Nineteen Eighty-Four

どくしょかんそうぶんです。

 ジョージ=オーウェルの『1984』を読みました。
大学時代にも読んだことはあったのですが、当時は面白いとは感じたものの、どちらかといえば無機質に精読していた感じでした。
また読み返すくらいなので好きな小説ではあるんですけどね。
noteで何を書いていくのか、決めてないし決めなければいけないとも思ってはいませんが、今回は「本を読んで考えたこと」を書き連ねていきたいと思います。

 読み終わってから感じたのは、彼女が欲しいと思いました。それも強く笑
大学生の間は最低限気をつけていれば特にストレスなく好きなことが好きなようにできていたのですが、社会人になりより管理の行き届く組織に属してみると『1984』で失われた(抑制された)ものを強く惜しいと感じるようになったようです。ということで以下では考え連ねたことを書き連ね、上の最終的な感想まで辿りたいと思います。

 とはいえあの世界は全体主義が満遍なく行き届き、それを維持する機構も強固なわけで、現代社会のしがない会社員の置かれた状況とはレベルが違うのですが。
つまりあの世界は超監視社会や同調圧力の究極的な完成形ではなく、我々の思考や認知を形作る土台に作用するものなのです。詳しい内容は実際に読んでいただきたいですが、『1984』の国家が狙いとするのはそういうことであり、現在の中国や北朝鮮とは様子の異なるものです。例えばニュースピークがそれを如実に表していますし、101号室での出来事はそれを暴力的に実現させ、個人を最終的には心の底から全体へと還元させることに成功しています。
 そもそも人間とは家族や一定の集団の中で成長するため完全に己の身体のみという自由はありません。社会や家族からの影響を受けながら成長するので、個人の主観でさえもある程度は自己の外側の影響があるといえます。ニュースピークとはそういう点で長期的に全体に還元される人間を育てることに非常に有用ですし、大人であってもそれを使い続ける限り、思考の幅はニュースピークに合わせたものになっていくでしょう。物語時点では二重思考が必要なように、発展途上ではありましたが。

 人間は現代であっても常になんらかの力にさらされていますが、暴力的にその個人の感性までも支配されるわけではありません。犯罪など他人に害をなす行為は社会的に制限されますが、良くも悪くもその思考や行為に至ることは支配されていないわけです。
 『1984』の主人公たちは彼らの社会に迎合しない感性を持っており、幸せを追求したところを暴力的に中断させられ、全体に還元されてしまいました。美しいと思ったものを美しいといえず、好きな人を好きとは叫べず、愛を貫こうとも最後にはそれを暴力的に自発的に裏切らされてしまう。社会や集団といった外的なものが個人の主観に影響を及ぼすのであれば、恋人への愛を裏切ってしまうことも、この場合は完全に個人の責任ということもないのですが、当人にはそうは感じられません。全体主義、『1984』で描かれた世界の恐ろしいことは自己の身体の外側にある外的なもの、社会や国家、組織が暴力的に個を支配するにも関わらず、個人は自発的に全体に還元されているところです。そういう意味では真意と並行して、全体主義に迎合した思考を持つ二重思考というのはまだ個人の個たる部分は生きてはいるものの社会的には死んだといえ、その環境に生きる個人はいづれ全体主義に還元されてしまうのは当然のことでしょう。 

 現代人は多かれ少なかれ属する組織に気を遣っていますが、いきすぎると良くないということですね。すごく単純にいうと。
上手くやっていくのは大事ですが、自身の感性まで殺してしまうのは勿体無いと感じました。自分の幸せや感性の根拠に周囲の助けなど本当はどうでもよく、そう思うからでいいんですよね。広く認めさえるには社会的な視点からの擁護も必要なんでしょうが。
 自分自身がそう思うから、そしてそう思うといった認識はどこからきていうのかに反省的でいること。これがより自律的な生き方へつながる気がします。

 というわけで、恋人が欲しいと思ったのは誰かを必要とする社会的な行為にもかかわらず、それを何よりも個人的な問題にしてしまえる関係が恋人だからなんですよね。そして自分自身の感性をフルアクセルで回したいと思ったからです。
そうする自由があるのならしておかないともったいない気がしますし、何より将来や金銭、様々なことを考えて何もしないというのは心が死にはしないものの、寝てきりのような気がします。もちろん誰かを傷つけたりはだめですが。
 つまり自身の感性無くして心からの感動や幸せを得ることはできないし、おそらく誰かの幸せも叶えられないでしょう。

終わりの言葉
書いてて何が言いたいのか意味わからんくなった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?