
「そこに住まう」という感覚はどのようにして得られるのか。
なにを気を付けるべきなのか、自分なりにわかってきたことがあるので
次回は「メタバースに住む方法」について書いていきます。

毎週金曜日・・・・更新できるのか!?!?!頑張ります~~

筆者 由宇霧(ゆうぎり)プロフィール

世界で初めて性教育の本を出版した特化型VTuber♨️
メタバースで居場所作りの探求中。
雑誌連載中「出張版 #特化Vの会」(VTuberスタイル)
Virtual ASOVIVA TV -ビバテレ-プロデューサー
メタバースイベントコミュニティ CLUSTARS運営
取材や講演会のご依頼は yugiri.staff@gmail.comまでご連絡ください。


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