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【白石優雅】FX入門知識レッスン10

ロスカットとは

ロスカットとは、一定の損失が発生した際にFX業者が決済注文を強制発注する制度のことです。
レバレッジをかけて預け入れた証拠金よりも大きな金額の取引が可能なFXは大きな収益を得ることが出来る可能性がある代わりに、大きく損を出す可能性もあります。
世界中の人や企業が取引を行う外国為替市場では、その取引の理由も様々です。海外旅行に行きたいから外貨を買うといった個人の取引、輸出で得た外貨を売るといった貿易に絡んだ取引、単に上がると思ったから買う、下がると思ったから売るといった投機的な取引など、いろいろな取引の結果、為替レートが決まります。そうしたレートの変化を完璧に読み切るなどということはできない以上、損をするという局面は確実に出てきます。
出来れば、これ以上自分の思った方と逆にいくようならばポジションを閉じるという指値注文の用語説明">逆指値注文をきちんと入れて、損失を自分でコントロールしておきたいところですが、もし、そうした逆指値注文を入れていない場合でも、損失を一定程度に抑えるための仕組みが(強制)ロスカットです。


ロスカットはなぜあるのか

レバレッジをかけて預け入れた金額以上の取引をしている以上、この仕組みがないと証拠金以上に損が出てしまう可能性が強まります(※仕組みがあっても出る可能性があります(後述))。極端な例を挙げると、10万円の証拠金で1ドル=110円の時に1万ドルの取引を行います(レバレッジ11倍)。もし1ドル=100円になると含み損は10万円で証拠金がすっかりなくなることになります。1ドル=90円になると、損は20万円で証拠金だけでは足りない損失が出ることになります。そうしたケースを避けるために一定以上に含み損が出た場合に強制的に決済を行う仕組みがロスカットです。


ロスカット一例

どの時点でロスカットが実施されるのかは業者によって違うのですが、よくあるパターンで証拠金率が8割を割り込んだら(ようは証拠金の2割以上の損失が出たら)ロスカットが発動するという場合、先ほどのケースでは1ドル=110円が1ドル=108円を割り込み、損失が元々の証拠金の10万円の2割にあたる2万円を超えた場合、強制ロスカットとなります。これによって証拠金以上の損が出る可能性を抑えることが出来ます。


絶対ではないロスカット

ただし、気を付けたいのが強制ロスカットが発動しても相場状況によっては預け入れた証拠金以上に損が出る可能性が否定できないということです。強制ロスカットは条件が満たされたときに自動で取引を実施するため先ほどのケースでは108円を割り込んだ時点でドル売り円買いを実施しようとします。通常の状態であれば107円99銭や107円98銭などといったレートで売ることが可能ですが相場が大きく荒れており108円を割り込んだ次の瞬間に市場で出てくるレートが95円だった場合、証拠金以上の損失が出ることになります。


各社違うロスカットの仕組み 自分のFX業者を要チェック

例のように証拠金率が8割を割り込んだらロスカットなどという場合、ドル円で証拠金を超える損が出るケースはまずないと思われますが、相場に絶対はない以上、リスクを意識する必要はあります。2015年のスイスフランショックなどの場合にはユーロスイスなどのポジションで実際に証拠金を超える損が出たケースがあるようです。またロスカットの発動条件が業者によって大きく違うため、よりぎりぎりまでロスカットが発動しないようにしている業者では証拠金超えの損が出る可能性が強まりますので取引しているFX業者のシステムをきちんと確認しておきましょう。


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