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【白石優雅】FX入門知識レッスン11

FX取引の注文方法

FXに興味をもって口座を開いたら次は実際に取引をしてみましょう。ただしFX取引の「注文方法」には大きく分けて6種類の注文方法があります。それぞれの注文はどのように異なるのでしょうか。それぞれを見ていきましょう。

◆FX取引の「注文方法」にはいくつか種類が・・・

 初心者の方にFX取引の始め方をお手伝いする当企画。連載第6回目となる今回は、FX取引のおける「注文方法」に焦点を当てたいと思います。

 株式取引と同様、FXで通貨を取引する際も状況に応じて使い分けることができる、さまざまな注文方法が提供されています。10年前のサービス開始当初は注文の種類も限られていて便利とは言いがたい環境でしたが近年は各社がこういった点にも注力。多彩な注文方法を提供することで、異なる局面でもスムーズに取引できるようになりました。利便性は格段にアップしたといえるでしょう。

 まずはここで基本となる6種類の注文方法について紹介します。これらは必ず必要となる方法なのでその使い方を必ずマスターしてください。

①成行注文=リアルタイムの価格で約定

注文を出したときの為替レートで約定(注文成立)する方法。「いま買いたい」「いま売りたい」というときに使う

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② 指値注文=指定価格で約定

「現行レートより安い価格で買いたい」もしくは「現行レートより高い価格で売りたい」というときに、価格を指定して注文する方法。押し目買い(上昇トレンドにある通貨がいったん下がったときに買う)もしくは買いポジションを利益確定させたいときなどに使う

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③ 逆指値注文=指値と反対の注文方法

「現行レートより高く買いたい」もしくは「現行レートより安い価格で売りたい」というときに、価格を指定して注文する方法。上昇トレンドの通貨を買いたいときや、買いポジションの通貨のストップ(損切り)注文などに使う

④ IFD注文=新規と決済を同時に注文

新規注文と同時にその新規注文が成立したら有効になる決済注文を同時に出す方法。新規注文が約定しない限り決済注文は執行されない

⑤ OCO注文=指値と逆指値を同時に注文

新規注文を出すときに「指値」と「逆指値」の2通りの注文を出す方法。保有ポジションの決済注文にも使えるこの場合は、利益確定のリミット注文と損失限定のストップ注文のふたつが同時に出せる

⑥ IFO注文=新規約定~決済までを自動化

 IFDとOCOを組み合わせた注文方法。新規注文と同時にその新規注文が約定したら有効になる決済用の指値注文と逆指値注文が同時に出せる。新規取引から利益確定もしくは損失限定の決済注文までを一度に出せる便利な方法

 リアルタイムで相場に向き合っているときは成行注文が便利ですし本業があるサラリーマンならIFO注文は強い味方。これらの注文方法を身につけておくことであらゆる相場局面に対応できるといえるでしょう。

利便性の高い注文方法でトレーダーから人気

 しかしながら最近はさらに利便性の高い注文方法でトレーダーから人気を集めているFX会社もあります。
例えばそのひとつが「トレール注文」。新規注文が約定すると同時に、逆指値の「値幅」が指定できる方法です。例えば、ドル円が100円の時に買いポジション(レートが円安に進むと利益が発生、円高に進むと損失が発生)を新規約定。

 この時98円で通常の逆指値注文を入れておくとその価格までレートが下落すれば、損切りの決済注文が執行されます。損失を限定するという意味では便利な注文方法です。

 一方トレール注文の場合は、逆指値の値幅を指定。仮に「2円」にするとします。するとこの場合、新規約定後に価格が2円下落すれば通常の逆指値注文と同じく98円で決済注文が執行されますが反対にレートが101円に上昇すれば98円だった逆指値価格は2円幅を置いた99円に上昇。さらに102円に上昇すれば100円になります。

 ところが一度上昇したトレール価格は下がらないよう設定されているのでその後にレートが反落すると100円で決済。損益はプラスマイナスゼロです。さらにレートが上がっていけばそれに伴いトレール価格も上がるので確実に利益が取れます。このようにリスクを限定しつつも利益を狙えるのがトレール注文なのです。「サイバーエージェントFX」「マネックスFX」「マネーパートナーズ」「アトランティック・ファイナンシャル・コーポレーション」等多数のFX会社が採用している利便性の高い注文方法です。

 独自の注文機能で差別化を図る会社もあります。例えば「ヒロセ通商」は、時間と価格を指定して指定した時間内に指定レートに達す売ると約定し指定レートに達しないと指定した時間に市場価格で約定する「時間指定注文」「ばんせい山丸証券」は取引時間中は指値注文として有効ながらも取引終了時間直前までに指定注文が成立しなかった場合、取引終了と同時に自動的に成行注文として執行される「不成注文」(ドル・ユーロ・ポンド・円の組み合わせのみ)「FX ZERO」は、複数のポジションをまとめて決済したり、同一通貨をまとめて決済できる「グロス決済注文」を採用しています。こういった各社の売りをチェックして会社選びの参考にするのも悪くありません。

 注文機能でもしのぎを削るFX各社。ただし注意したいのは、これらの注文がスムーズに成立するかどうかです。例えば成行注文でプライスボードに表示されている価格と約定価格に開きがでる「スリッページ」が多発したり約定拒否が頻繁に起きる会社はいくら多彩な注文方法を提供していても売買チャンスを逃すと言う意味では本末転倒です。各社のデモトレードを体験し注文方法の利便性や約定力も検証した上で自分に合った会社を選ぶようにしましょう。

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