離婚考00

前提

一年前に離婚をした。離婚前から今に至るまで、色々と考えを巡らせてきた。
ただ、考えというのはとりとめもないもので、時間が経てば薄れて、流れていってしまうものだ。
だからこそ、少し整理のできてきた今のタイミングで、自分のために書き留めておこうと思う。

「離婚」というと、世間では結婚に失敗したという言われ方をすることがある。
だけど私は、自分の離婚を結婚の失敗だとは全く思っていない。

私たちは本当に仲の良い夫婦だった。離婚することを打ち明けた時に驚かない人はいなかったし、「この夫婦だけは大丈夫だと思ってた」とも言われた。
この決断に驚いたのは友人だけではない。夫もだ。

離婚を切り出したのは私からだった。
振り返って、青天の霹靂だったと夫は言った。
よくよく考えて出した答えだったけれど、私は離婚に関して誰にも相談はしなかった。検討していることさえ、誰にも話さなかった。
そもそも、相談とか言うけど答えなんておよそ自分の中で出ている。そして、言葉にしてしまったら、もう後戻りはできないということを分かっていた。
それに、私の一番の相談相手は、かれこれ十年以上他でもない夫だったのだ。

そもそも適当な文章だからということもあるが、正しくは元夫だけれど、別に今夫(現夫?)がいるわけでもないので、夫と書いている。わざわざ過去のものだと強調する感じがなんか嫌だからというのが半分。めんどくさいからが半分。

夫のことを嫌いになったわけではない。今でも、夫の好きなところを100個以上言える。
自分でもキモいけど、あんなに夫として素晴らしい人がいるだろうかと本気で思っていたし、今もその考えは変わらない。

離婚の原因は彼にはない。わたしが結婚を続けられなかったのは、わたしに原因がある。
ずっと原因を抱えながら、それも含めて許されてきた。だけど、もうダメだ、となった。

離婚についてわたしは隠していないし、傷を見せるつもりもなく開けっぴろげにいるので、わたしのことをよく知らない人から色んな調子で「なんで離婚したんですか?」と聞かれる。
そういう時は、適した時間で質問相手に合わせた理由を適当に答える。言う度にもやは残るけど、言葉を尽くしたところでもやが残る話なので、極力適当に話すことを心がける。

そうしておざなりな説明で離婚の理由をまわりに伝えてきた。でも一年間考えて、ああ、これも理由だったということがたくさん自分の中から出てきた。

そしてわたしは、自分と向き合う機会が欲しかった。だからこうして言葉にすることにした。

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