凡人はゴブリンスレイヤーを手本にすべし！

皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。
今回はいつもと違った趣向のお話になります。

皆さまはゴブリンスレイヤーと言う作品をご存じでしょうか？
原作は小説で、つい先日まで二期目のアニメが放送されていた人気のある作品です。
少し長くなりますが、作品の概要を先に紹介しましょう。

この物語の主人公であるゴブリンスレイヤーは幼きに日に村がゴブリンの群れに襲われ、その時に愛する姉もゴブリンに殺されたせいで、ゴブリンをこの世界から殲滅したいと言う憎しみと願いを持つ冒険者です。
とにかくゴブリン討伐の依頼が舞い込めば真っ先にその依頼を受け、実際にゴブリンの巣を壊滅させます。
彼はゴブリンを倒すための準備を怠らず、その数や巣の場所の情報収集、臨機応変に戦うための道具の準備、装備や武器もただ高価で威力が高いものよりもゴブリンを殺すのに適したものを用意する堅実さを兼ね備えています。
一方のゴブリンはこの世界でも最下級の怪物・魔物とされており、１匹2匹程度であれば熟練の冒険者ならば一太刀で屠れるほどの小さな存在です。
ただし時にはリーダーとなるほどの智恵や高い戦闘力を持つ個体が現れ、そのリーダーの元で徒党を組んである程度の数が揃うと厄介で、数の暴力で一つの村を滅ぼすぐらいには凶悪ではあります。

物語の中では稀にゴブリンを手下として使う上位の怪物と対峙することもありますが、ゴブリンスレイヤーは基本ゴブリン狩りだけをしています。
先に述べたようにゴブリンは最下級の怪物であるので討伐の報酬も低く、熟練の冒険者はそんな依頼を受けず、それではと冒険者になりたての新人が依頼を受けて油断すると、数の暴力で返り討ちに遭うこともあると言う厄介な依頼を生み出す存在です。
ゴブリンスレイヤーはこの厄介な依頼を積極的に引き受けてくれるので、冒険者ギルドでは彼をありがたい存在として高く評価しています。
冒険者ギルドではその実績に合わせて身分保障のような形で等級を用意していますが、彼は上から三番目の等級であり、その地元では実力を認められた名士と言う立ち位置です。
ちなみに一番上の等級は、魔王を倒して世界の危機を救う勇者様用です。

ゴブリンスレイヤーはそんな世界観のお話しですが、もし本編に興味を持ったなら小説なりアニメなりをご覧頂ければと思います。

さて、ここからが本題です。
遠い異世界で魔王を倒して世界を救う勇者のように、皆さまの世界でも一代で財を成したり、後世に残る大発明をするような人物がいます。
しかし、一般の人々はそんな稀有な例を真似て手本にしようとしてはいけません。
本当に手本にすべきは勇者ではなく、ゴブリンスレイヤーの方です。

ゴブリン討伐のようなある程度の知識と経験があれば間違いなく片付けられる仕事に向き合い、そのための準備を怠らず油断せず堅実に進める。
時には予想外の事態に遭遇することもあるかもしれないが、それを乗り越えて新しい知識と経験を得る。
そうやって一度では大きな成果を得られずとも、継続して続けることで最終的に高い評価を得るようになる。
これは仕事に限らず趣味でもなんでも、自分がやり遂げたいと思うことに適用できるものだと思います。

仮に仕事の話で例えるにしても、ほとんどの人は世界で十本の指に入る大富豪の実業家や、戦乱の時代を終わらせた歴史に名を残す英雄を目指したいわけではないでしょう。
生きて行くのに不足ない稼ぎと財の蓄え、人様に蔑まされることのない程度の名声、家族に誇ることができる仕事の成果があれば十分なはずです。
欲と言うのは向上心にも繋がるので一概に悪いとは言えませんが、天運に恵まれた稀有な成功例を手本に自分も同じく成功しようとするのは物事の道理を弁えない者のすることで、昨日冒険者になったばかりの新人がいきなりドラゴン討伐に挑むようなものです。
幸い皆さまは失敗しても命まで奪われる環境にはいませんが、冒険者なら死んで終わりで後には何も残らずです。

ゴブリンスレイヤーと言う作品を見たことがなければよく分からないかもしれませんが、主人公である彼のように用意を怠らずに油断せず、目指すものに対して小さくても一つずつ成果を積み上げることが重要で、そうやって進めていけば自然と実力を付き名声も勝手について来ます。
神か歴史に選ばれた偉人であればともかく、凡人はゴブリンスレイヤーを手本にして確実に一歩ずつ進む姿を真似る方が、思ったよりも早く自分の望む未来を手に出来るのではないかと思います。

今回のお話はここまでです。
いつもと違った視点でお話ししましたが如何だったでしょうか？
それではまた、次回お会い致しましょう。

弓削彼方