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ボンジュール かなしみよ

「悲しみよ こんにちは」サガン
読書会のテーマでした。

17歳の少女の避暑地での甘くて切ない思い出というか、ピュアな心に宿る邪悪さがピリッとする少女以上オンナ未満の揺れを描いた名作です。

«Bonjour Tristesse»原文はフランス語ですから学習がてら覗いてみた。

いいですね今は、原文が片手でピコピコやって手に入る。アマゾンKindleで見つけられず、iBooksで。

いろいろ読みたいところはありますがとりあえず選んだのはここ。高校生セシルが苦しむベルクソンの哲学。新しい母親になるかもしれないアンヌが、恋の火遊びのジャマをして部屋に閉じ込めて哲学を勉強させる。

彼女が読んでるこの文章がさっぱりわからないんですよね。日本語で。

〈事実と原因のあいだに、まずはどれほど異質性を見いだすことができようと、また、たとえ行動規範と事物の本質に対する言明とのあいだに大きな隔たりがあろうと、人が人類を愛する力を汲みとれたと感じるのは、常に人類の発生原理に接してのことである〉P70

この文と17歳の少女が戦い、なんどもなんども読んでついに理解するのです。そして恋人を思いベッドに身を投げる。

17歳の少女がこの文を理解することもショックですが、これを書いたサガンは当時18歳ですから47歳の自分はちょっと悲しいのです。もういいオトナなのにね。

もしや原文の方がわかりやすかったりして?ということでみてみます。

«Quelque hétérogénéité qu'on puisse trouver d'abord entre les faits et la cause, et bien qu'il y ait loin d'une règle de conduite à une affirmation sur le fond des choses, c'est toujours dans un contact avec le principe générateur de l'espèce humaine qu'on s'est senti puiser la force d'aimer l'humanité.»

なるほどね。

なんてわけにはいきませんが、外国語を読むときは文を一字一字丁寧にみますので、文章の構造は理解できました。

グーグル翻訳で英語にしてみるとさらにシンプルに構造が理解できました。構造だけです。

文章の意味は中2ふうの理解しかできません。
愛を感じる「人類の発生原理」って何?

初級レベルの私には、この引用文に続く、セシルが文と睨みあってる場面こそ学習にふさわしいのでここもあげます。ちなみに過去形まだ習ってません。アプリ辞書だと過去形で引いても不定形を教えてくれるからいいですね。

Je me répétai cette phrase, doucement d'abord pour ne pas m'énerver, puis à voix haute.

私はこのフレーズを繰り返し読んだ。まずはイライラしないようにゆっくりと、次に大きな声で。

Je me pris la tête dans les mains et la regardai avec attention.

両手で頭を抱えて、集中して見つめた。

Enfin, je la compris et je me sentis aussi froide, aussi impuissante qu'en la lisant pour la première fois.

そしてついに理解した。でも相変わらず冷めたままで、初めて読んだ時と同じようにダメダメだった。

ちなみにベルクソンの原典は
«Les deux sources de la morale et de la religion»
邦題「道徳と宗教の二つの源泉」

原文ダウンロードしたので大きくなったら読もうかな。

以上

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